「風の果て」

NHKの木曜ドラマ「風の果て」に惹かれている。
気がつくと欠かさず見ていた。これまで時代劇をそれほど好んで見てきたわけで
はないが、この作品には時代劇故の魅力を感じた。藤沢周平の世界に惹かれた
というべきか。時代は江戸時代を借りているが、人と人との心の交流、人情をとても
細やかに描いている点が私をひきつけたというべきか。また農業がいかに重要であ
ったかを改めて思い知ったというべきか。
「風の果て、尚、足るを知らず」
この言葉の意味を私がわかるのはいつだろうか。

 物語は、軽輩の次男上村隼太をはじめとする片貝道場に通う5人の若者たちの
それぞれの生き方と運命を描く。当時次男三男はいかによい条件のところに婿に
入るかが重要問題だった。この若き日の5人の若者。それぞれにいい男である。
 隼太は、太蔵が原という土地に引き寄せられる。である。ドラマでは広大な未知
の怖い土地として描かれる。水が引けないがために放置されているこの土地を
なんとか開墾したいと願う、農政の達人の桑山孫助に隼太は惹かれる。
 隼太はこの桑山孫助に惚れて、彼の娘と結婚。婿に入る。若気のいたりも数々
あるが、農政に誠実に取り組み出世を果たしていく。

 私の興味はこの五人の友情と、隼太とその実家の奉公人だったふきとの関係
だ。これらとの人物との関わりの中で、隼太はとても人間味あふれている。ここに
は真心が通っているように思う。
 それに比べると、妻満江との関係は、いまひとつしっくりしない。
 隼太は仕事に追われ、悪天候続きの不作の村々を回っているときに、愛息を亡
くしてしまった。満江は不在だった夫に冷たくあたり、死に目に会えなかった隼太は
号泣し、自分を責める。この息子の死が隼太にとって忘れられない傷であることが、
ドラマの中でさりげなく、深く描かれている。
 これから、どういう展開になるのか、楽しみである。
 
 
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by nokogirisou | 2007-11-09 05:45 | 日々のいろいろ
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