『翻訳のココロ』鴻巣友季子著 ポプラ社

 『嵐が丘』の翻訳で注目された翻訳者のエッセイである。
自分はまったくできないが、翻訳には興味を持ってきた。
村上春樹の影響かもしれないが。作品の雰囲気、匂いまで
訳せる訳者はすごいと思う。翻訳者の書いたものはできるだけ
目を通したいという願望があって出会った本。
 いや~とにかく彼女が読書家であるという点に脱帽した。この
本にはたくさんの本がでてくる。そしてどれも読んでみたくなる。
彼女は翻訳家であるだけでなく書評家、本の紹介上手なのだ。

 鴻巣さんは学生時代から翻訳家をこころざし、下積み、修業
時代にはなんでもやって、異業種の人たちと関わってきた。その
中で翻訳とはなんだろうと考えてきたことを書き連ねている。
「翻訳とかけてそのこころは?」
 「翻訳は棒高跳びだ」「翻訳はマラソンだ」「翻訳は二人羽織だ」…
彼女の巧みな比喩から翻訳の世界をかいま見る楽しみを味わった。
どこの世界も奥が深い。横のものを縦にするだけではない。翻訳は
表現であり芸である。「巧な訳だ」と読者に思われるようではだめなの
だという。 
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by nokogirisou | 2008-01-20 22:03 | 本と図書館
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