アニマシオンで広がる世界

 「読書へのアニマシオン」の勉強を続けて10年以上になる。
3年ほど前から新潟で一緒にアニマシオンを勉強したり、実践する仲
間ができ、今年4月から「新潟アニマシオン研究会」を立ち上げて、
継続的に学んでいる。

 アニマシオンとはスペイン語で「活性化」の意味だ。「読書へのア
ニマシオン」は、「本を使って楽しく遊ぶ」というコンセプトで個の
読書や考える力を重視しながら、集団でのコミュニケーションの形を
とる教育メソッドだ。読み聞かせやブックトークが子どもたちの読書
に対する意欲を引き出す方法だとすると、アニマシオンは子どもたち
の「読む力をそのものを引き出していく」方法だ。はじめは読み聞か
せで、しだいに「予読」とう形で、あらかじめ子どもたちに本を読ん
でくるように言って集まり、「作戦」という体系的な手法をとって、
物語の流れや登場人物、台詞、表現その他に注目しながら読む力をつ
けていく。
 一回のアニマシオンでは一つの作戦しか行わず、繰り返し様々な本
で様々な作戦を体験していくことで、読書力が養成されていくと考え
られている。
 
 9月28日に新潟で、NPO日本アニマシオン協会の理事長の黒木秀子
さんをお呼びしてのアニマシオンの勉強会があった。私は、仕事のた
め昼間の部は参加できなかったが、夜の部に参加した。夜の部には、
新潟大学の足立幸子先生も参加してくださり、アニマシオンの教育効
果測定をどのようにやったらよいか…などの話題でもりあがっった。

 アニマシオンを続けていく上で大事なことは、結局は自分自身の
読解力をつけていくことだと黒木さんは言われていた。日本の国語の
授業でやっているような、短いテキストの詳細な読解にとどまらず、
まるごと一冊読んで、内容を理解し、自分なりの批評ができる力を
アニマシオンを行う大人が高めていく必要がある。また、アニマシオ
ンや読書指導で「記憶力」を持ち出すことは、現場では意外と嫌われ
るが、読書する上で、はやり記憶力は重要な要素だというお話にも納
得がいった。長いものを読むときはもちろん、たかがセンター試験の
小説や評論を読む際にも、記憶力は必要なのである。

 また、作戦につかう本を探す選書の力をつけるには、まずは定評の
ある子どもの読み物を片っ端から読んでいくことが必要だと言われて
いた。そうやって作品を見極める目をやしなっていくのだ。
 黒木さんの鮮やかでおもしろいアニマシオンの背景には、相当な読
書量と、論理的裏付けと、各界とのコミュニケーションがあるのだと
いうことがわかる。

 黒木さんと足立先生という偉大な存在を囲んでの夜のひとときは
本当に熱く、充実していた。
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by nokogirisou | 2011-09-30 22:47 | 本と図書館
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