教育相談研修「不登校を予防する」

 新潟市教育相談センターからN指導主事をお招きしての研修会
に参加した。
 不登校の生徒数、ひきこもり者数、20代ワーキングプア数など
出される数値に驚きながら、日本の抱える問題の深刻さを感じた。
 とにかく昨今の子どもをとりまく状況はこの20年でさらに様
変わりしている。家庭も地域も学校も日本社会も子どもたちにと
っていい状況でなくストレスになっている。したがって発達の積み
残しを持ったまま次の段階に進むので、おそろしくレディネスが低
いのだという。小学生は幼稚園児化し、中学生は小学生化する。
高校生が中学生化し、大学生が高校生化している。

 子どもは発達段階を飛び越して先に進めないので
サポートが必要なのだが、それが十分でないために、
 1 人間関係を作る力の低下
 2 耐性の低下
 3 規範意識の低下
 4 自己肯定感の低下
という状況になる。私たちにできることは子どもたちつ人間関係
という「場」の創造と育ちを支えるサポート体制の再構築だという。
 とにかく「最近の子どもは…」と嘆いたり「鍛え方が足りないのだ
から」と厳しくたりするのは意味がない。

 今日いただいたヒントの一つはピアサポートという方法だ。
人間関係に傷ついて不登校になった場合、その傷を癒すのはやはり仲間
なのだそうだ。教員、専門家が手をさしのべる前に仲間のサポートが有効。
 
 もう一つ大切な話題があった。学力のお話だ。
私たちは概して学力低下は「ゆとり教育」のせいだと考えがちだ。
しかし問題なのは、知力の低下でなく、は学ぶ意欲の低下なのであった。
これは学力向上の欲求の前の安心安全、交流、承認欲求の充足が満たさ
れていないがために起きている現象だという。人間関係を構築していく
力、パーソナリティが育っていないと学習意欲もわかないのである。

 また社会でも求められているこれからの学力は「協同的問題解決能力」
だという。知識は一斉に注入されるものではなく、知識は仲間で想像して
いく時代なのだ。この話に私は納得できた。ますます人間関係の結び方が
鍵になる。
 今、普通高校でこの力をつけているのは体育、家庭科、芸術の実技科目
だと思う。それから学校行事だ。受験に必要な主要科目が知識を覚えたり
答えのある問題を効率よく解答することに腐心している一方で、実技科目
は、仲間と関わらざるをえない場面が多い。仲間と相談しながら作業しな
ければならない。話し合って問題解決しなければ先へ進まない。したがっ
てこれらの科目は生徒たちにとってとても重要なのだ。一方で主要教科も
また、問題解決型の学びをとりいれた授業を構築していくべきなのだろう。

 世の中はどんどん変化している。自分たちの子ども時代と今の子ども
たちのいる世界はまったく異なる。とにかく目の前の子どもたちをよく
見ることがすべてのスタートになると思う。何もかもすぐに効果の出る
薬はない。1人でかかえこまずにチームで焦らず問題に向かっていくこ
とが抜け出す一番の近道なのだろう。
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by nokogirisou | 2012-10-03 22:30 | 日々のいろいろ
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