父と母

 父も母も年をとった。ここまで元気でいることを本当に感謝している。
両親年とってからの子供であった私は、早くに両親と別れることになる
のではないかと恐れていた時期があった。しかしここまで、無事に
元気でいてくれてありがたい。時にはそのうるさい干渉ぶりに閉口した
ものだ。本当にうるさい親だった。

 最近は身体が弱っていることは否めない。これはどうしようもないこと
だ。
母は、だいぶ記憶があやしい。
すぐに忘れてしまう。なんでも聞き直す。さっき言ったことを
忘れてしまう。何をどこへ片付けたか忘れてしまう。ゴミの捨て
方を忘れてしまう。
 困ったことだと思い、私はイライラすることが多かった。
 しかし父が言った。
「忘れてしまうけれど、それだけだ。ちゃんと感じるし、考えているし
人間らしい感情はあるし、まっとうな行動をしている。
しかも人格は昔のままなのだから、この人を大切にしなければなら
ないよ。」
 当たり前のことだがはっとした。
 つい、母を子供扱いしたり、怒ったりしていたことを反省した。
 
 両親が私を怒るときは、いつも彼等をないがしろにしたときだった。
ちゃんと話をきかない。
ちゃんと話をしない。
感謝しない。
年寄り扱いする。
 これらのときは、激しく感情まるだしで怒った。
「理屈じゃないんだ」
と怒った。さすがに私も両親がなぜ怒るかわかるようになった。
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by nokogirisou | 2011-01-06 20:08 | 日々のいろいろ
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