『「いい人生」を選択できる心理学』國分康孝著

 タイトルはやや、安っぽい感じだが、サイコエデュケーションの手法
をとっており具体的でわかりやすい。この本を手にとったときは、事態
があまりよくなく、八方ふさがり感にさいなまれていた。 「はじめに」に
「Nothing is awfull」(八方ふさがりはない)というアルバート・エリ
スの言葉があったので、最後まで読んでみようという気になった。
 苦境に置かれたとき、そこからはい上がるパワーとなるのは、ポジテ
ィブで前向きな自己イメージだそうである。それで筆者はとにかく「自分
自身のファンになれ」、「さまざまな人に接しながら、自己イメージを育て、
多様な状況に身を置いて、自分でもきがつかなかった能力や興味を
発見するように努め」よという。 
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 人から愛されるにはまず自分で自分を愛せなくてはだめだ。
「今」の自分を 「I am OK」と感じるためには自分自身をよく
知り、受け入れること。社会的な条件との無意味な対比をしな
いこと。自分の「ものさし」を沢山もつこと。
 「なりたい自分」になるには、「まず自分に目を向け」て「自分は
何をしたいのか、何ができるのか」をはっきりさせる。そして
「はっきりした目的に向かって自分を開き。実際に行動を起こす」
という段階に進んでいかねばならない。
 自分の開き方にもコツがあることを知った。自己開示すればよい
というものではない。
 また無理にオリジナルを追うのではなく、目標となる人を見つけ
その人のものの考え方、行動の仕方、態度を徹底的に模倣する
のが有効のようだ。「人生いたるところに師匠あり。」
 
 そして何よりも、私はこの本で学んだのは「感謝の心」という
当たり前のこと。これは心の荷、こだわりをほぐす。
「内観法」を知ったのは大きな収穫だった。「内観法」とは
吉本伊信が提唱した「自分の生き方の検討法」であり、これまでの
人生で深いかかわりを持った人物の一人ひとりについて「してもらった
こと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3点を思い出していく。
これによって「気づき」が生まれていく。

 筆者が留学したアメリカの考え方が随所に出てくるが、よくある
ハイツー本とはちょっと違って、自分自身の考え方や、習慣を振り
返ることができ、かなり具体的な指針を持てた。

 最後に國分康孝は「少しキザだが」と断った上でゲーテの言葉を
引用していた。奇しくもこれは私が人生最大の大冒険をしようとして
いた時に師匠から贈られたことばと同じであった。そのせいもあって
感慨深く読了することができた。
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by nokogirisou | 2005-10-10 04:57 | 本と図書館
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