『優雅なハリネズミ』ミュリエル・バルベリ 

 
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 フランスの現代小説である。読み応えあるすてきな小説だった。
おいしい料理と、音楽と絵画が出てくる。そして魅力的な登場
人物も!谷川ジローの劇画や、小津安二郎の映画がでてきて
日本文化がフランスにこんな風に入り込んでいるのかとおどろく。

 優雅なハリネズミとは比喩である。グルネル通り七番地の
豪奢なアパルトマンの管理人をしているルネと、人生を悲観し、
13歳の誕生日にはアパルトマンに火をつけようと考えている
12歳のパロマである。この小説はこの2人がそれぞれの文体
で語り分けてすすんでいく。
 すべてはアパルトマンにカクロウ・オヅが引っ越してきてから
変わってしまう。カクロウは不思議な魅力を持ったお金持ちの
日本人で、10年前に妻を癌で亡くし、今はひとり隠居の身であ
る。彼は、本質を見抜き、人を大切にし、ユーモアたっぷりの
すてきな日本人として描かれている。 
 これはルネとカクロウとパロマの友情の物語ともいえるかも知れない。
 
 
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by nokogirisou | 2008-11-18 06:22 | 本と図書館
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