編集者 荒木田隆子さんの講演会

  「新潟子どもの本を読む会」主催の荒木田隆子さんの講座に行ってきた。
9時半から15時半まで、たっぷりお話しが聴けるチャンスだ。
 これまで、作家や翻訳家や絵本作家の講演は聴いたことがあったが編集稼
業の方のお話は新鮮でたのしみだった。(齋藤淳夫さんは作家と呼ぶべきか、
編集者とよぶべきか。齋藤さんのお話しは何度きいてもすてきだったが)
 荒木田さんは、福音館で瀬田貞二さんの『落ち穂拾い』や『児童文学論』を
編集されてきた方だ。絵本や児童書の編集というより、評論の編集が主な仕事
であったようだ。
 編集者ってどんな仕事をするのだろうと興味があったが、とにかく職人的な
仕事だと思った。著者の書いたものを徹底的に読む。関連資料を集める。
書かれていることの正誤、新旧、適不適を徹底的にチェックしていくのだ。
 創作の場合は、編集者がアイディアを出したり、いっしょに内容を考えたり
することもあるのだろうが、翻訳や評論の場合は、とにかくこまかな読みと
調べが重要な仕事になってくる。著者の「影」のような存在だ。

 そして、その出版されたものが読まれるためにどうしたらよいか、考え、私たち
に提案してくれる。
 今回強く感じたのは、荒木田さんと瀬田貞二さんとの信頼関係の深さだ。
荒木田さんは瀬田さんとのこまかなエピソードをとてもよく覚えておられて丁寧
に語ってくださったが、飾らない言葉のはしばしから、いい仕事を求めて、互いを
思いやる気持ちが伝わってきた。
 
 さすがに編集者だなと思ったのはレジュメ、資料の準備の巧みさだった。
参考となる図書から、必要な箇所を選んで、コピーし、整理し番号がふってある。
実物の文章を読めるのは大変勉強になった。

 また、途中、「子どもの本を読む会」の方の絵本の読みきかせや朗読が入ったり、
瀬田貞二さんの肉声の録音を聞かせてくれたり、演出も見事で私たちを飽きさせない。

 荒木田さんと「新潟子どもの本を読む会」のつながりは、とても長いそうだ。
31年前に初めて、瀬田貞二さんと一緒に新潟に来られて、会のみなさんとお会い
したそうだが、そのときのことをとてもリアルに覚えておられて話してくださり感動した。
 
 私なんぞは、部外者であるが、こういう関係、こういう場に接することができて
幸運であったと思う。
 
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by nokogirisou | 2009-11-22 09:57 | 本と図書館
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