鍵冨弦太郎ヴァイオリンリサイタル2

  プログラムを見て、私は思わず声を上げそうになった。
今朝、私は通勤の車の中で、イツァーク・パールマンの演奏するヴィエニヤフスキの
「スケルツォ・タランテラ」を聴き、大変気に入って、もう一度聴きたいと思っていたのだ
が、なんとその曲が入っているではないか。とても幸運な気持ちだった。
 拍手とともに鍵冨くんが登場。とても華奢な少年のようなヴァイオリニストだった。
はにかみやのようだ。
 最初はバッハのソナタ1番。アダージョ。ちょっと固いかな。まじめなバッハだった。
ピアニストの松本和将さんが登場。2曲目はクライスラーのウィーン奇想曲。なんとも
技巧的な、しゃれっ気たっぷりの奇想曲で楽しめた。マイクを持つが、話はあまり好き
でないらしい。簡単な曲紹介だけ。
 そしてベートーベンのヴァイオリンソナタ5番「春」。「のだめカンタービレ」の中で峰くん
の試験としてすっかりおなじみになった曲だ。しかし1楽章以外はそんなに真面目に
聴いたことがなかった。ベートーベンの曲の構成がよくわかった。音だけ無く視覚も大事
かなと思う。最近ベートーベンが好きになっている私は夏にこの曲を生で聴けてうれしい。
鍵冨くんは歌えるヴァイオリニストだと知り、またうれしかった。腕がたつだけではねえ。
 休憩の後は、楽しみだった、スケルツォ・タランテラ。パワーのいる曲だ。途中で譜面台
から楽譜がすっかり床に落ちてしまうというハプニングもあったが、無事に最後まで弾ききる。
ピアニストがとてもやさしい。いつもあたたかくリードしている。
 次は曲目が変更されてクライスラーのシンコペーション。これもしゃれっ気たっぷり。
 最後は、鍵冨くんが特別に思い入れがあって、大好きだというフランクのソナタ。
 彼がそういうだけあって、精魂込めて丁寧に情熱的に弾いていた。私にとっては、
この曲はヴァイオリンより、ミッシャ・マイスキーのチェロとマルタ・アルゲリッチのピアノの
演奏が馴染み深い。ヴァイオリンで聴くとまた、趣深い。生で聴くとけっこう発見がある。
フランクの魅力を改めて思い知った。拍手なりやまず。
 アンコールはおなじみのヴォカリースとロンドンデリーの歌。
 演奏会としてまだまだ若い、青いという感じがしたが、ひとつひとつの演奏はなかなか
魅力的だった。 家に帰ってもう一度フランクのソナタを聴きたくなった。探すと、あった
あった。Iさんが以前録音してくれたイグリー・ギトリスとアルゲリッチの演奏のもの。
 本当にIさんにはいつもいつも感謝している。聴きたいときに聴きたい音楽があるのは
Iさんのおかげです。
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by nokogirisou | 2008-07-11 23:21 | 音楽
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