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高野喜久雄の「海」


 私は高野喜久雄という詩人の名前を聞いたとき、何かひらめく
ものを感じた。この人の詩を探さなくてはという切迫感に襲われた。
 あとで「水のいのち」の作詞者だと知ってああ…と思った。
 あの合唱曲を私は高校時代とても好きだったのだ。高田三郎との
コンビで高野の詩はたくさんの合唱曲になっていたのだった。
「ひたすらな道」もなつかしい。大学生協で、ビートルズのCDの次に
買ったのが、この2曲の入ったCDだった。

高野は佐渡の生まれ、そして、宇都宮の学校を出て、灰色の空の
下の高田にやってきたという。それは全く知らないことだった。
越後高田のあの陰鬱な空とじめじめした空気を知っている詩人な
のだ。

 海            高野喜久雄

海の青 掬おうとしても
手は余りに小さくて
掬った水に青は無い
でも どこからと聞かれたら
海から来たと答えます
どこへ行くかと聞かれても
やはり海へと答えます

海の前では
こざかしい言葉など無用です
言いわけも 強がりも
わたしとか あなたとか
区切るみじめな境など無用です
小さな呼び名 夢の貧しさ
着こんだすべてが無用です

海の前では 
生まれたままの裸が似合う
問い過ぎたもの その問い方を詫び
揺れ止まぬもの そのまま
海へと返すだけ

海の前では
みな叱られている子供のようだ
みな叱られている子供のようだ
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by nokogirisou | 2005-11-30 06:36 | 本と図書館

リラクゼーションの極意

  昼休み、銭湯の話から、リラクゼーションの話になった。
Aさんは、東京駅で時間つぶしをしているときに、たまたま駅内に
「あしもみマッサージ」の看板をみつけて入ったそうだ。
「なんと男の人に足もみやってもらったのよ。。それがたまらなく上手
で気持ちよくて、その後2時間の新幹線の旅がとっても快適だった」
とか。
Bさんは「足もみって痛いのしかやったことがない。もうこれでもか
これでもかって器具をつかうの。悲鳴をあげっぱなしだった」
Aさん「足もみもいろいろあるけれど、英国式リフレクソロジーがいい
わよ。痛くなくて。」
Cさんは、いわゆるスーパー銭湯で「あかすり」をしてもらったという。
「下手なマッサージにいくより、ずっと血行がよくなってよかったわ。
もう全身とろっとろ。最後に何か玉をくれるので、何?ってきいたら
全部私の垢だって言われてショックだったけれどね。一皮むけたって
このことだと思った。」
私は開高健の短編小説『玉、砕ける』を思い出した。
Aさん
「マッサージといえば、究極の、よく効くところ知っているよ。そこは
本当のあんまさんがやっているの。ちっともきらびやかじゃなくて
色気もないんだけど。昔式の長い寝台が並んでいるだけのマッサー
ジ道場という感じ。本当に全身くまなく上手にほぐしてくれて、肩こり
にはもう断然よかった。」 

みなさん、話に熱が入ってくる。となりの島で、黙ってお弁当食べなが
らじっと耳をダンボにしている人々がいることを知っているのだろうか。
しかし、そんなに気持ちがよいのなら一度ためしてみたいものだと思った。

 
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by nokogirisou | 2005-11-29 05:34 | 日々のいろいろ

「ハリーポッターと炎のゴブレット」 を見る

 原作を読んだときは、登場人物が怒ってばかり…という印象を受けた。
みんな成長しているんだ。
 私はハリーポッターシリーズに関しては映画の方が好きだ。

 イギリスの雰囲気、おどろどろしい魔法界の様子、生き生きした登場人
物たち。不思議でわくわくする世界を具体的に子ども騙しでなくよく表現し
ていると思う。
 
 26日から公開の『ハリーポッターと炎のゴブレット』を見るために人混みの
映画館に行ってきた。
 
 夢と好奇心がキーワードか。 
 映画は、私はこういう映画に弱い。スリルたっぷり楽しんでしまった。
 ハーマイオニーのハリーへの恋心が痛かった。それに気付かないハリー。
 ハーマイオニーに素直になれないロン。
 3人の成長が印象に残った。
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by nokogirisou | 2005-11-28 06:23 | 映画

挑発するクレヨン

 ひさびさにショートショート
 rannさんの作品と同タイトルで…

  町の小学校の校区にあった「ばら屋」という文房具展が、閉店セール
を始めた。「ばら屋」はずっと、この町の子どもたちが学校帰りに立ち寄る
楽しみの場所であった。けれども、まずこの町から子どもたちの数がへり、
そして最近は文具を大型店やホームセンターでまとめて購入する家庭が
増えて、お客はぐっと減っていた。しかも店主の花村さんも、だいぶ高齢に
なってきたのに息子さんは東京に行っていて、お店を継ぐ予定はないそう
で、それで思い切って閉店することにしたらしい。

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by nokogirisou | 2005-11-27 02:24 | ショートショート

今年最後の観測会

 今日は昼間とてもいい天気であった。胎内の自然天文館では
月の観測や、太陽の観測、そして昼に見える星の観測をしている
はずだった。
 夕方になってもまだ晴れているので、やはり胎内に行くことにする。
今日が今年最後の夜の観測会だからだ。天文館の営業は11月末
まで。冬はここは雪に閉ざされてしまう。今年も雪解けがおわったの
は4月の下旬だったそうだ。4月までしばらく来られないと思う多少雲
があっても行きたくなる。
 新潟市内は雲がかかって星がほとんど見えなかったのだが、胎内
に着くと東の空を中心に、かなりの星が見えた。
 まず、一番目立つのが赤くて大きい火星だ。大接近の時よりも小さく
なっているとはいっても、あの色と大きさはほかの恒星とはまるで違う。
 そして、おうし座の星々が見える。プレアデス星団とヒアデス星団。2つの
星団を持つ豪華な星座。アルデバランは赤くて美しい星だ。先回来たとき
にはちょうど牡牛座の流星群の時期だったが、もうすでに終わっていて
今日はひとつも流星を見ることができなかった。
 12月に入るとオリオン座流星群が見られるそうなので楽しみにしている。
 やがて東の空にはオリオン座が昇ってきたのだが、ちょうど雲がかかって
見えなくなる。
 しばらく待っていると、雲が晴れてくれた。西の空には、夏の星座が残って
いる。はくちょう座がはっきり見えたし、こと座のベガ、わし座のアルタイルも
弱い輝きだが確認することができた。
 真上にはアンドロメダ銀河が見えるはずだったのだが、残念ながら雲で
見えなかった。
 いつも丁寧に星のことを教えてくれる、生涯教育課の鈴木さん、そして
ボランティアで来てくださる、天文マニアの方々に本当に感謝している。
 しばらく胎内で星を見られないのは残念だが、また来年4月を楽しみに。
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by nokogirisou | 2005-11-26 23:30 | 星空

「大人のロック」 ビートルズの1967年

 今、私がどんなにビートルズを躍起になっ聴いたとしても
たどりつけない「地平」がある。同時代に、当時の空気ととも
に聴いた人たちとは、やはり違う。
 雑誌「大人のロックービートルズ67の奇跡ー」を読みなが
ら、「サージェントペッパーズ」時代と重ねて聴く楽しみを味
わった。
 やっぱり、A面がすごい。「ルーシー」と「シーズリービング
ホーム」は名曲だなと思うがB面にいって「ラヴリー・リタ」と
「グッドモーニング・グッド・モーニング」を聴くとこっちも捨て
がたいなと思ってしまう。
 
「ストリベリー・フィールズ・フォーエバー」については何度か
書いたのだが、やはりシングルとしてのこの曲について、私
は何も知らないことに思い至った。私は「マジカルミステリー
ツアー」の中の「ストロベリー」しか知らないのだ。
 初めて聴いたときの不安定さと歌詞の難解さ(奥深さ)は
忘れられない。タイトルから想像したものとまったく違ったから。
でも、そのことを私は誰にも言えなかった。わからないまま
ずっと気になる曲であった。
ストロベリー・フィールズが孤児院の名前であること、キーの
異なるものを繋げた曲であること、人間存在の懐疑がテーマ
であること…みんな後から知ったことだ。
 イギリスのチャートでも久々に一位にならなかったシングル
だったという。ビートルズはこの曲だけを両A面にした。
ジョン曰く「自分が書いた中で本当にリアルな曲のひとつ。」
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by nokogirisou | 2005-11-25 06:21 | 音楽

徹夜

 23日は「芸展」を見に市の美術館に行った。たくさんの力作たち。
新潟ならではのモチーフが多く、楽しめた。マネキン群像を描いた
作品がとても印象に残っている。

 ひさしぶりに仕事がおわらず、徹夜した。blogも、ネット検索も
お休みして、ひたすら仕事。なんだか学生時代、ゼミの準備が終わ
らず、焦って文献を読みまくっていたころのようだった。ある時から
とてもハイになって眠くなくなった。
 しかし、昼間ふとした瞬間に睡魔が襲ってきそうになる。こういう時
にリポビタンA(Dでない)がよく効く。動いていれば大丈夫だった。
 なんとか無事に一日が終わって、ようやくblogを開く。とても懐かし
い。ほんのわずか丸1日、開かなかっただけなのに。
 徹夜の後は背骨が痛い。これは学生のときからそうだった。
しかし…もう若くないのだと思う。夜になってだんだんリポAが切れて
きたのがわかる。風呂掃除をしながら、倒れそうになる。
 でもまだこうして起きていられるのだから、なんとかなるものだ。
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by nokogirisou | 2005-11-24 22:07 | 日々のいろいろ

「その日の前に」重松清

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 想像していたような、涙はなかった。人の死をみつめた
短編連作集。たんたんと日常はすぎていき、淡々と人は
死んでいく。日常をみまもる重松の目はとても静かだ。
あまりどろどろしないところ、残された者が送らねばならな
い連続する日常の描き方などよかった。
けれども不満もある。和美の存在感が私にはとても軽く感
じられてしまうのである。

死の間際に、弱っていく自分の姿を見せたくないからと、子
どもを病院に寄せ付けない和美の気持ちは私とは違うと思った。
私はぎりぎりまで、愛する者に接してたい…と今は想像する。
たとえ醜くても、ありのままの自分を見てもらいたいと思う。
死に対して和美がどう考えていたのか、自分のそれまでの
人生についてどう考えていたのか、それは今いちわからない。

死の直前に夫にあてた手紙にはただひとこと
「忘れていいよ」
とあった。私にはこの感覚に違和感を懐いた。これならまだ
「エヴァンゲリオン」でシンジを残して未来を見ながら死んで
いったユイの心境の方が信じられると思った。
「忘れる」「忘れない」は残された者に任された自由であり選択だ。
「忘れていいよ」の背後には「私を忘れないでね」というメッセージ
が強烈に見えてしまう。
 
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by nokogirisou | 2005-11-22 10:40 | 本と図書館

ほぼ日手帳をながめる

 今になって、「ほぼ日手帳」をもう一冊買えばよかったと後悔
している。やっぱりもう一冊必要だ。来年はケチらずに購入しよう。

 11月21日 今年の今日のひとことは「誰のものでもないものが、
たくさんあることが、『豊かさ』なのではないだろうか」とある。
その例として空の青さも風の気持ちよさも、日だまりの温かさが
挙げられていて、その一言でだいぶ慰められた。
 仕事もあとひといき。今週が木曜がヤマ。なんとかのりきろうっと
いう気になる。
 11月21日 まだ見ぬ2006年の今日のひとことは
「このところ、ひさしぶりな人に会うことが続いた。みんなそれぞれ、
大きくなっていたり、おもしろくなっていたり、強くなっていたり、やわ
らかくなっていたりした。そういうの 知ると、ほんとうにうれしくなる。
自分に流れている時間と同じだけの時間が、ともだちにも流れてい
たんだということを改めて感じて、なんかいいなぁと思ったりする。」
 「今日のダーリン」より

 これもまたとってもしみじみ味わえる言葉だ。来年の今日この言葉
を噛みしめているだろうか。このごろ自分がどう変化しているのか…
とてもこわくなったりする。時間の経過にともなって「成熟」はしたいし
「味のある」人間にはなりたいけれど、変なプライドがついたり、「えら
そう」になったり「海千山千」になったりしたくないもんだなと思う。年を
取ってもしなやかに、みずみずしくありたいものだと思う。
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by nokogirisou | 2005-11-21 23:25 | 手帳

坂本龍一「o5」

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ピアノという楽器の響きを、素直に楽しめた。この楽器の
魅力を十二分に伝えてくれるアルバム。
そして「アレンジ」の新鮮さを楽しんだ。
懐かしい、聞き覚えのある曲が、あらたに生まれ変わって
ピアノの音にのっかっている。
「ゆるみ」系と言われるけれど、どんな風に変わっているかと
緊張して聴いてしまう。
タイトルと曲の関係をさぐるのは、それほど意味があること
とは思わないし、「言葉で表現できないから音楽で表現する
んだ」と言う教授は、冷笑するかもしれないが、改めてタイトル
がとてもすてきに思えてならなかった。
01.Tibetan Dance
02.A Flower is not a Flower
03.Amore
04.Energy Flow
05.Aqua
06.The Last Emperor
07.Happyend
08.Thousand Knives
09.Fountain
10.The Sheltering Sky
11.Lost Theme
12.Shining Boy & Little Randy
13.Reversing
14.Rainforest
 個人的な理由で心うごいてしまうのは、01と05と07と10である。
 思い入れを懐いてしまう。
 
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by nokogirisou | 2005-11-20 21:16 | 音楽