李徴の相手


『山月記』は名作だ。

「笑ってくれ」と李徴がいうとき、本当にわらってほしい
わけでない。
 李徴は自分の不運と、無能を嘆く。
 けれども自分の生き方を変えようとか、さらに努力しようとは
 しない。
 そんなことができたら虎になんかならない。
 しかも、本当に自分を無能だなどとは思っていない。
 
 李徴は、実はあちこちにいる。我が家にもいる。
 どうもスランプで、うまくいかないことを嘆いてばかりいる。
 
 李徴の嘆き、李徴の愚痴にどうやってつきあったらよいのか。

「『そんなことないよ。だいじょうぶだよ。あなたはできるよ』
と言い続けてあげればいいんだよ。」

「『なんでやらないの。動き出さないの?』なんていうのは最悪だよ」
 
と頭ではわかっている。
わかっているのに、上手に李徴の相手をすることができない。
ついつい言いたいことを言って虎を怒らせてしまう…

虎の相手より、短気な自分の扱いにエネルギーを使うべきか。
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by nokogirisou | 2013-06-18 21:17 | 日々のいろいろ
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