『ひとりで生きる』堀文子著

 師走のNHKのインタビュー番組の再放送で93歳の画家
堀文子のモットーが「群れない、慣れない、頼らない」
だと紹介されていた。なんだかこの画家の存在が気にな
って図書館で著作を探したが、テレビ放映の影響かすべ
て貸し出し中ではないか。このタイトルは予約が10件
も入っていた。それで途方にくれて購入した。しかしそ
れは正解だった。手元においておきたい言葉にあふれて
いたから。

「自由は、命懸けのこと」この最初の方にある言葉
にすでに私は圧倒されてしまった。
自由はわがままとは違う。責任を全部負う辛さがある。
だから命懸けになるのだ。
ある意味、岡本太郎にも共通する厳しさと激しさを
内に持つ人だ。岐路に立ったら困難の方を選ぶ人なのだ。

「息の絶えるまで感動していたい。」
これはとても共感できる。感動できることが何よりも
幸せだと思う。感動するには同じことの繰り返しでは
だめだ。習慣というのは大事なものだが、苦手なもので
もある。感動するためには飽きないことが必要で、それ
にはけっこうな努力がいる。堀さんはそれを厳密に実行
して、自分の中の本能を大切にし、信じる人なのだ。

 勇気を与えられた言葉は
「本当にやりたかったことは忘れずに諦めないでいれば、
何十年と月日が過ぎても、不思議とチャンスはやってく
るんです。いくつになっても、誰にでも、あきらめなけ
ればそのチャンスはきます」

 私にはずっとやりたかったことがある。今もかすって
いるけれど、時間と根性がなくて、本気でとりくめてい
ない。諦めるものかと思ったりする。

 堀文子の愛するものは「しいんと引き締まった孤独の
空間や時間」だ。これは詩人の茨木のり子にも通じる。

 大病を経て、自分の中の生と死が同居していることを
意識しながら、残りの時間をとことんどん欲に生きる。
「もう老年に甘えているひまなどないのだ」
                  
 私も残り時間を意識するようになってきた。焦るわけ
ではないが、今やりたいことはやっておこうと強く思う。
かなわないことも多いのだが。 
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by nokogirisou | 2011-12-29 17:01 | 本と図書館
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