「パン屋再襲撃」村上春樹

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テニスも手紙もメールも会話もなし。とりえなしの一日。他者依存症ひどく。
 黄色い『象の消滅』を読むことにした。「ねじまき鳥と火曜日の女たち」
は「ねじまき鳥クロニクル」の原型だが、なかなかいい短篇にまとまっていた。
ところが「パン屋再襲撃」は、ぼんやりとおぼえていたけれど、再読してふしぎ
な感じが残った。

 なぜワグナーなのだろうか。しかしワグナー以外考えられない。
1回目のパン屋襲撃のときに聴くのを強要される音楽として、ワグナー
以外想像できない。
 なぜ相棒とコンビを解消したのだろう。もちろん人との別れは、憎悪や
けんかなんかなくても突然ありうることだが。
 マクドナルドを襲撃の対象にしたのは、正しい選択だったと思う。これ
以外には想像できない。店の女の子の対応の描き方がなんとうまいことか…・
 で。どうしても腑に落ちないのが最後なのだ。
 なぜボートに乗っているのだろうか?
 彼は一人きりになっている。そして襲撃のときにはトヨタ・カローラに乗って
いたはずなのにボートに乗って二人をしかるべき場所に運んでくれるのを
待っているとは?
 車からボートへの移行は、何かを象徴しているのだろうか…。
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by nokogirisou | 2005-08-22 04:31 | 本と図書館
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