『風味絶佳』山田詠美

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 久しぶりに山田詠美の小説を読んだ。これは恋愛をテーマにした
短編集だが、普通の恋愛小説とはひとあじ違う。まずは、さすが山田
詠美はうまいなと思った。この短編の小説には、独特の世界があり、
その象徴がこのタイトルであろう。
 短編は、完結せず読者に余韻を残して終わる。
その先どうなるんだろうと、読者作者に下駄を預けて終わる。山田はその
預け方がうまうのだと思う。目をつぶると登場人物の姿がリアルに見えてく
る。そして、私たちの日常にべたべた寄り添わない。そこがいい。こんな
恋愛してみたいと思うような恋愛は描かれていない。人間関係には、理屈
や筋書きなどないのだ。意外な人と人とのつながり方が魅力的だった。
 印象に残っているのは『間食』『夕餉』『海の庭』
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by nokogirisou | 2006-04-26 23:08 | 本と図書館
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