『第二音楽室』 佐藤多佳子著

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 「school and music」シリーズ。
 学校を舞台にした音楽をめぐる中、短編集。
私が気に入ったのは「FOUR」だ。気に入ったというより
も郷愁に浸ったといった方がよいか。
 卒業式の卒業証書授与の際のバックミュージック演奏
のために音楽の間柴先生に指名されて作られたリコーダー
アンサンブルの仲間たち個性派4人。
 春夏秋冬とだんだん4人の結束が強くなり、音楽が本物
になっていく。
 山口鈴花は絶対友だちになれそうもないと思っていたアルト
リコーダーの高田千秋とすぐに友だちにになった。鈴花は
テナー担当の中原健太のことが好きだが、何も言い出せない。
千秋は卒業していく渡辺先輩にぞっこん。二人はバレンタイン
デーにチョコレートを作るが、結局手渡せなかった。
 一方、間の悪い男、素人だったはずのバスリコーダー担当、
西澤がとても積極的にリコーダーの練習に関わってくる。鈴花
はこの西澤に「山口のソプラノだから、俺らはついていける」と
言われる。(青春ですね…)
 そうして無事に、卒業式でのアンサンブル演奏が終わった。
鈴花は西澤とは握手し、来年もやろうと約束をする。しかし
中原にはお疲れ様とも楽しかったとも言えなかった。
しかし、彼女はわかった。「ソプラノとテナーでつながっていた
ことの方が、ずっと大事。言葉はいらない」と。
 
 たしかに言葉にしたせいで壊れてしまうことがある。
 黙っていた方がよかったのかなと思うことがある。
 黙っているときは、どうしても言葉にして伝えたいくせに
言葉にしたとたんに後悔することがある。
 黙っていてもつながっていることがある。わざわざ確認する
必要なんかないんだと思うこともある。

 さて、この中学時代の淡い恋心と音楽とのかかわりは
なんともなつかしい。なにもかもぎこちなくてうまくいかない
けれど、思いだけは強くて妙に背伸びしていたあの頃。
 リコーダーに関して言えば、私がアンサンブルをやって
いたのは、小学校高学年のころだ。学校のリコーダーを
借りて演奏していた。それこそ、春夏秋冬練習した。
 あれは本当に楽しかった。 
 中学校ではリコーダーアンサンブルクラブに入っていた
が、演奏会などはなく、週に一度の練習だけでややモチベ
ーションは下がった。
むしろ中学校時代は合唱に燃えた。三年間歌い続けた。
夏は特設合唱部に入れてもらい,3年生と一緒に歌って
NHKのコンクールに出ることがうれしかった。
 そんなことを思い出した。

 
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by nokogirisou | 2011-02-04 21:09 | 本と図書館
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