『下妻物語』嶽本野ばら

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 この作品が映画になったことすら、知らなかったのだが、嶽本野ばら
をぜひ読んでみて…という子から熱烈に勧められて読んでみた。
「真のロリータはロココな精神を宿し、ロココな生活を品ければなりません」
この一行にしびれてしまた。
 読み始めたら一気である。そして、想像とは裏腹になかなか「シブい」
作品で、思いがけずこの物語の世界にはまってしまった。
 「ヤンキーちゃんとロリータちゃん」と副題がついているが、実は茨城
は下妻を舞台にした、この奇妙な二人の高校生の不思議な友情物語
なのである。




 何が魅力かというと、設定のきてれつさと裏腹に、この作者の描写が
とてもリアルで想像力をかき立てるのだ。読みながら色つきの映像が
立ち上がってくる。そして、自分の今まで知らなかった世界を見せてくれ
るおもしろさがある。さらに登場人物たちが、語り手の竜ヶ崎桃子をはじめ
それぞれになかなかいい人、魅力的な人たちなのだ。
「誰だった何かを背負ってるんだよ。何処か痛いんだよ。お前だけじゃない
よ。だから泣くことは恥ずかしいことじゃない。でもな、女はよ、人前で涙を
流しちゃいけないんだ。同情されちまうからな。同情されたら女がすたるぜ。
泣くときは、こいやって人の居ない処で泣きな。そして、泣いたら泣いた分
だけ強くなれよ。」イチゴの回想の亜樹美さんの言葉

「イチゴ、大好きなイチゴ、私も貴方から一杯、いろんなものを貸してもら
ったよ。でも返さないよ。一欠片も。多分大人になるのはそんなに悪いこ
とじゃないって教えてくれたのもイチゴだよ。有り難う。恥ずかしいから絶対
にいわないけれど、貴方はサイコーのダチだよ。」 桃子の心内語。
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by nokogirisou | 2006-01-25 05:58 | 本と図書館
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