絵本講座「絵本再発見 絵本を見る眼を鍛える」第四回

 あっという間に第4回となった。今回のテーマは「科学絵本」。
 科学絵本とは子どもが自然を楽しむ絵本だ。
 今日講師の若佐久美子さんはレイチェル・カーソンの話から
スタートさせた。
『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン)の中の
「わたしは、子どもにとっても、どのように子どもを教育すべき
か頭を悩ませている親にとっても、『知る』ことは『感じる』こ
との半分も重要ではないと固く信じています。」という言葉に
圧倒された。最近の私たちの生活の中では、感覚や感性よりも
知性や理性や知識の方が重視されている場面が多いように感じて
息苦しかったので、感性の重要さを訴える、レイチェルの言葉
はうれしかった。でも、私たちは実際、どれほど五感を解き放っ
て自然と接しているだろうか。好奇心を解放しているだろうか。
 自分が小さいときや、子どもが小さいときは五感を解放して
いられても、大人の多忙な生活にどっぷりと浸ってしまうと
みずみずしい感性はひからびがちである。
 科学絵本に求められるのは、子どもたちの感性に訴えかける
写実性だ。「命があるから命があるように」描かれた絵本でな
けれでばならない。子どもたちは、絵本を見て現実の生活に戻
り、また絵本を見て、現実に戻る。
 バージニア・リー・バートン『ちいさいおうち』が科学絵本
の仲間に入っていたので、ちょっと驚きだったが、説明をうけ
てなるほどと思った。主人公は家。このちいさいおうちの
一日が描かれ、ひと月が描かれ、四季が描かれ、そして何年も
たって、周りの環境が変わって都市化していく様子が描かれる。
そして最後、このおうちは田舎にひっこしをする。
 その他、『くだもの』『ねっこ』の平山和子や、身体のこと
を多数絵本にしている柳生弦一郎、『ざっそう』『ちいさな生
き物たちの不思議なくらし』の甲斐信枝などが紹介された。 
 「科学絵本」とはいっても、図鑑とはちがう。ものがたりに
なっていて、子どもたちの好奇心を刺激しどれも楽しい。
 
 最後は、絵本を読み聞かせをする際の注意点を語られた。
とにかく、読む側は絵本を読み込まなくてはならないという
ことだ。子どもたちに聞かせるのだから、それなりの確固と
した読みを持っていなくてはならない。練習あるのみなのだ。
 若佐さんのお話はぶれない。しっかりとした批評眼があり
信頼できると感じた。私も自分自身で読み、自分で考え、絵
本を評価できるようになりたい。
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by nokogirisou | 2012-03-12 00:07 | 本と図書館
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