足立幸子先生とリブロの渡辺肇さんの講演

 今日は平成25年度新潟県高等学校教育研究会図書館部会講演会
だった。
 午前は新潟大学教育学部の足立幸子先生の講演。
演題は「海外の学校図書館事情と高校における読書教育」
足立先生がこれまで視察してこられた、アメリカ、オーストラリア、
フランスの学校図書館の様子が紹介された。

 アメリカとオーストラリアは似た状況にあるという。学級文庫が
充実し児童生徒の読書活動をバックアップし、図書館はデータ
ベースや雑誌が豊富に準備され、探究学習をバックアップする。
また図書館は成果物の作成をサポートし、その発表の場にも
なっている。学校図書館のスタッフは複数おり、さまざまな立場
の人がかかわっている。
 フランスは、ドキュマンタリスト教員が図書館におり、生徒たちの
探究学習を支えている。ドキュマンタリスト教員は単独では授業を
もっていない。バカロレアなどの学校卒業試験の受験や、個別学習
のために、生徒たちが必然的に学校図書館を使わねばならない状
況が作られている。しかし情報教育の面ではアメリカやオーストラリ
アに遅れているそうだ。一方図書館で作家のワークショップや文学的
コンクールを行い、文学が芸術の研究がさかんに行われているという。

 欧米文化圏の学校図書館は、読書の場というよりも学習の場であ
るという印象を受けた。職員も生徒も学校図書館を利用しなければ
授業にならないという切迫した環境があるところが興味深かった。
日本では、図書館を使った授業はまだオプションだ。

 それから、日本の中学生、高校生の読書調査の結果が紹介され
最後に日本の高校における読書教育のアイディアが提案された。
いずれも、現場でできそうな感じで、ためしてみたくなる。

 1、パートナー読書
   パートナーとな時本を選んで読み、交流する。
 2、三冊レポート
  テーマを決めにそれに関する三冊の本の点検読書を行い
  レポートする。奥付、目次、はじめに、おわりに、索引、文献
  入り欄、著者紹介を読んで、それが読むに足る本か点検する。

 3、Iチャート

 4、KWR

  3、4はいずれも複数の資料にあたって情報をたばねていく読書法

 5、作家・ジャンル研究

 午後は、株式会社リブロの商銀部兼事業開発室の渡辺肇さんの講演。
「お客様に本を手にとってもらうために書店が行っていること」

 まずはリブロの歩みの紹介。それから出版物の販売金額の推移、
書籍と雑誌の販売金額の推移、ネット通販の拡大、書店数の推移
など、書店をめぐる厳しい状況が、数字、グラフで示された。
 予想はしていたが、右下がりの現状にため息が出る。
 
 次に書店の分類。ナショナルチェーン、リージョナルチェーン、
個人書店、オンリーワンジャンル書店、話題の書店などが紹介
された。

 書店にとって「棚が命」という言葉が印象的だった。売れるため
にどう棚づくりをするか、書店員の腕の見せ所である。棚は書店
ごとの思想が反映する場所なのである。
 
 陳列棚は世の中のトレンドを敏感に察知し情報発信する場である。
多様な情報を得て、それを棚に生かすことが求められている。
季節のモチベーションを計画的に実施し、全社や個別店舗でテーマ
を決め、独自フェアを実施し、VMD手法を駆使して、いかに本を見せ
て販促するか勝負している。
 棚作り以外にも、イベントを企画して、お客さんに店舗に足を運んで
もらう工夫を行っている。
 やはり、書店は売ってなんぼの世界である。実績第一主義なのが
よく伝わってきた。そして書店は文化の担い手であるという自負が
あることも伝わってきた。

 書店は今後、店舗数は減っていくだろうが、複合化や他業種参入
書店刊の統廃合が進んでいくだろう。つまり、どんどん書店も進化
が求められているのだ。
  
  
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by nokogirisou | 2013-12-26 21:41 | 本と図書館
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