中原中也賞受賞『音速平和』

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 朝日新聞の「ひと」欄に水無田気流が出ていた。
彼女は第11回中原中也賞を受賞した詩人である。
本業は社会哲学の研究者だそうだ。
「世界がタマネギの根の先端細胞のように分裂する
瞬間をかきとめる」
という心意気に興味を持った。
 彼女が受賞したのは、第一詩集を『音速平和』(思潮社)で
ある。
 「越境、速度、頽落(たいらく)をテーマにした詩を集めました」
という。さらに興味を持つ。




音速平和
 地下水脈に呼ばれ
正午(まひる)の時点に(ゲンザイの地点に)
音速の雨が降る
無条件降伏によく似た私の影を飲み干し
転調を繰り返す君の精神の頭上
高らかに 雨は舞う

中原中也賞より、萩原朔太郎賞の方が近いのではないかと勝手に思った。
 雨や水の流れが沢山出てくる。
 しかし、彼女自身は中学時代に中原中也の詩に出会ってかなり読んで
いたらしい。
 
 詩を読むのが好きだとか
 詩を書いていますとか
 そういうことが恥ずかしくて人には決して言えない時代を生きてきたので
 私にはとても彼女がまぶしく見えた。
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by nokogirisou | 2006-04-27 21:19 | 本と図書館
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