『禁じられた約束』ロバート・ウェストール著 徳間書店

 ウェストールはイギリスの作家。残念ながら1993年に亡くなっている。
『海辺の王国』『かかし』『クリスマスの猫』を読んで好きになった。
 久しぶりにハードカバーの物語を手にとったのだが、読み始めたら一気
に読み終わった。こういう読書をひさしぶりにしたような気がする。
 思春期の恋。その背後に戦争の影。生と死の世界の不思議な境界。
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 ボブはグラーマースクール4年生のとき、美しいお金持ちの娘の
ヴァレリーと恋に落ちた。しかしヴァレリーは病弱で外出もままなら
ない。彼女の両親が不在のわずかな時間に、ボブは責任感を覚え
ながら川べりの道や波止場に連れ出し、2人だけの至福の散歩の
時間を楽しんだ。
 ある日修道院の廃墟とお墓を散歩したときヴァレリーは言った。
「よくこわい夢をみるの。迷子になっているのに、だれも探しに来てくれ
ないっていう夢。だから、約束して。もしわたしが迷子になったら、きっ
と見つけてくれるって」ボブは、それほど深く考えず、もちろん約束する。
 けれどもその散歩の後にはイギリスはドイツと本格的な戦闘状態とな
った。そしてヴァレリーの病状は思わしくない方に進んでいく。
 やがて、何気ないあの約束のためにボブは、暗く冷たい世界に引き込
まれそうになってしまう。 ボブの人生はまだまだこの先長いはずなのだが。
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by nokogirisou | 2006-01-19 23:19 | 本と図書館
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