村上春樹が語る  下 朝日新聞10月5日付記事

 「揺れ動く世界と 混沌にある現実性」

 「日本とは何か」「日本人とは何か」が村上の裏テーマだという。
 けれどもあまり村上作品から政治的、歴史的メッセージ性
ばかり探したくないという気持ちが私にはある。村上氏自身も
そんなことは好まないだろう。

「国家システムみたいなものから自由になりたいという思いと、
そこに小説家として関わっていかなければならないという気持ち
が同時にある」という発言はなんとなくわかる。

 日本の読者は26年の間に世代が一つ交代した。
幸いなことに、私はこの作家をリアルタイムで見続けることがてきた。
デビュー当時は単なる傍観者として、1987年以降は継続的な読者
として。そこからさかのぼって村上作品に出会っていったのだが。
 「不思議にも、読者が感じていることは変わらない。この社会の中
で、どうやって少しでも自由に自分を維持して、正気を保って生きて
いけるか、ということです。」
 小説に描かれている世界は正気ではないが、私がそれを読みながら
求めているのは自分自身が自由と正気を保って生きることだ。
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by nokogirisou | 2005-10-05 22:09 | 本と図書館
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