カテゴリ:音楽( 188 )

共通する思い

 アルバム「恋文」のテーマはとてもわかりやすく、とてもことばにしにくい。
ここで音楽は当然大事だが、やはり詞が重要な役割を果たしている。

 理由もなく会いたいのに 理由を探してる
 会わなければならないのと 理由を探してる
 
 人恋しさは諸刃の剣
 かかわりすぎて あなたを苦しめるくらいなら

 寄り添う風 それだけでいい あなたの袖を揺らして
                      「寄り添う風」より

 会わずにいる日が続く なにか忘れた気がする
 それがせつないわけじゃない ただなんとなく自分になれない

 今どこでどうしていると 知らなくても気にならない
 自分のこと知らないのと 同じくらい知らないだけで

 24時間そばにいたいってわけじゃない
 でも1番肝心な時は逢ってね

 恋とはかぎらない 情とはかぎらない
 それから先 そこから先 何に変わってゆくのだろうか
                    「恋とはかぎらない」より


 あの人といなければ いいことなくなるのがこわかったの
 でもそおれは あの人を大切にすることとは違ってた
                    「川風」より
   
 わかりきってから恋したりしない  知らないことから好きになるものだから
 調べきってから恋したりしない みつけてゆくほど好きになってゆく

 中略

 恋文に託されたサヨナラに 気づかなかった私
 「アリガトウ」っていう意味が 「これきり」っていう意味だと
 最後まで気がつかなかった
                   「恋文」より
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by nokogirisou | 2004-12-18 06:46 | 音楽

中島みゆき「恋文」

 
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音楽というのは、聴くタイミング、場面がとても重要なように思う。
「恋文」は昨年発売と同時に購入し、昨年の今頃車の中で聴いて
いた。そのときはそのときで感じることもあり、それなりに聴いてい
たのだろうと思う。聞き流していた部分もあると思う。
 ひさしぶりに車の中で聴いて、どっきりした。私の中で「恋文」が
熟成したのか、たまたま今の心の状態とマッチしたのか、季節がら
かよくわからないが、思わず車を止めて聴きたくなるほど、響いた。
 とくに「恋とはかぎらない」「寄り添う風」は昨日何度かリピートして
聴きたくなった。もちろんアルバムタイトルの「恋文」も忘れられない。
 気づきとともに違和感なく受け入れられる素地が私の中にできた
というだけのことなのだけれど。
 年を重ねてしみじみわかるみゆきさんの歌があるということは幸せ。
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by nokogirisou | 2004-12-17 06:17 | 音楽

映画「にんじん」

BSで映画「にんじん」を見た。
 私が子ども時代に最初に母親から買ってもらったと記憶している本がルナールの『にん
じん』だったので思わず見た。もちろん原作にまったく忠実だったわけではないが、フラン
ス映画らしい美しさと哀愁があった。ときおり入るギターの挿入曲がとてもよかった。
 印象的だったのは、おじいさんのところに釣り竿を借りに行くと彼がにんじんに「俺とおま
えは似ている。『みにくいあひるの子』なんだ」というところ。おじいさんもにんじんも孤独だ。
 それから、にんじんが友人に「自分は養子だから母親が冷たくあたるんだ」と相談するの
だが、その話に友人が嫌気をさすところ。友人は一旦はうんざりし、怒って立ち去ろうとす
るのだが、ふと考え直して戻ってきてにんじんに謝る。このシーンはとても美しかった。
わざとらしくなく、しめっぽくなく少年の世界が描かれていた…。
 なぜ母親はにんじんに冷たいのか。まさかあの、鮮やかなな髪の色のためだけにあんな
に差別と意地悪をするとは信じがたい。彼女はにんじんの面倒をみないわけではない。
けれども彼の自由をうばい、彼を他の兄姉のように抱きしめたりしない。にんじんにばかり
不機嫌である。母親は、彼のために自分の自由が奪われたと思いこんでいるのだ。それで
もとにかく母の愛を得たいと願うにんじんの気持ちが痛々しい。
 私もまた母親の顔色ばかりうかがう子どもであったし、ときには母親に本当に愛されてい
ないのではないかと疑う子どもであった。それでも何かあったときには、親は自分のことを
愛しているのだと信じることができた。それはやはり決定的なことだと私は思っている。
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by nokogirisou | 2004-12-14 06:05 | 音楽

イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ 全曲

 イザイは19世紀のベルギーのヴァイオリニスト。
彼のこの無伴奏ヴァイオリンソナタは難曲だと言われている。
 ヴァイオリンの曲は飽きない曲であることが望ましい。
この全曲録音というと、まず思い出すのが千住真理子である。
彼女のエッセイ『聴いて、ヴァイオリンの詩』にもこの録音の
エピソードが出てきた。
 ところが、このCDのアマゾンのレビューは厳しい。
 CDジャーナルのデータベースの引用のようだが次のようにある。
 
「この曲の全曲録音・演奏会と,並々ならぬ意欲を感じさせるが,そればかりではどうにも-。良く言えば,やさしさの出た演奏ではあるが,技術的な問題箇所が明らかに散見する。「イザイ弾きと呼ばれたい」(本人の弁)ためには,もう少し頑張って下さい。」

 「頑張ってください」って、おいおい。

 私自身はとてもすがすがしい思いでこの曲を聴いたのだが。
 これまでの千住のどのCDよりもいいと思った。
 彼女の繊細さがよく合っているように思う。
 私には技術的な問題が見いだせなかった。素人って得なのかも
しれない。
 
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by nokogirisou | 2004-12-06 22:25 | 音楽

ハウルの動く城その2

 久石譲の音楽は、やはりこの映画にぴったりだった。

 「世界の約束」
 「人生のメリーゴーランド」

  この2曲は耳からしばらく離れない。
 おもわず 口ずさんでいる。

「世界の約束」はこの映画の主題歌で作詞はあの谷川俊太郎、
作曲は「千と千尋」の 木村弓、編曲・久石譲で倍賞千恵子が歌
っている。ちょっぴり憂いが感じられるところがいいのかもしれない。
 
 90歳のおばあさんにさせられたソフィーだが、彼女はときどき
 若い表情をみせる。瞬間若めのおばあさんになったり、少女に
 もどったりする。まじない故の「揺らぎ」なのかもしれないが、
 違和感なく、なんの説明もなく、ソフィーは年寄りに戻ったり、
 若くなったりする。あまり内容について語ってしまってはこれから
 劇場に行かれる方に申し訳ないで控えるが、最初の沢山のなぞ
 「不思議」がこの物語の魅力である。
  
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by nokogirisou | 2004-11-24 22:03 | 音楽

モーツァルトで耳鳴り高血圧が治る!

 雑誌「爽快」1月号に、モーツァルトのCDがついているというので
つい購入してしまう。まず、この手の健康雑誌はこれまで買ったこと
がなかったのでrレジに持っていくことに抵抗があったが…。
 雑誌によると高血圧、リウマチ、不眠が消えたと大ブームなのだ
そうだ。
 モーツァルトは音楽療法の研究で注目されているらしい。「ゆらぎ」
と高周波が脳を刺激するという。
 (私自身は、胃が痛いとき、風邪をひいたときにはバッハが一番だと
思っている。入院したときにはバッハしか持っていかなかった。)
 埼玉医科大学短期大学教授の和合氏の実験によるとモーツァルト
を聴くと、コルチゾールというホルモンが減少するという。このホルモン
はストレスを受けることで分泌されるホルモンなのだそうだ。
 とにかくさまざまな不調に効果を出しているという例がたくさん書かれて
いた。

 さて、どんな曲が付録CDに入っているか…興味のあるところだ。

 まずはホルン協奏曲第1番ニ長調の第2楽章
 次はヴァイオリン協奏曲第5番イ長調の第3楽章
 そしてセレナード7番ニ長調第4楽章
 ピアノ協奏曲23番イ長調第3楽章
 最後が12のドイツ舞曲12番

 私の予想であたっていたのは、ピアノ協奏曲だけだった。
 いずれも長調。
 これらがどういう規準で選択されたのかは雑誌に説明がなかった。
 モーツァルトを聴くときはできるだけ他の音はシャットアウトして、
ヘッドホンなどで30分集中して聴くのがいいという。
 しかも「きっと効果がある」と信じて聴かないと効果がないという。
 
 ふーむ。20日の朝日新聞「BE」にも同じような記事が出ていた!
 すっかりモーツァルトブームである。
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by nokogirisou | 2004-11-19 21:45 | 音楽

諏訪内晶子

 
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日本人女性のヴァイオリニストにとても興味がある。
その昔、堀米ゆず子が好きだった。彼女のバッハを何度も聞いた。
千住真理子は、イザイの演奏の集中力がいい。彼女は演奏もさる
ことながら。その文章がおもしろい。
五島みどりは、最相葉月の『絶対音感』を読んでから興味を持った。
でも今一番興味があるのは諏訪内晶子だ。彼女の音色が好きだ。

1990年にチャイコフスキーコンクールで優勝したときは、興奮した。
デビューCDを早速買って聴いた彼女のブルッフのヴァイオリン協奏
曲1番はとてもかっこいいと思った。
 しかし、彼女は、コンクールでもてる全ての力を出し尽くしてしまった
らしい。その後のコンサート生活にも疲れてしまった。精神的余裕を失
い、しばらく日本での演奏活動を休止し、アメリカに留学した。ヴァイオ
リンの演奏も音楽も、その他の教養科目も勉強し直そうと思ったそうだ。
その3年間で彼女が一番に学んだのは「物の観方」「心の姿勢」だった
という。
 彼女が優等生的なヴァイオリニストから抜け出せるかどうか私は
見守りたかった。そんなに熱心に聞き続けているわけではないが、
なんとなく彼女を追いかけ続けたいと思った。
 最近車の中で聴いているのはショーソンの「詩曲」だ。
 これは私の好きな曲だ。とても切ない気持ちになる。瞑想的で神秘的。
人生を象徴しているかのような、不思議と不安と、陶酔に満ちている。
 諏訪内は「ヴァイオリンは生き物だ」という。日によって音が違う。
ひく人のテクニックや曲の解釈が変化すると楽器は鋭敏にそれを察知
するのだそうだ。ヴァイオリンの音色をもっともっとよく聴いてみたいと思う。
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by nokogirisou | 2004-10-07 22:14 | 音楽

曽根麻矢子のゴルドベルグ

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DADAさんが紹介してくれた曽根麻矢子の「ゴルドベルグ」を聴いた。
彼女はこれを12月のパリの19世紀の教会で、録音している。背中にぞくぞくきた。
端正な、まさに音を紡ぎ出しているようなゴルドベルグ変奏曲だ。チェンバロという
よりやはりクラブサンという楽器名がしっくりくる。
 「最後のアリアにもどった時の安堵感をどう表現していいのだろうか?」
この言葉は私にとってとても印象深いものだった。聴いている私も最後のアリア
にたどり着いたとき、なんとも言えない安堵感を背中に感じていたから。
 「人生で、どんなに辛いことがあってもバッハの音楽があればのりこえられる  
 ような気がする」
という曽根の言葉は重い。
バッハの理解と関わりの深さにおいて、とても比較できることではないのだが
かつてピアノのお稽古で苦しんだ、今はただの音楽家愛好家にすぎない私も
何かがあって、涙を流した後にもどってくるのは、バッハだっだ。入院したときも
バッハのCDしか持っていかなかったことを思い出した。
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by nokogirisou | 2004-10-07 05:07 | 音楽