3大ピアニスト名曲コンサート

  りゅーとぴあで、このコンサートのチラシを見つけたとき、何か惹かれる
ものがあって、すぐにチケットを購入。音楽案内人が加羽沢美濃だった。
彼女はコンポーザーピアニスト。NHKFM放送で司会する彼女を知った。語
りがとても魅力的で名前をしっか覚えていた。それにしても3人のピアニスト
の演奏を一度に聴けるのはとても楽しみであった。
 実は今日、仕事がもっとも立て込んでいる日で、職場はぴりぴりしており、
とても「コンサートで失礼します」という雰囲気ではなかったのだが、6時半
には抜け出して、りゅーとぴあに駆け込んだ。
 念願の一列目の席。なぜが自分を含めて一人で来ている女性たちが並ん
でいる。




 最初に登場したのは、近藤嘉宏と青柳晋。ピアノデュオから始まる。チャイコ
フスキーの「くるみ割り人形」の第2幕の「花のワルツ」
 いきなり圧倒される。2台のピアノの音の絡み合いがとてもすてきだった。
 次に近藤嘉宏のソロで、ショパンを3曲。幻想即興曲・子犬のワルツ・プレリュ
ード24番。
 正直言うと、この演奏はちょっとものたりなかった。右手の音が私には弱いよう
に感じられた。
 青柳さんの演奏に移る前には、椅子が交換され、鍵盤の汗が拭かれる。近藤さん
はひどい手汗の持ち主なのだという。
 青柳晋のドビュッシーはすごかった。ひとつひとつの音色がとても美しい。
ひびきが輝いて聞こえる。青柳さんはとても小柄な方であるがピアノを弾いている
姿は大きく感じられる。耳がいい人なのだなと思う。
 「亜麻色の髪と乙女」と「喜びの島」
 続いて登場するのが横山幸雄。たしかこの人はショパンコンクールに出た人だよ
な…と思ってプログラムを見ると、上野学園大学の教授になっていた。
先の2人のルックスが甘かったの対して、この人はちょっと悪人風。しかしピアノに
向かうと、すごかった。ショパンの「英雄」ポロネーズとエチュード「革命」
タッチが明解。音がくっきりはっきり。フジコ・ヘミングのショパンとは対極的な演奏
方法だと感じる。ダイナミックでメリハリのあるショパン。私はすっかり横山ファンに。
 第1部の最後は横山幸雄と青柳晋の2台ピアノ。ラフマニノフの2台ピアノのため
の組曲第2番「タランテラ」
 2人の個性がぶつかりあり、とても激しくかっこよかった。聞き惚れてしまう。
 
 休憩ののち、登場したのは加羽沢美濃。プログラムにはないが、即興で、このコン
サートの選曲からおちてしまったピアノ名曲メドレーを弾く。これがなかなかおもしろい。
ドビュッシーの「月の光」で始まって「エリーゼのために」にいき「トロイメライ」に変わった
かと思うと、最後はベートーベンの「月光」アレンジに彼女のセンスが光っていた。
 そして、3人のピアニストもステージにあがり、4人で楽しい楽屋話に盛り上がる。
演奏家たちのトークを聴けるのはとても楽しい企画だった。4人の関係、このコンサート
のこと、4人の人となりが伝わってくる。
 横山さんは演奏会を開くとき必ずホールにピアノの製造番号を尋ねるという。なぜか…
という話題は興味深かった。

 2部は近藤さんからスタート。ラヴェルの「水の戯れ」リスト「ハンガリー狂詩曲」
2部の演奏の方がずっとよい。「水の戯れ」はあの「のだめ」を思い出させる。
 続いて横山さんの作曲による「バッハ=グノーの主題による『アヴェ・マリア』
リストの超絶技巧練習曲「マゼッパ」
これまたすごい。横山さんの超絶技巧に舌を巻く。ますますこのピアニストに興味を持つ。
 最後は青柳さんのリストの「愛の夢」「ラ・カンパネラ」
 これまたフジコ・ヘミングの18番なのだが、まったく演奏の仕方が違う。こうまで違うもの
かと驚く。ピアニストの個性というのは興味深い。どちらがよいかという問題ではない。
とにかくいろいろな演奏があるのだとしみじみ思う。青柳さんはとにかく音色を大切にする
ピアニストだと好感を持った。
 最後は横山幸雄が、このコンサートシリーズのために作った2台ピアノのための「祝祭序曲」
最後をかざるのにふさわしい名曲。この人の作曲の能力のすばらしさを実感。
2台のピアノの音が、からんだり、語り合ったり、対峙したり、豊かな曲だった。
  
 なかなか興奮するコンサートだった。
 アンコールは出演者4人の連弾。「ショパンの『別れの曲』によるお別れの曲」
これまた横山さんの曲。
 ピアノの魅力を再発見できる、本当に心から楽しめるコンサートだった。 
[PR]
by nokogirisou | 2006-07-20 23:30 | 音楽
<< アイスクリーム記念日 セミナー >>