『植物図鑑』有川浩 角川書店

 私は植物に詳しい男に弱い。料理のうまい男にも惹かれる。
ある意味コミックのような予定調和の、恋愛小説なのだが、
ぐいぐいひっぱられてしまった。ひさしぶりに恋愛小説に浸
かった。いいなこんな恋愛…などと年甲斐もなく思ってしまう。
 まず、さやかと樹木の出逢いがあり得ないのに、リアリティを
覚えてしまう。有川浩の腕は巧みだ。そして野の花、食べられる
野草の勉強をしながら、二人の様子に釘付けになる。さやかは
樹木の個人的な領域には入ってはいけないと思っている。樹木が
なぞめいているところがいいのだ。さやかのほのかな恋愛感情と
二人互いに惹かれ合っている気配はあるが、なかなか本格恋愛に
進展しないところがいい。
 それにしても有川さん、野草と料理の勉強、かなりしたのでは?
野草と料理と恋愛の組み合わせが絶妙で読後感がすっきり。
 
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by nokogirisou | 2012-06-19 06:13 | 本と図書館
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