探究学習

 高校3年生のセンター試験後の特編授業は大学の個別試験
対策の授業を行う一方で、進路決定者向けに探究学習の授業
を行った。19名の生徒が図書館に集まりそれぞれがテーマ
を決めて本を5冊以上読み、レポートを書くという授業だ。
 23日にその口頭での発表会が行われた。
 それぞれなかなかおもしろいテーマに取り組んでいたが、
とりわけおもしろかったのものの一つがIさんの
「なぜ公務員はマスメディアによって叩かれるのか」という
レポートだった。
 
 彼女は一般市民のために働きたい、「公共の福祉」に関わり
たいという思いで公務員を目指しているのだが、昨今の公務員
批判に対して疑問を抱いたらしい。公務員の待遇や一部の公務
員の不祥事に対するメディアのバッシングが激しくそれに同調
する一方で、公務員を目指す若者が多かったり、自分の子ども
公務員にさせたがったり、結婚相手に公務員を望んだりする人
が多いという市民感情の矛盾にも興味を持ったそうだ。
 Iさんは『「天下り」とは何か』(中野雅臣著 講談社現代
新書)『お役所バッシングはやめられない』(山本直治著PHP
研究所)をはじめとする11冊の図書を読み、新聞をスクラップ
し、「なぜ公務員がマスメディアによって叩かれるのか」という
テーマに向かった。
 まずバッシングナンバー1の「天下り」について調べた。天下り
に対して世論が批判的になったのは最近で、1973年から1988年
の間は天下りに対してそれほど批判的でなかったという。そして
「天下り」と一言でいっても様々な形があり、すべてが恵まれて
いる条件であるわけでないこと、「天下り」が社会にとって利点
もあることを述べている。天下りバッシングはメディアが作り出
したものであるという。
 それから民間の仕事と公務員との仕事を比較し、公務員が必ずし
も恵まれた環境にいるわけでないことを明らかにし、長期病休者の
多いデータや若年公務員の辞職率のデータをあげ、仕事の過酷さを
示した。
 そしてIさんは、なぜマスメディアが公務員たたきをするかという
と、視聴率が上がるからだという。一般市民の日常的な不満や不安の
はけ口として、怒りの対象を作り出す必要があるので、公務員を
悪者にしたて、バッシングしてというのだ。
 最後に今後の課題として3点提示している。
1)公務員は私たちの生活に必要な存在であるので、私たちはもっと
  公務員の仕事を知るべきである。
2)過剰な批判は私たちの生活に悪影響を与えるのでマスメディアは
  一面的な報道をすべきではない。
3)自分たち市民もメディアの情報をきちんと判断できるように
  広い視野と批判的精神をもつべきである。

 やや、本の受け売り的なところもあったが、とにかく膨大な資料
を読んで勉強し、それを自分なりによくまとめたことがよくわかった。
 
 稚拙ではあるが、生徒が自分でテーマを決め、本を読んで整理して
引用しながら、論理的な文章にまとめていく作業ができたことはすばら
しい。
 もちろん、個人差は大きいが、とりあえず全員が脱落することなく発表
にこぎつけてほっとしている。
 
  
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by nokogirisou | 2012-02-26 02:49 | 本と図書館
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