『ビブリア古書堂の事件手帖』と『月魚』

 『ビブリア古書堂の事件手帖1~4』(三上延 メディアワークス)
と『月魚』(三浦しをん 角川文庫)を連続で読んだ。
 共通なのは古書店が舞台であるところだ。古書の世界は独特だ
と改めて思った。この業界で生きていくには、かなりの勉強・修
行が必要らしい。どちらの本にも若い、古書店主が登場する。
 
 学生時代は古書店を冷やかしながら歩き回るのが好きだったが、
当時もっと古書のことを知って回っていたら、もっと面白かっただ
ろうと悔やまれる。当時は本ばかり見て、店主には見向きもしなか
った。
 この2冊を読んで、私が興味をもち、惹かれたのは本と人を結ぶ
運命、そして本と人に対する勘である。後者は、古書店主に必要な
ものだ。古書にはそれを巡る人の人生を背負っているのでおもしろ
い。本を知って、人を見ないと古書の商売はできない。だからこそ、
古書店は物語の舞台になりうる。
 どちらの小説も本の買い取りシーンが興味深い。たいてい立派な
お屋敷が登場するのだ。そしてその家と人をめぐってドラマがある。

 私は『月魚』に出てくる、二人の若い男の古書店主は魅力を感じ
た。この二人の関係は、BL好きな三浦の設定で、恋愛関係にあるの
かと思われるが、それを抜きにして観察しても深い信頼関係と愛憎、
遠慮と甘えがみえてとても興味深い。三浦しをんは物語世界をつく
りだすのがうまい。登場人物がなまなましく彼女の作った舞台で動
き出したいる。
 『ビブリア古書堂』の方は、4巻の江戸川乱歩の話が面白かった。
こちら入れ子のように、この本の中に古い小説が紹介されていて、
その粗筋にそそられる。
あとは古書店にミスマッチな美人店主と、長い本を読めない体質の
大輔との恋の行方が気にかかるというところか。
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by nokogirisou | 2013-03-12 00:10 | 本と図書館
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