『それでもやっぱりがんばらない』

『がんばらない』と『あきらめない』を書いた鎌田實の
『それでもやっぱりがんばらない』を手にとったらやめられ
なくなった。私は「バランス」という言葉にすぐ反応する。
生きていくには「がんばらない」と「あきらめない」のバラ
ンスが大切だという。
 さて鎌田さんは一歳のとき岩次郎夫妻に拾われ、ずっと実子
として育てられた。岩次郎は、鎌田さんに一切出生の秘密はうち
あけず、鎌田さんの奥さんにだけ「言わないでほしい」と言って
伝えた。偶然出生の秘密を知った鎌田さんはずっと知らないふり
を通した。
 
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岩次郎は厳しい父親で、怖い人で、鎌田さんを一度もほめてく
れることがなかっという。がんばってがんばり続ける人で、鎌田
さんは「がんばらないぼくが許せなかったのだと思う。中略 ぼく
が余力を残しているのを、岩次郎は見抜いていた。全力を出しきら
ないぼくを岩次郎は認めようとしなかった。」と書いている。叱ら
れて叱られて鎌田さんは岩次郎のすごさを理解するのに30年、叱
られるということは愛されることなんど理解するのに40年かかった
という。私は40年かかっても何もわからないだろうなと思う。狭量
なのかもしれない。
血のつながりとはなんだろうと思う。こだわるのはバカだとわか
っている。でも血のつながったもの同士が似ている瞬間、共通する
何かを認めた瞬間のどうしようもない「つながり感」は言葉にでき
ないほど強いものがある。
 わかってもらえないことを血のつながりのあるなしのせいにしては
いけない。

 「そんなに実子にこだわらなくても、血のつながりにこだわらなく
てもいいのでないかと思う。」と鎌田さんは書く。それは確かだ。頭
ではそう思う。けれどもこれにはとても複雑な思いを抱かずにおれな
い。大人はいい。愛情をそそいでやればいいんだと親側は思っている。
でも子どもは理屈でなく自然な血のつながりの方がいいにきまってい
る。子どもにとっては面倒なことを考えたくない。気を遣わない関係
がほしいのだから。
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by nokogirisou | 2005-09-28 10:19 | 本と図書館
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