ALWAYS 三丁目の夕日'64

 3Dで観てきた。3Dにする必要があったかどうかは
疑問だが、観る者の視線を高く伸ばしてくれて楽しめた。

 キーワードは、「親の心子知らず」と「祭りの後」か。
特別出演の三浦友和扮する宅間医師が、この時代のことを
総括している。上向き成長の時代、だれもが豊かさ、上昇
を求めるが本当の幸せは何だろうと登場人物たちに問う
シーンが象徴的である。
 時代は昭和39年。東京オリンピックの年である。
「シェー」や「ひょっこりひょうたん島」がはやった頃で
ある。鈴木オートの主人は、辺り一帯空襲で焼け野原だった
土地が夕日町となり、活気を帯びていることに喜びを感じて
いる。戦後の何もない時代をくぐりぬけてきた大人世代が
豊かさを手に入れながら、次の時代を生きる若者を見守って
いく。
 物語の柱は、堀北真希演じる六子の恋愛と、小説家を目指
そうとする古行淳之介の旅立ちである。オリンピックと茶川
龍之介の妻のヒロミの出産が絡み合いながら、昭和39年の
生活が描かれる。出てくる、自動車、電車、出版社、喫茶店
どれもレトロでリアルで、いとおしくなる。私たちは、より
新しく、機能的で、よりおしゃれなデザインを求めてきたが
今となって昭和をなつかしがるのはなぜなのだろう。

 私はけっこうこういう世界が好きなので、この映画が好き
だが同行者は、不満だったようだ。予定調和のストーリーで
出演者の演技がくさいと言っていた。そうだろうかと私は
思う。予定調和だからこそよい映画もあるのである。これは
まさにすでに私たちが知っている経過、と過去の人情を再現
している映画なのである。想定外のできごとなど起こるはず
がないのだ。
 
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by nokogirisou | 2012-02-05 20:11 | 映画
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