『神去なあなあ日常』三浦しをん 著 徳間書店


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 ずっと気になっていた本だ。まずタイトルから不思議だった。
「なあなあ」ってなんだ?
しかし読み始めると止まらない。神去村の森がまぶたに浮かんで
くる。奈良県と三重県の境に本当にこんな村があるような気がする。
「なあなあ」とおっとりした言葉で話す村人たちが本当にそこに
いるような気がする。山の神様の仕業が本当に起こって不思議ない
ように思われる。

 高校を卒業して、進学も就職も決まっていなかったぐうたら少年
勇気が森林組合で林業をやることになった。林業?もっともわから
ない世界だ。ここでは携帯電話も圏外だ。若者の遊び場なんて全く
ない土地だ。突然飛び込んでいった若い勇気がなんでも「なあなあ」
の、神去村であたたかく受け入れられ、林業の本質を学んでいく。
 勇気が世話になっている中村林業の若社長、清一さんの一家も
勇気が暮らしている、ヨキと嫁のみきと、繁ばあちゃんもみな
魅力的だ。そしてなぜか神去村に美人が多い。さらに神去村の自然
の偉大さといったらない。文字で読んでいて圧倒される。
 勇気の目を通して、神去村がどんな村で、住人がどんな人で、森
林にどんな力がこもっているか描かれる。しだいに勇気の視点は
中村林業の若社長の奥さん祐子さんの妹、直紀に注がれていく。
恋をしたのだ。直紀は、変わった娘で勇気の誘いになど落ちない。

 それにしても、こんな村ってまだ日本に残っているのだろうか。
ユートピアのような、しかし現実とつながっているような神去村。
勇気っていいやつだったんだなと思って本をとじる。

 
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by nokogirisou | 2011-09-25 08:22 | 本と図書館
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