『学校ブックトーク入門』高桑弥須子

 
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 単なるブックトークの事例集でない。学校図書館の現在、そしてあるべき姿
をとても率直に語っている本だ。また、司書の仕事がどうあるべきか、具体的
に詳しく書かれている。学校図書館の運営に関しては素人である私にとって
とても参考になった。
 
 学校図書館は、子どもたちが、自分で考えて生きていくことができるように
支援するためにあり、その活動は「子どもの成長」を強く意識しているという。
本を紹介するときも、図書館で調べ学習をするときもそれを忘れてはなら
ないのだと思う。
 
 「調べ学習」を実のあるものにするためには、ひとまとまりの読み物を
「読み通す」経験を積み重ねることが必要だとあり、共感する。
 本書にも書かれているが、最近は情報を書き写すことはできるが、
関連づけたり、自分の言葉で説明できない子どもが多い。「調べ学習」
をするためには、基本的な読書力が必要であり、情報の絡み合いを読み
解く力が必要なのだ。読書指導と調べ学習はリンクするのだと思う。

 ブックトークとは
 1 特定の集団対象に向けて
 2 ひとつのテーマの下に集めた本を
 3 それぞれ関連づけて紹介する活動
  だと定義づけられている。

 大切なのは柱となる本を決めて、順序を考えて組み立てを考える
ところだと思う。「「ブックトークは本の『解説』ではない」とあり、これは
忘れてはならないと感じた。ついつい私たちは本の紹介をするときに
すべてを語りすぎてしまう傾向がある。子どもたちを読む気にさせる
ように、工夫したい。

 ブックトークの実践例12+αは大変実践的でわかりやすい。

 後半の「ブックトークを行うための日ごろからの準備」はかなり本格
的なアドバイスになっている。「学校図書館で働くものに絶対必要な
ことは『常に本を読んでいる』ということです」とびしっと書かれている。
ちくちくちくちく、時間をひねり出して読むしかないという。
 
 どんな仕事も地道な努力の積み重ねからしか、花は開かないのだ。
高桑さんの信念と仕事ぶりから、学ぶことは多かった。
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by nokogirisou | 2011-03-05 00:39 | 本と図書館
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