新潟大学教育学部音楽科卒業演奏会

 新潟市音楽文化会館大ホールで行われた卒演の第2部を
聴きに行った。会場は独特の雰囲気。華やかな衣装をまとった
4年生が頬を赤くしながら、写真を撮りあってお祭りのようだ。
 しかし演奏会が始まると空気が変わる。すべて学生たちの
演出、準備によって本格的な演奏会になる。

 2台ピアノの演奏から始まった。ラフマニノフの組曲第2番
からロマンスとタランチュラ。
2台ピアノというのは難しいことがよくわかる。二人とも上手
だし、息も合っているのだが、それぞれの音がぶつかって濁っ
てしまうのだ。互いの音が否定しあってせっかくのメロディが
聞こえなくなってしまうことがある。これは最後の演奏の
ラヴェルのラ・ヴァルスの演奏のときも思った。これはピアノ
という楽器の性質のせいもあるのだろう。それでも生で2台
ピアノの演奏を聴けたことは楽しく、よかった。

 作曲作品、弦楽四重奏曲「aquarium」は大変おもしろい曲
だった。水や魚ががはねたり、泳いだりする様子がイメージ
できる曲なのだ。チェロとヴィオラの音の刻みが印象的だ。
 
 私が今日の収穫だと思ったのはシューマンのノヴェレッテン
op21の第8番を聴けたこと。シューマンのピアノ曲は
やはり、よくできているし、密度が濃い。ノヴェレッテンとは
「短編小説」という意味で、まるで物語りのように驚きにあふ
れる展開だ。また演奏者もとてもよく曲の構造を理解して、
魅力的に表現していた。
 
 もう一曲。プーランクの「主題と変奏」。この演奏もすばら
しかった。テーマがとても古典的でわかりやすくて懐かしい曲
だ。それがさまざまな色や輝きや、躍動や流れを持った変奏曲
へと変身していく。聴き応えがあった。

 音楽科の学生たちの進路は様々のようだが、まじめにクラシ
ック音楽に向き合い、本気でお客に聴かせるというプロ的な
視点で音楽会を企画するという試みはすばらしい。予想以上に
レベルの高いもので、楽しめた。
 
[PR]
by nokogirisou | 2013-02-10 06:50 | 音楽
<< 映画『さよならドビュッシー』を観た 『七夜物語』上下 川上弘美  >>