『くじけないで』柴田トヨ

 ベストセラーには興味がなかったが、たまたま今朝
NHKのヒューマンドキュメント「99歳の詩人」を見たら
釘付けになった。そのまま書店に行って買ってしまった詩集。
 私はこのところ、懐疑的だった。詩の言葉はどれだけ人
を勇気づけたり、力になったりするだろうか?「感動しました」
「涙が出ました」という感想は、あまりに安易ではないか。
本当に言葉が人の心に届くというのは、そんなに簡単なこと
ではないのでないかと。私はいつも不安だった。自分の言葉
が相手にどううけとられるのか。人を傷つけはしないか、失礼
でないか、忘れ流されはしないか。
 苦労して詩にしても、自己満足のゴミになるのでないか。

 しかし、今日番組を見ていて、この柴田さんの言葉の力に
はっとした。私自身、柴田さんの詩の言葉に惹き付けられた
のだ。
 そして、印象に残ったのは、柴田さんと息子の健一さんとの
関係である。そもそも、詩を書くことを勧めたのは息子の健一
さんだ。そして二人は互いに詩を勉強しあってきた。トヨさん
が健一さんの詩をほめるところがすてきだった。いい親子だ
と思った。
 トヨさんのすごいところは、いままでの経験を大事に大事に
感情とともに記憶しているところである。それを、とても優しい
ちょうどいい長さの言葉をつむいで詩にしている。わかりやすい
のにやすっぽくない。99年の人生をくぐりぬけてきた人だから
こそ、紡げる言葉というのがある。
そして、この人の詩にはユーモアがるから愛される。
     貯金      柴田トヨ
 私ね 人から
 やさしさを貰ったら
 心に貯金をしておくの
 さびしくなった時は
 それを引き出して
 元気になる

 あなたも 今から
 積んでおきなさい
 年金より
 いいわよ

    朝はくる  柴田トヨ
 一人で生きていく
 と 決めた時から
 強い女性になったの
 でも 大勢の人が
 手をさしのべてくれた
 素直に甘えるkとおも
 勇気だと わかったわ
 
 (私は不幸せ……)
 溜息をついている貴方
 朝はかならず
 やってくる

 朝日も
 射してくる筈よ
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by nokogirisou | 2010-12-31 15:37 | 本と図書館
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