『リーコとオスカーともっと深い影』

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『リーコとオスカーともっと深い影』
アンドレアス・シュタインヘーフェル作
森川弘子訳
岩波書店
 9月に大阪の尊敬する司書が新潟に来られたとき紹介してくれた本を
ようやく手にとって読んだ。
 しかしここれがなかなかの難物で、2回読むことになった。
 いかにもドイツっぽいのだ。理屈っぽい。しかしじっくりよく読むとおも
しろい。
 リーコというのは、「深い才能にめぐまれた子ども」である。じっくり考え
られるのだが、ときどき混乱したり道に迷ったりする。リーフェ93という
アパートにママと二人で住む特別支援学校に通ういる少年だ。この小説
はリーコの夏休みの日記という体裁をとりながら、リーコが雄弁に語って
いる。
 ある日彼は道ばたでマカロニを見つける。これがきっかけとなって、
ヘルメットをかぶった少年オスカーと出会い親友になる。リーコがじっくり
考えるタイプだとすると、オスカーは賢い物知りタイプだ。そのオスカーが
誘拐に遭い、リーコは彼を助け出すべく犯人ミスター2000を探し出す冒
険に出る。その必死な様子をリーコが克明に語る。
  私が一番に印象に残ったのはリーコの住むアパートの住人の多様さ
と面白さである。犯人捜しのドタバタも愉快なのだが、作家の人物造形
に関心を持った。
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by nokogirisou | 2010-11-11 19:11 | 本と図書館
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