いざ、まほろば同窓会へ1

 宿はとにかく安い池袋のホテルをとったのだが、池袋には毎度
ううっとくる。ホームレスが多い。暑いので上半身裸の人、裸足の
人が痛々しい。ゴミを漁っている姿は見たくなかった。またとにかく
タバコを吸う人が多い。パルコ前の公園にたくさんの女性がすわって
煙をぷかぷかしている光景は不思議だった。そして相変わらず風俗店
が多いことといったら。いかがわしい街であることは昔も今も変わらない。

 朝は早々にチェックアウトして、懐かしい道を歩くことにした。
 文京区の懐かしい坂道。コクリコという小さなロシア料理のお店が残って
いてほっとした。そして、私が卒業までの一年間住んでいた3,4年生用の寮
の前に立つ。まさに卒寮して以来のことだ。クーラーの室外機がぶんぶん
うなっていた。当時はクーラーなんてなかったが個室の寮がうれしくてたまら
なかった。当時に比べるとすっかり古めかしくなったが涙が出るほど懐かしい。

 それから、昔の散歩道を歩いた。小日向を抜けて、関口に出て神田川
をのぞく。坂道をふたたび登って、こんどは小石川に向かう。よく通った
小石川図書館を探す。なかなかたどりつけないでいたら、石川啄木終焉
の地にぶつかった。大学在学時にここに来たことがあっただろうか?すで
に新しい別の会社の建物が立っていて、案内板が立つだけだが、啄木を
しばし思う。小石川図書館は、まったく昔のまま、レトロな感じで笑いそうになる。

 最後に大学を正面から見て、3年のときに下宿していた家を探した。
銭湯はどれも廃業し、すっかりマンションが建ち並び、下宿をなかなか見つ
けられない。あの下宿での1年は音楽科の先輩が通ってくれてとても楽しか
ったことを思い出す。狭い台所で一緒に料理など作ったものだ。
 もう諦めて同窓会会場に向かおうかと思っているとき、記憶に残る平屋建の
家を見つけた。下宿は留守のようなので、となりの大家さんの息子さんの家の
チャイムをおもわず鳴らしてしまった。大家だったおばあちゃんのところによく
きていたお嫁さんが、すっかり白髪になっておられたが、お顔も声も昔のまま
だった。ずっと昔の下宿人なのに懐かしがってくれた。おばあちゃんは平成9年
に脳梗塞で亡くなったということだった。それでもご挨拶できて、私は嬉しかった。
 思いきってチャイムを鳴らしてみてよかった。
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by nokogirisou | 2009-08-23 21:58 |
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