『日日是好日』森下典子

 友人から送ってもらって、いつか読もうと積んでおいた本。
急に読みたくなって一気に読んだ。栞がいらなかった。
 
 「日日是好日」は「にちにちこれこうじつ」と読む。
毎日がよい日という意味だ。副題が「『お茶』が教えてくれた
15のしあわせ」である。

 世の中には「すぐわかるもの」と「すぐにはわからないもの」
があるという。私たちはすぐにわかることをわらろうと躍起に
なっているけれども、すぐにわかないことを噛みしめながら
生きていくのが人生なのだろうと思う。
 「人は時間の流れの中で目を開き、自分の成長を折々に発見
していくのだ」とまえがきにある。
 これは、25年以上お茶を続けてきた森下さんの人生論な
のかもしれない。

 一章ごとに教えがエピソードとともに書かれているのだが
馴染み深かったのが「「頭で考えようとしないこと」「たくさんの
『本物』を見るということ」「長い目で今を生きるということ」
だ。
 「頭で考えるな」つまり、理屈でない。身体で覚えろという
ことだ。父の口癖を思い出す。「理屈でない。生活だ」だ。
考えたり、頭で覚えたりするのでなく一回でも多く稽古する
べきなのだという。
 「たくさんの『本物』を見よ」とは私の恩師の教えである。
「少量でよいから本物を味わえ」といつも言っていた。世の中
はまがいものや、偽物、安易な代替品で満ちている。本物を
見抜き、それを選ぶ力をつけよと言われた。
お茶で用いる道具もじくも花も、茶事も茶会も、「本物」に
触れることが一番の学びである。
 「長い目で今を生きるということ」というのは、私が迷ったとき
に自分に言い聞かせている台詞である。結果を急いではいけ
ない。目の前の季節の中を丁寧に生きることを選びたい。
 
 お茶の教えを日常に生かしたいと思う。
 季節を感じ、背筋を伸ばし、立ち居振る舞いを自然に美しく
したい。そして時の流れのままに、ゆっくりでよいので成長して
いけたら…。
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by nokogirisou | 2011-02-06 19:20 | 本と図書館
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