『東京奇譚集』村上春樹

 
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 市内の本屋、各店で売り切れ情態。紀伊国屋でとりあえずキープした一冊。
25日に読了。私はこの短編集、だいぶ気に入った。
 最初の「偶然の旅人」には「僕=村上」が登場し、私が探しに探してようやく
聴いた「スター・クロスト・ラヴァーズ」も出てくるので、これもまた偶然の魅力
だと思った。それから一気にそのくせ、終わってしまうのがもったいなくてなめ
るように読んだ。今日はコメントはこのくらいで引用のみ。

「そして何よりもバランスがよくとれている。実を言うと、私は何をさておきバランス
ということがまず気になるの。音楽にしても、小説にしても、絵にしてもね。そして
バランスがうまくとれていない作品や演奏に出会うとーつまりあまり質の良くない
未完成なものに出会うということだけどーとても気持ちがわるくなるの。乗り物酔い
をしたみたいに。」            「日々移動する腎臓のかたちをした石」より

「嫉妬の気持ちというのは、現実的な、客観的な条件みたいなものとはあまり関係
ないんじゃないかなという気がするんです。つまり恵まれているから誰かに嫉妬し
ないとか、恵まれていないから嫉妬するとか、そういうことでもないんです。それは
肉体における腫瘍みたいに、私たちの知らないところで勝手に生まれて、理屈なん
かは抜きで、おかまいなくどんどん広がっていきます。わかっていても押し止めよ
うがないんです。幸福な人には腫瘍が生まれないとか、不幸な人には腫瘍が生ま
れやすいとか、そういうことってありませんよね。それと同じです。」
                           「品川猿」より
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by nokogirisou | 2005-09-26 02:44 | 本と図書館
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