『決断力』羽生善治 

  将棋のことは無知なのだが、羽生さんが好きである。
将棋の世界は、歴史と伝統があり、礼に始まり礼に終わる。
そしてとにかく研鑽を積み盤上に集中しなければならない、
終わりのない、まさにひたすらな道だ。
「将棋は孤独な自分との戦いである。追い込まれた状況
からいかに抜け出すか」。
「楽観しない、悲観しない、ひたすら平常心で。」
テニスもまったくそうだ。
私の日常での勝負の世界はテニスくらいだが、しかし生きて
いることそのものが「楽観しない、悲観しない、ひたすら平常心
で」いかねばならないように思う。
 タイトルの「決断力」
これは羽生さんが「将棋を指す上で、一番の決め手になるもの」
と考えているものだそうだ。そして決断とリスクはワンセットだという。
リスクを恐れないことの重要さを知る。
 決断力と同時に必要なのは集中力だ。これはそれだけ取り出して
養うのはむずかしいという。つまり本当に好きなものに出会えるか、
興味のあるものにとりくめる環境にあるかが問題なのだ。もちろんただ
好きなだけでは中途半端。打ち込むエネルギーはどうしたらよいのか。
欲張らないこと。集中できる環境を手に入れることだろうか。
 おもしろかったのは、後半「情報は『選ぶ』より『いかに捨てるか』が
重要」というところである。パソコンを導入して将棋の世界が変わったと
言われるそうだが、情報の山に埋もれては将棋は強くなれない。
これはどこの世界でも同じだろう。
 とにかく示唆に富んだおもしろい一冊であった。
[PR]
by nokogirisou | 2007-02-03 17:39 | 本と図書館
<< 『決断力』追加 しごと >>