北光社閉店の日

 昨年末の新潟の老舗の書店が閉店するというニュー
スを聞いたときはショックだった。
 しかしなかなか北光社に行くチャンスがないまま、今日、閉店
の日を迎えてしまった。
 夜の7時のニュースで北光社が映し出されると、どうにも
こうにもがまんできなくなって、そのまま車を飛ばして古町へと
急いだ。
 夜の古町。今日はにぎやかだった。
 北光社は押せや押せやのひとだかり。お客さんから北光社へ
のメッセージが所狭しと貼ってあった。店長が、レジの前に立ち、
お客に頭をさげながら、お礼を言っていた。
 棚を眺め始めると、とまらない。並べ方がとても個性的だった。
だいぶ、お客に買われてガラガラになった文庫の棚にも私が気に
なる本がたくさん残っていた。お宝を残したまま次の棚を眺める。

 郷土本、随筆、昔の本を集めたコーナーがやはり魅力的だった。
それにしても北光社がこんなに人にあふれているのはひさしぶり
のような気がする。
 思えば、高田に住んでいた高校生の私は、高速バスで新潟に
やってきて、紀伊国屋と北光社をはしごして、本を探したものだ。
北光社のブルーのカバーがかかった本を大事にかかえてバスに
乗り込んだことを鮮やかに思い出す。あのころは2階、3階も
お店で、ずいぶん広い本屋だと感動していた。
 それから、新潟で暮らしてからは、友だちとの待ち合わせが
「北光社前ね」だった。本を眺めながらすごせば、どちらかが
多少遅刻してもちっとも気にならなかった。
 次から次から、北光社の思い出がわいてくる。どうしようもないこと
だが、古町から、大切なお店が消えていくことは、無性に悲しい。
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by nokogirisou | 2010-01-31 21:49 | 本と図書館
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