映画「神童」を見る

  松山ケンイチもでてくるし、ピアノの演奏もきくことができるし、
「音楽は生きるためにあるんだと思うよ」
「大丈夫、あたしは音楽だから」などどきどきする台詞も聴けるので
最後まで一気にみてしまうのだが、私は何か物足りなさを感じてしまう
のだ。原作とだいぶ違うからだろうか。原作はとても好きだったので映画
に期待しすぎたのかもしれない。
 ただ、期待と違う世界がこの映画にあって、楽しめた。私はワオと「うた」と
うたの父をつなぐテーマ曲に惹かれた。そして、松山ケンイチ扮するワオの
ピアノの吹き替えが誰なのか気にかかった。後でそれが清塚信也だと知って、
興味を持った。いつだったか、夕方のNHK FMの番組にゲスト出演していて
彼が語っているのを聞いたばかりで印象深かったからだ。彼のコンクールに
対する考えかた、ベートーベンに対する思いを聞けておもしろかった。
松山ケンイチと清塚さんはとても仲良しだという。

 不満だったところ
 ワオと「うた」の2人の出会いと関わりは、現実的ではないのだが、だからこそ
強い結びつきがある。もっと2人の関係を丁寧に描いてほしかった。なぜワオが
「うた」のことを、あれほど心配するのか、なぜ「うた」がワオに惹かれるのかと
いう必然性が、この映画の中には表現されていない。
 「うた」の再生が描かれていない。聴覚を失った「うた」がどう生きていくかまで
描かれていないのだ。映画を美しく終わらせるには、ピアノの墓場で連弾する
ところで終わってもいいのだが、リアリティを持たせるにはあそこで終わっては
いけないはずだ。音楽ものの映画化は難しいと改めて思う。
 
 
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by nokogirisou | 2008-03-12 00:06 | 映画
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