カテゴリ:本と図書館( 376 )

学校図書館が周囲とつながるために…今井福司先生講演

新潟県高等学校図書館協議会第7回研究大会で、白百合女子大学の今井福司先生より講演していただく。
スライドや資料は
http://librarius.hatenablog.com/

学校図書館をめぐる定義やデータも、知っているようで、知らない。会場には新鮮な空気が流れていた。数字の示すチカラは大きい。
また、『学校図書館』2009年1月号から連載されていた、「新教育課程における学校図書館の活用」が紹介されていたが、私も記憶にある。ただあれから時間が経過しているので、学校図書館の活用は、進化しているのではないかと考えている。確認してみよう。

学習指導要領と学校図書館の関連については、丁寧にお話しいただき、わかりやすかった。
アクティブラーニングについての理解も進んだ。
『無藤隆が徹底解説 学習指導要領改訂のキーワード』を紹介いただき、食指が動いた。

探究的な学習の理想と必要性はよくわかる。現場で、探究学習が日常的に行われないのは、環境にも原因かあるだろうが、一番の原因は教員の理解不足、研修不足によると思う。
やはり、現場は知識伝達、同じ教材使用、詰め込み、一斉授業が安心で、やりやすいのである。探究学習を経験したことがない、図書館での学びを経験したことのない教員にとって、課題を設定し、テーマを決めさせて、情報を収集させ、整理分析させ、まとめさせ、発表させ、それを評価するのは、大変難儀なのである。 SSH指定校で、お金人材ノウハウのある学校でさえも、四苦八苦している。ちょっと気を抜けば形式的な作業に陥ってしまう。教員養成課程の中に学校図書館利用や探究学習の授業が必修であるとよいのだが。

読書の定義について、会場がちょっと湧いた。どこまでが定義か。人や時代や国によってちがうものらしい。いつも、読書について話し合うときに、人それぞれ定義や出発点の違うことにとまどいをおぼえている。
文科省の「高校生に関する意識等調査」の定義にはやや違和感も抱く。まあ、調査の性質上、対象を制限する必要があるのだろう。

会場で反応が大きかったのは、「学校図書館を巡る様々なトピック」の中の、さまざまなニーズを持った児童生徒へのアプローチの話題の中でのDA I SYやL Lブックの存在だった。真新しい話題ではないが、まだ新潟では実物を見た人は少なかった。

居場所としての図書館、神奈川県田奈高校の「びっかりカフェ」については、みなさんよくご存知だったが、図書館てゲームを行う実践、「テーブルトーク・ロールプレイングゲーム」(TR PG)を使った読書企画を行う学校図書館の事例は、新鮮だったようで、関心を示された方が多かった。

その他、学校図書館を専門にする研究者の少なさは、衝撃的だった。さらにカレントアウェアネスをはじめ、学校図書館の情報のありかを紹介いただき、喜んでいる参加者がたくさんいた。とにかく、資料が充実していた。

途中、振り返りやコメントを記入する場面が設けられていてよかったのだが、ほかの参加者と見せ合ったり、交流したりする場面があると、もっとよかったか。時間の関係でしかたなかったのかもしれないが、せっかくの多様なギミックをもうすこし活用したかった。これは運営側の反省であるが。





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by nokogirisou | 2017-12-03 09:24 | 本と図書館

リーディング・ワークショップの授業

 11月18日、筑波大学附属駒場中学・高等学校の第44回教育研究会に参加した。
 澤田教諭の「中等教育国語科への個別自由読書の導入」のリーディング・ワーク
ショップの授業を見学した。
 私がこの授業をどうしても見学したいと思ったのは、『リーディング・ワークシ
ョップー「読む」ことが好きになる教え方・学び方』(ルーシー・カルキンズ著 
吉田新一郎・小坂敦子訳)を読んで、日本の高校生に対してもリーディング・ワー
クショップを実践したいと考えたからだ。
 これまでの私自身の取り組みは、「朝の読書」という「毎日読む・みんなで読む
・好きな本でよい・ただ読むだけ」の実践と、授業の最初の10分間読書と、「新
書の点検読書」である。前の2つは、選書に関して生徒に任せるが、読ませ
っぱなしが多かった。たまに読んだ本の中から3冊選んでブックトークさせ
ることもあったが、あくまで「たまに」だった。「新書の点検読書」はこち
らが選んだ20~40タイトルの新書の中から生徒が選書して読んで、レポ
ートするといったものだった。まったくの自由読書の授業は経験がない。
 「リーディング・ワークショップ」はミニ・レッスンやカンファレンスと
いう教員の働きかけがあり、仲間との共有や記録という活動もある。
 澤田教諭がリーディング・ワークショップを取り入れたのは、高校生の不読
率の高さを、学力形成の上からも、人生における有益さからも問題だと考えた
からである。特に読書量と語彙獲得の相関関係に注目し、生徒の読む力や読書
家としての姿勢を向上させたいと考えた。
 澤田教諭の目指す生徒像は、①読むことを人生を豊かにする手段にできる人
 ②よい文章の可能性を認められる人である。そこで、自分の意志で本を選ぶ、
自分の意志で本を読むことを最大限重視している。これは勇気のいることである。
生徒を信じなければできない。私のこれまでの価値観では、授業で読書を取り上
げる以上は、全員に同じようなレベルの本を同じくらいの量読ませなければなら
ないと思っていた。本を自由に選択させるにしてもジャンルを絞った方がいいと
考えていた。
 しかし、今回授業を見学し、本を読む目的も読む本も、読み方も生徒自身に任
せることのすばらしさを実感した。生徒は、リーディング・ワークショップでや
りたいことを決め、その理由を書く。そして本を選ぶ。これはやはり、簡単なこ
とではなかったようだ。筑波駒場の生徒でさえも、最初はなかなか読書を通して
何をしたいか、どんな本を読みたいか、選べなかったそうである。しかし週に2回
続けているうちに自然にできるようになっていったという。選書には授業者と司書
2人が支援することもある。あくまで薦めるが強要しない。
 生徒たちにインタビューする機会があったが、どの生徒も読書を肯定的に考えて
おり、価値を認めている。それぞれ自分なりの基準で本を選ぶことに喜びを感じて
いた。読んでいる本もその目的も実に多様であった。ジャンルを教師が恣意的に絞
らない方がいいことを私は痛感した。
 澤田教諭は、高校生の読む力の格差は大きく開いており、共通教材でこれに対応
するのは難しいという。しかし、現実に共通教材を手放すのは難しい。共通教材の
読み方を伝授するのが、これまでの国語授業の常であった。それをしないのである。
40人の生徒が自分で選んだ本を読み、それに対して教師がコミットし、カンファ
レンスしていくとなると、40人分の教材について教師はやはり把握しなければな
らないのだ。
 今日は澤田教諭は自由読書をしている16人の生徒に声をかけ、カンファランス
を行っていた。そこで次の本の薦めを行ったり、読んだ内容について確認したり、
進捗状況を報告させたりしていた。その語りかけや聞き取りの声は優しく、とて
も静かであることが印象的だった。押し付けや強要がまったくない。
 30分の読書ののち、3人グループで生徒たちは今日の読書を共有する。短い
時間である。その後、各自の読書記録用紙にまとめる。人に話した後で書くと
いう順番も重要だと思う。彼らは話しながら発見をし、よりよく書けるように
なっている。とにかく本について語る彼らの語彙の豊かさ、要約力の見事さに
脱帽である。いっぱしの読書家だった。

 新潟大学の足立幸子先生が助言されていた。日本のこれまでの読書教育は
全員が同じものを読んで同じゴールを目指すものだった。日本の子どもたち
には自分で選ぶという能力が欠けている。ミニレッスンを行ったり、「自分
の読書を考える参考にしよう」(吉田新一郎『よく読める読み手が共通にも
っているスキルとは…』を記録用紙の裏に印刷してあったりすることは、生
徒たちが自分の読書生活を振り返るうえで有効である。
 またリーディング・ワークショップの授業を成功させているのは、教師が
生徒の読
みそうな本を予想して沢山読むことだとも言われていた。この授業をするに
は、教師がたくさんの本を読んで準備する必要がある。

 さて、これを私が実践するとしたら、どこに困るだろうか。それは、一緒
に授業をする他の教員に理解してもらうことだ。共通テストを行っている以
上、教科書の進度をどうそろえるかという問題もある。
 さらに評価だ。澤田教諭は読書の量や内容ではなく、カンファレンスの内
容と提出物を出したかどうかで、ざっくり評価しているという。もう少し、
丁寧に評価したいが、教師一人が、40人分の読書量と内容の看取りは無理
だ。
 今の学校文化の中でリーディング・ワークショップを取り入れるとなると、
特別編成授業のときや、考査後などの余裕のあるときに、オプション的に行
うしかないだろう。学校全体で授業観を共有していかないとレギュラー授業
にはとりいれられないだろう。ここが私が今後実践する上での課題である。
 

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by nokogirisou | 2017-11-19 01:14 | 本と図書館

読書へのアニマシオン

仲間とモンセラット・サルトの読書へのアニマシオンについて仲間と語り合った。これまでたくさんの本と作戦の試みを試してきたが、やはり汎用性があって有効な作戦はかぎられる。


   また、アニマシオンは単発でイベント的に行うよりも、継続的に計画的に行うのがよいと私は考えている。新潟では一部の小学校で毎年継続的にアニマシオンを行なっており、それをきっかけに児童たちが積極的に自分のペースで好きな本を読めるようになることを期待している。



   そもそも、子どもがどのように本をよめるようになるかを考えてみよう。まず音読ができて楽しめて、あらすじを捉えられるようになり、登場人物の特徴を描写やはり会話から読み取れるようになり、物語の因果関係をつかめるようになり、自分がその本をどう読んだか、感じたかを考えるようになり、批評的に読めるようになっていく。


   アニマシオンの70の作戦はそれに対応している。まずは、絵本でアニマシオンをすることが多い。幼児や低学年生のために作戦26「ここだよ」作戦1 「読み間違えた読み聞かせ」があり、あらすじ確認のために作戦29「物語を語りましょう」作戦55「聴いた通りにします」などが有効だ。作戦53「よく見る、見える」など、挿絵を読み取る作戦もできる。


   次に読みものを使って作戦3「いつ?どこで?」作戦36「物語ではそう言っている?」や作戦12「前かな後ろかな」などで、物語のあらすじや構成を確認する作戦、作戦31「どうして」作戦35「その前に何が起きた?」作戦39「何のために」など、物語の因果関係を確認する作戦へと進んでいく。


  一方で物語の全体をつかんでタイトルをつける作戦11「これが私の作った書名」や、大筋とは関係ないが、登場するものや動植物への意味合いを考えさせる、作戦30「なんてたくさんのものがあるんでしょう」も小学校中学年から高学年にあたって有効だ。


   そして次第に、思春期の子たちに対して作戦6「本と私」や登場人物の行動の訳を考える作戦34「彼を弁護します」、本全体を様々な側面をとらえていく作戦24「だれが、何を、どのように」などの作戦ができるようになり、読書会のような、参加者が主体的に語れる場になっていくとよいのではないか?


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by nokogirisou | 2017-07-08 10:34 | 本と図書館

子どもと子どもの本のために 

 新潟子どもの本を読む会主催の「リリアン・スミスの『児童文学論』に学ぶ」5期
の第一回目に参加した。人気の講座でなんとか混ぜていただいたのだ。
 講師の真壁伍郎先生は、お話がとても上手で魅力的な方だった。80歳という
ご高齢には見えない。大変情熱的な方だった。今回の講座は「文学とは何か」と
いう本質的な問題を考えさせる深いものだった。

 真壁先生は貴重な資料をたくさん持ってきてくださった。ずっと気になってい
た平凡社の『児童百科事典』『社会科事典』の実物は中身が濃くて驚いた。
瀬田貞二が出会って影響を受けた冨山房の『世界童話宝玉集』『日本童話
宝玉集』はアンソロジーの作り方としてとても興味深かった。
 古い貴重洋書も多く、英語がすらすら読めたらどんなによいだろうと思った。
読めなくても実際にページをめくるとその価値を指が感じる。

 今日の最後に真壁先生は、現代を生きる私たちからストーリーが失われて
いることに対する危惧、大きな物語の喪失に対する危機感を語っておられた。
これには同感である。

 子ども時代は短いが、人生の核をつくる時代であり、いいものに触れておく
ことが重要である。戦後、子どもたちに歴史に耐えうるよいものを与えようと
真剣になっていた大人がたくさんいたということが、とにかく感動的であった。
その一人が石井桃子であり、瀬田貞二である。

 石井桃子は「いいもの」に対する批評の基準を自分の中に持ち、それを
具体的な作品名で示した。そして、彼女はすぐれた編集者であった。
真壁先生は、アメリカの児童文学の編集者のメイ・マッシーの話をされたが
彼女と石井桃子の共通点を私は感じた。

 石井桃子は岩波書店の編集者だったが、彼女は47歳でアメリカに視察
に行き、カーネギー図書館学校で子どもの本の選書について学び、エリザ
ベス・ネズビットやキャロル・ムーア、リリアン・スミスらと出会っている。

 日本に戻ってから石井がやったのは、宮城県の小学校の教室で子ども
たちに自分の選んだ本を読むということだったという。最初は短い時間しか
集中できなかった子どもたちがしだいに2時間も聴いていることができるよう
になっていく。石井は、本を読みながら、つぶさに子どもたちの様子を観察
した。子どもたちが何を喜ぶか、どんな反応をするかを徹底的に見たのだと
いう。よい本は子どもと時間によって選ばれるという。
 そういう体験を通して、石井は子どもの本に対する確固として基準を持つ
ようになった。語られていることが具体的であるか、必然性があるか、ストー
リーに無理がないか、文章から絵が浮かぶか、空想がリアリスティックかなど
である。
 こういう基準を持ったことが子どもの本の編集者としての一層の強みになった
のだろうと思う。石井は生涯、子どもと子どもの本をつなぎ続けた。
 
 最近は何かの役に立つこと、実用的なこと、効率的にできることばかりを学ん
できたように思う。しかし今日は生きるとはどういうことか。子どもが大人になると
はどういうことか。文学には何ができるのかと真剣に考えた。震災が続く日本で
文学に、物語に何ができるのか。私たちは体験的に知っている。文学や物語に
傷ついた心が癒されること、文学や物語が人を勇気づける力があること。
 文学には、物語には「それでも一緒に生きていこう」というメッセージがある
のだと真壁先生は示唆していた。
 
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by nokogirisou | 2016-05-08 21:48 | 本と図書館

北書店(新潟市)

書店が大好きで、旅先でも、地元でもよく立ち寄るが、やはり、何度か通わないと本当の魅力はわからない。北書店は最も好きな書店の1つで、つい長居してしまう。私などは、まだ初心者だか、かなりコアな客が多く、そういう方々のコミュニティやイベントもある。店内はワンダーランド。棚が生きている。相性がよいのかもしれないが、まるで、自分のために本を選び並べてくれたのではないかと錯覚するほど、気になる本が、それぞれの棚面ごとに並んでいる。小説の棚模様が毎回変わっていて感動する。作家がとても大切にされている気がするのだ。さりげなく、高野文子の『るきさん』が平置きになっていたりするところも好きだ。クラフトエヴィング商會の本がたくさん並んでいるのもワクワクする。一番気になるのが、本屋さん関係の本を集めた一角で、古い観音開きの扉のついた棚の中に並ぶ本に惹きつけられる。児童書のコーナーも独特で、ここだけでもっと時間をかけて立ち読みしたくなる。
目下の目標は、カウンターと棚を行き来し、忙しそうな店長さんと本の話をすること。なかなか声をかけられなくて、決まりきった挨拶で終わっているのが残念。北書店は新潟市役所の向かえのマンションの一階にある。
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by nokogirisou | 2016-05-01 01:53 | 本と図書館

グローバル時代のアクティブラーニング

 玉川学園の第4回探究型学習研究会に参加してきた。
午前は9年生(中3)の「学びの技」商学部中学部
の「学びの技」12年生(高3)の理系現代文、
SSH、SGHの課題研究のポスターセッションの発表
を見学し、ワールドスタディーズの授業見学をした。

ワールドスタディーズは公民の選択授業で、日常的
にアクティブラーニングを実施しているようだった。
知識注入型一斉授業とは趣が異なる。学んだことは
ダイアリーとしてまとめて提出させている。授業では
英語と日本語が使われている。ファシリテーターの役
に徹していた。
グループディスカッションのあとに発表があり、さら
に課題が出されて「金魚鉢ディスカッション」という
方式で各自が課題に対する自分なりの意見を語っていた。
グループワークを体験することで、自分たちの偏見に
気づき、後半の課題解決ディスカッションに生かされて
いる。見学していてとても面白い授業だった。生徒たち
が少しも臆することなく堂々と意見を言い合っていて
発表に慣れていることがよくわかった。
 午後はDvid Selby先生の基調講演があり、その後
分科会に分かれた。
 私は、SSH学びの技「探究型学習の実践」に参加した。

「学びの技」とSSH、SGHの授業のしくみを理解
するのが難しかった。全体の学校教育の中で「学び
の技」や課題研究の授業がどういう位置づけなのか
外部の人間には理解が難しい。たくさんのプログラム、
たくさんの講師による講義、探究学習の指導をどの
ように組み立てられるのか、どうやってマネージメント
されているのか。
 教科指導のほかに探究型学習を全職員がするとなる
と職員研修も必要になる。そうやって共通理解を得て
いるのだろう。

 玉川学園のほかに、神奈川県立小田原高校、公文
国際学園中等部・高等部、立命館中学校・高等学校
の先生方が探究型学習の実践発表をされていた。
 苦労はいろいろあるのだろうが、グローバルリー
ダー育成のために、それぞれ努力されていることが
伝わってきた。さまざまな軋轢もあるようだ。
どの発表にも学校図書館との絡みの話が出てこなか
ったのが気になった。探究はどこで行われているの
だろうか。

 このままでは地方のふつうの公立高校は差をつけ
られてしまうだろう。
ふつうの地方の高校では教科横断的な授業が不足し
ている。探究学習の機会がない。校外講師の授業が
少ない。英語を使う機会が少ない。いろいろやって
も最終的に受験対応の授業に収束している。国公立
大学に何人合格させるかが、最重要課題になって
いるのだから。
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by nokogirisou | 2015-11-01 00:13 | 本と図書館

「ゆっくりいそげ」

KURUMED COFFEE
職場に出入りしている書店員さんから教えてもらった。
ぜひ行ってみたいカフェだ。
『ゆっくり、いそげ―カフェからはじめる人を手段化しない経済』
(影山知明著 大和書房)に出てくるカフェだ。
この本に書かれている時間の感覚に共感を持った。

「いまという時代は、『時間と闘って』しまっている。」
著者は時間を味方にしてい生きてくために、人間関係をギブ
から始めること、目的や目標を絶対視しすぎないことをあげ
ている。
常に今をゼロと捉えるこことの持ちようを私は忘れ
ていなかっただろうか。いつも足りない、足りない、と考え
ていた。今がマイナスだったのだ。
一つ一つの時間を愛したいという気持ちがあれば、もっと
人生は豊かになるような気がする。
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by nokogirisou | 2015-09-26 13:01 | 本と図書館

学図研2015全国大会埼玉大会の個人的な報告

iいまさらながら、8月はじめに開催された学図研全国大会 
埼玉大会(in熊谷)の個人的な報告
                   
1 竹内 悊 先生の講演
 最初の「図書館ロケット」のDVD上映には驚いた。
2013年のNHK「みんなのうた」に登場した歌だ。畑亜貴さん
の作詞作曲だそうで、アニメの斬新さもあって目と耳が釘付けに
なった。なんとこの歌は2013年の10月24日のカレントアウェア
ネスですでに取り上げられていて(http://current.ndl.go.jp/e1491)
畑さんはインタビューに答えて「戦争という悲劇を繰り返さずに
済むように,歴史を紐解いて皆で手を取り合って生きて行こう。
というメッセージを折り込みました」と答えている。
竹内先生は学校図書館の可能性を私たちに託されたのだろうか。
竹内先生の仕事のスタートは学校図書館だったという。これは
意外だった。男子校で司書をされていたそうだ。
 それからランガナタンの「学校図書館の五法則」について
くわしく語っていただいた。「図書館は成長する有機体である」
という言葉に私はいつも勇気をもらう。
今回たくさんお話していただいた中で特に印象に残っているの
は、図書館は一人の利用者、一人の生徒に対するサービスを忘れ
ないという精神だ。それから自己研修の話だ。研修で学んだこと
は抜け落ちていくので、たえず、復習し、学び続けることが必要
だといわれていた。また竹内先生の恩師のショアーズ博士の言葉
は印象深い。
  ①まず自分の一日を顧みる。何もしていない15分はないか。
  ②読みたい本と、読む場所とを決める。
  ③その時間に、きっかり15分その本を読む。
  ④それを毎日続ける。1年続けるとそれだけで20冊の本が
   読める。

 2 ナイターB「読む」ってどういうこと 島根県担当
ある司書が、ある教育委員会の指導主事に「本なんて読む意味
あるのかね」といわれたという。こういうことは、実はよくある。
最近冗談でなく、真面目に「読書は生徒のためになるのか?」と
聞いてくる教員も多い。
 それを受けて、私たち学校図書館に関わる大人は、どう答えた
らよいか、どう説明したらよいかをグループに分かれて話し合っ
た。 
 まずはそれぞれの体験から各自の「読む」ことに対する思いを
語りあった。それから、それらをまとめて、どういう言葉にした
ら、説得できるかを考えた。教育員会の人たちを納得させるには、
やはり具体的な力や成果となって表れる部分をアピールしなけれ
ばならないだろうという結論になり「自分で考える力がつく」
「コミュニケーション力を高める」「生き抜く力がつく」等の、
やや抽象的な言葉にまとめられた。しかし、それらの言葉の背後
には、それぞれ具体的なエピソードがちゃんとある。ある高校司書
が語ってくれたエピソードは印象深い。無気力だった男子生徒が、
ひょんなことから本を読むようになった。それで自信を持つよう
になり、その後の生き方が変わったというのだ。そういう実例は
みんなが持っているにちがいない。
 最後にグループごとに話し合った内容を発表し、「本を読むと
は〇〇」というキャッチフレーズを紙に書いてホワイトボードに
貼りだして交流した。
3 実践報告
 東京都杉並区の横山寿美代さんの報告はパワフルだった。彼女
には様々な研修会でよくお会いするし、学校図書館プロジェクト
SLiiicの活動でも有名である。
 その彼女の実践例は様々なヒントと可能性に満ちていた。スタ
ートはPTA役員、図書館ボランティアだというのも驚きだった。
現在公立小学校の非常勤の司書である彼女が失敗を語るという
コンセプトだったが、どれもいいお話で失敗には入いらないと思
った。しかし注意すべき点をたくさん示唆してもらった。
「好きだからと言って図書館の仕事をやりすぎないこと。一人で
はなくて、コミュニケーションをとりながら進めること」
これは肝に銘じた。 

もう一人の実践発表は、小林聖心女子学院の山本敬子さん。
彼女は昨年度まで甲南高校中学校の司書だった。甲南といえば
潤沢な予算とたくさんのパソコン、図書館授業時間が年間700時間
を超えることで有名だ。今回特に、レポート提出までにいくつもの
不安や困難を抱える生徒たちに、どのようにアプローチしたかを中
心に語ってくれた。とにかく甲南は学校体制がすごい。学校図書館
のイベントも多いし、学びの中心に図書館があるという印象を受けた。

4 分科会 1「どう実感してもらう?学校図書館の教育力」兵庫県担当
事前に『教育を変える学校図書館』(塩見昇編著2006 風間書房)
の第一章を読んでくるという宿題があった。これがためになった。
 私が関心を持っていたのは「学校図書の教育力」7項目中7番目の
「学び方、学ぶ力(リテラシー)を身に付けた生涯学習者の育成」
だった。これをどう意識して学校図書館運営に生かしていったらよい
のか日々考えている。
 分科会の前半は箕面市立第3中学校の田中瑞穂さんの実践レポート
だった。箕面市の学校司書は任期付き短時間勤務職員で一日実働7時
間45分、週31時間。研修は保障されている。「学校図書館の教育力」
に照らし合わせて、生徒と教職員を観察し、図書館の授業利用を進め、
図書館事情を目に見える形で職員、生徒、保護者に見える形で提示し
ていた。
 後半は「こんなとき、どうする?」というミニシアターだった。
現場でちょっと困った場面を寸劇で紹介してもらい、どう対応すれば
よかったかを班で考えるワークショップだ。これがとてもおもしろか
った。「教員に生徒の貸し出し情報を聞かれたときどうしたらよいか」
「授業で利用したい本が学校図書館になかったので司書が『市立図書館
から借りてきますよ』と提案したら、『悪いわ』と教員に断われた。
そのときどうしたらいいか」
等、日常よくありそうなケースを想定して、どう対応したらよいかを
グループで話し合った。様々な立場の方と同じグループで、話し合いは
大変盛り上がった。

5 まとめ
 学図研の楽しさは関係性にある。様々な知人とここで再会できるのも
楽しいし、新しい出会いがあるのもわくわくする。 合宿のような和気藹々
とした雰囲気も好きだ。
 学校図書館は常に進化していて、必ず学ぶことがある。毎年お土産が
たくさんだ。その持ち帰ったものを現場にどう生かすか。これが実はしん
どい。頭でっかちで、なかなか実践がともなわない。大いに反省する。
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by nokogirisou | 2015-09-26 12:38 | 本と図書館

村上春樹の言葉

4月19日の新潟日報に「村上春樹さん時代と歴史と物語を語る」
が掲載されていた。

 村上の作品が意識上の世界より、無意識の世界を重視している
ということはよく感じることだ。
「ロジックという枠を外してしまうと、何が善で、何が悪かが
だんだん規定できなくなる。善悪が固定された価値観からした
らある種の危険性を感じるかもしれないですが、そのような
善悪を簡単に規定できない世界を乗り越えていくことが大切な
のです。でもには自分の無意識の中にある羅針盤を信じるしか
ないのです。」
その羅針盤を生むために
「体を鍛えて健康にいいものを食べ、深酒をせずに早寝早起き
する。これが意外とききます。一言でいえば日常を丁寧に生きる
ことです」
とあった。多忙に流されて生きていると丁寧に生きることはでき
なし。結局日常を丁寧に生きるということは、結局ゆとりがある
ということ。心にゆとりを持とうとすることか。
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by nokogirisou | 2015-04-20 05:20 | 本と図書館

大人の遠足~図書館めぐり~

 昨年の秋以降、仲間と「大人の遠足」を続けている。
第1回は魚沼に電車に出かけ、六日町図書館と十日町情報館
を回った。初めて乗車したほくほく線が楽しかった。
十日町情報館では思いがけなくギターライブを聴くことができて、
わくわくした。図書館の様々な企画展示が魅力的だった。
第2回は新潟大学図書館とツルハシブックスの見学をした。
大学図書館が市民に親しまれていて、にぎわっていた。
ツルハシブックスには若い人たちが集まり、語り合っていた。
今話題のコンセプト書店。地下は20歳以下の若者しか入れ
ない。お昼はカレーで有名なクラシック喫茶カフェウエスト。
昔よく行った場所だ。懐かしかった。

 今日はあいにくの雨だったが第3回の遠足に出かけてきた。
まずは聖籠町図書館。新しくなって、とてもいい雰囲気に
なった。蔵書も魅力的。構造的にも理想的だ。ただ利用者が
少ない。日曜日なのに、子どもや若い人もいない。残念。
もったいない。

 次は水原中学校内にある、「水原中学校市民図書室」。
学校の中に公共図書館をつくるという趣向はこれから増えて
いくだろう。書架が高いのと本の並べ方がちょっと残念。
細長い構造で、カウンターから奥の閲覧室がまったく見えない。
しかし、部活帰りの中学生が立ち寄ったり、歩いて市民が
ふらっとやってきたりして、親しまれていることがわかった。

 3館目は新しくなった新津図書館。以前の暗くて重い雰囲気
から一新。とてもスタイリッシュでいい図書館になった。
書架にはLEDのライトがついている。書架はツートーンのデザ
インで新潟産の杉材を使ったデザインがいい。書架の脇のスツ
ールやベンチもおしゃれだ。
 郷土資料、非核資料、鉄道資料が充実している。子ども図書館
も絵本が探しやすく、にぎやかだった。そう、ここは利用者が多
い。
 館長さんが出てきていろいろ案内をしてくれ、図書館について
語ってくれたのもありがたかった。
 大人の遠足でリフレッシュ。明日からの仕事をがんばれそうだ。
  
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by nokogirisou | 2015-04-05 17:52 | 本と図書館