謎が残されるということ

  村上春樹の小説を読むと、共感とともに大きな謎に包まれる。
そうだったのかと最後まで読んできて、やはりわからないいくつかの
謎に翻弄される。しかしそれが魅力なのかもしれない。だから何度で
も読みたいという気持ちになるのだ。
 『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『ダンスダンスダンス』『世界の終わりと
ハードボイルドワンダーランド』『ノルウェイの森』と再再読をしつつ、新刊を
追いかけてきたが、まだまだわからないことが沢山のこされている。
 妙な理屈ですべてが解決されないところが私は好きだ。
 描かれていないけれど確実にある世界を予感する。
エヴァンゲリオンもまた謎の多い作品である。数々の解説本が書かれ
用語集なども編まれているが、それでもわからないことがたくさんある。
こうなのだろうか、ああなのだろうかと想像する余地があることが魅力で
ある。謎を残すことによる魅力という点では、村上春樹の小説と共通点
があるように思う。
 そして、何度読んでも、何度見ても、まだまだ読み落とし、見落としが
あるのである。同じものを繰り返し読んだり見たりすることの楽しみと意義
を私は村上春樹をエヴアから学んだ。…などと書くのはとても乱暴なことかも
しれないが、ふと立ち止まると謎について考えている。

 
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by nokogirisou | 2007-11-24 21:26 | 日々のいろいろ
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