『この道のむこうに』『あの空の下で』

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フランシスコ・ヒメネス 著 千葉茂樹 訳
この2冊はつづきものである。人にすすめられて読んだのだが、読み始めると
2冊一気に読めた。
 メキシコに生まれ、貧困から抜け出すために一家でアメリカに移民する著者の
家族の物語だ。語り手のパンチートの一家は非合法で入国し、ラ・ミグラの影に
おびえながら、家族で季節ごとに仕事を求めて移動していく。その間に弟、妹が
増え、赤ん坊のトリートは重い病気にかかるが、家族の祈りによって九死に一生
を得る。こうして家族は貧しいながらも寄り添い、様々な人と出会いながら、仕事
を求めて転々と移動し続ける。パンチートは尊敬するロベルト兄さんのように1人
前に働きたいと思うが、なかなか父さんに認めてもらえない。学校に行き始めても、
落ち着いて勉強できるかと思うとまたすぐ移動しなければならない。
ようやくボネッティ農場のバラックに定住し始めた矢先に、パンチートはラ・ミグラに
見つかってしまう。
ラ・ミグラに捕まり、ひとたびメキシコに帰ったパンチートの家族たちは、入国
ビザの申請が受領され、晴れて合法的にアメリカで生活できることになる。まずは
兄ロベルトとパンチートがサンタマリアに戻って学校に戻り、残りの家族は父の妹
のところに身を寄せることになる。兄とパンチートはアルバイトをしながら勉強し、
忙しく充実した毎日を送る。エルビス・プレスリーに夢中になり、ダンスにも参加し、
青春を謳歌する。しかしパンチートも兄も親しい女の子ができても、その家族にメ
キシコ人であるというと急によそよそしくなるのだった。やがて家族がサンタマリア
に戻ってきた。パンチートは中学を卒業し、高校に入学する。誠意ある教師と出会
い、苦手な英語の勉強もがんばり、生徒会長になり、やがて大学進学を夢見るよう
になる。腰の具合が悪く父さんの機嫌の悪い状態は続くが、奨学金と母のとりはか
らいのおかげで、パンチートは大学に進めることになる。
 メキシコもミグラント・サーキットも大家族の結びつきも私の知らない世界だった。
読んだ後になんとも言えないすがすがしさを覚えた。
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by nokogirisou | 2009-01-18 20:32 | 本と図書館
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