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豆煎坊にて「のだめ」を読む

 喫茶店でゆっくりコーヒーを飲むという時間がなかなかとれなくなった。
土曜日にひさしぶりにコーヒーを飲みに行った。我が家の近くにとても
おいしい珈琲店がある。以前はここでよく人と待ち合わせをし、コーヒーを
飲みながら長い会話を楽しんだものだ。最近は豆を買ってそそくさと帰る
だけだった。
 マンデリンが飲みたいといったら、3種類のマンデンデリンの豆の香りを
かがせてくれて、マンピーの中煎りの豆を選んだ。
 待っている間、書棚に『のだめ』があったので、20巻21巻を一気に読んで
しまう。20巻はのだめがベートーベンの発見をするところで、譜読みの楽しさ
を知る。私はこの巻が好きである。
 21巻もまたのだめたちの音楽修行のことが書いてあり、惹き付けられる。
ルイと千秋の共演場面は印象的だった。ラヴェルのコンチェルトを聴いて
みたいものだと思った。
 コーヒーは、あまく、深く、しっとりと本当に美味で、ひさしぶりに豊かな
時間をすごしたような気分になった。
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by nokogirisou | 2008-09-28 06:10 | 本と図書館

フィレンツェの思い出1

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 フィレンツェは京都に似ている。古い石畳の歴史の街だからか。
川があって山に囲まれているからか。
 フィレンツェと言えば、オリーブ畑、アルノ川、メディチ家…
建物の屋根はみな赤茶色で、ルネッサンス時代のままのような
雰囲気だ。フィレンツェ大学がとてもいい雰囲気で建っていた。
今はちょうど夏休み中で学生の姿は少なかったが、こんな大学で
学んでみたいものだと思う。学費は無料とか。学びたい人が学ぶ。
社会人になってからふたたび学びに戻ってくる学生も多いという。
 一日目は天気があやしかった。曇っていて、夕方からは雨にやら
れた。今回の旅で最初で最後の雨だったが、雨が降り出したとたんに
どこからともなく、傘売りが登場するのが不思議だった。傘売りは
色とりどりの折りたたみ傘を売っているのだが、値段がちょくちょく
代わるのだ。どしゃ降りのときは、8ユーロ。小雨になってくると2ユーロ。
需要と供給で値段が変化する。それにしてもいったいどこから彼らは
やってくるのだろう。
 私たちのホテルが駅のすぐそばだったので、大変便利だった。
駅の周りはちょうど工事中だった。まずはチェントロまで歩いて、洗礼堂、
ドゥオーモとジョットの鐘楼を見学した。フィレンツェ在住の日本人ガイド
さんが説明してくれる。彼女はすっかりイタリア人風の顔つきになっている。
洗礼堂の扉がレリーフでキリストの生涯の物語になっていて、ミケランジェロ
が「天国の門」と称賛したのも納得だった。
 ドゥオーモに入って、そのステンドグラスの美しさには釘付けだった。一言
でステンドグラスと言ってもいろいろだ。光を通したときの色がすばらしい。
花の聖母寺と言われるわけがようやくわかる。
 それからシショリーア広場へ移動し彫刻を眺める。ミケランジェロのダビデ
はコピーだそうで、本物はアカデミア博物館にあるという。しかしダビデの
横顔は美しく、見とれる。それからヴェッキオ宮を眺めながらウフィッツィ美術館
をめざす。ここにはおもしろい大道芸人がいた。あまりにじっとしているので初め
は本物のマリア像かと思った。しかしじっと見ているとなんと瞬きするではないか!
みんなおもしろがって手前の箱にお金をいれる。すると、マリア像は急に動き出し、
握手したり一緒に写真をとってくれたりするのだ。
 美術館に入るときには厳重なセキュリティチェックがなされる。ペットボトルは
持ち込み禁止。大きな荷物は預けなければならない。ここで長い行列ができる。
さて、ウフィッツィというのはオフィスの意味で、もともとは行政機関として作られ
た建物だそうだ。フランチェスコ1世が上階の柱廊をギャラリーとして、メディチ家
所蔵の美術品を展示したのが始まりである。
 なんといっても圧巻はボッティチェッリの「春」「ヴィーナスの誕生」だろう。予想
していたものより大きく、色は薄めだった。それからミケランジェロの「聖家族」や
テツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」など美術の教科書でおなじみの作品
を楽しんだ。私がおもしろかったのはブ男、不美人を描いた「ウルビーノ公夫妻
の肖像」だった。宗教画から抜け出したリアルな感じがとてもおもしろかった。
 のどがかわいてバールに走った。飲み物持ち込みが禁止なので、ここで飲む
しかない。500ミリのアクアミネラーレガッサータを飲み干す。外のカフェテラス
からの眺めはなかなかよかったが、雨が降ってきた。
  
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by nokogirisou | 2008-09-24 22:48 | イタリア旅行

イタリアのカラス

 
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 イタリア旅行の最中に気になったのは、どこにもカラスがいないことだった。
ヴェネツィアにはたくさんのハトとカモメがいた。
 ピサで目立ったのはスズメだった。フィレンツェには広場という広場にたくさん
のハトがいて、エサを求めていた。ローマでもハトが観光客の食べおとしたジェラート
のコーンを拾って食べていた。私にはイタリアのハトがカラスに見えた。
 しかしどこにも黒いカラスはいない。するとある人が
「イタリアのカラスは白いんだよ」と教えてくれた。カモメとカラスは同じ科に
属すらしい。白いカラスとはつまりカモメの仲間ということか。
 とにかくイタリアでは、ゴミ箱を荒らすカラスがいないのだ。ローマではあちこち
に大きなゴミステーションがあり、いつもいっぱいで悪臭をはなっているのだが
そこから生ゴミを引っ張り出す黒いカラスがいない。
 そういえばフィレンツェでは、カラスは見なかったが、あちこちで馬を見た。馬車が走
っていたのだ。道ばたに馬糞がおちていることがあり、こっけいだった。渇くと繊維だら
けの糞が、縄のようにちらばっている。ちょっと振り返ったら馬の鼻先にぶつかるという
こともあった。馬糞の匂いがあまり気にならないのは乾燥しているからだろうか。 
 
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by nokogirisou | 2008-09-23 21:29 | イタリア旅行

ヴェネツィアの思い出

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 須賀敦子の『ヴェネツィアの宿』を読んでいたら、無性にヴェネツィアが
恋しくなった。イタリアに到着して、最初に訪れたのがヴェネツィアだった。
船で運河を渡るのだが、船着き場には、旅人のはき出したガムが、木の杭
にいっぱい貼り付けられていて、不思議だった。いろとりどりのガムが模様
の様に並んでいる。
 サン・マルコ広場まで歩く間に添乗員のOさんは何人ものイタリア人に
話しかけられていた。なつかしそうにイタリア式に抱き合う人もいる。おお!
それにしてもなんと旅人の多いことか。サン・マルコ広場は人であふれてい
た。こういう広場というのは日本にないように思う。スクエアの周りには商店が
ならび、番号がつけられている。ライオンがヴェネチアのシンボルだそうで、
いたるところに登場する。
 ここで日本語ぺらぺらのガイドさん、マリオさんが登場する。サン・マルコ寺院
トドゥカーレ宮殿、嘆きの橋、ムラーノ島のヴェネチアングラスの工房などを
案内してくれる。ドゥカーレ宮殿は、政治の中心であり、総督の住居だったので
見どころたくさんだった。14世紀のゴシック様式。テツィアーノの壁画がありその
赤色が印象的だった。『ベニスの商人』の人肉裁判を思い出すような当時の
裁判所、大きな星座時計、牢獄跡など興味深く見学する。「嘆きの橋」と名付けた
のはイギリスのバイロンだそうだが、ヴェネツィアの街を見納めて牢獄に入って
いく罪人の気持ちを想像しながら渡る。
 それから、ゴンドラに乗ってゆらゆら。ゴンドリエーレがとても陽気で、おしゃべり
好きで、楽しげだった。運河にはときどきアイスクリームのコーンなどが浮いて
いるのだが、カモメがやってきてそれをくわえておいしそうに食べている。運河は
建物と建物の間に走っていて、ちょっと曲がると、建物の色や形が異なり、町並み
が変化するように、運河の雰囲気が変化する。
 自由時間には、鐘楼に昇って街を一望した。古い東京タワーのような感じ。荷物を
預け、30分ほど並んでようやく上に上がれた。エレベーターがあるのが不思議なくらい
の古くて背の高い鐘楼である。上から見るとますますイタリアらしいの街だなあと思う。
 それから、サンマルコ広場の商店街を歩き、1720年創業のカフェ・フローリアンを
見学。ヨーロッパの芸術家たちが集った最も古い喫茶店だという。ちょうどピアノの
生演奏をしていた。お値段が高くて、私たちは席に座るのを諦めてしまったのだが…。
 それから、公衆トイレへ。初めて入ってみた。入り口には女性がいて、しっかり50セント
の入場料(チップ?)をとる。そして代わりにお手ふきのようなものを手渡してくれる。
管理人のような若い男性がしきりに掃除をしていた。とにかくガムを見つけるとささっと
走っていって、ガム取りですくいとる。たくさんの観光客がつれを待っている。トイレで
ないような光景だった。
 それからジェラートの挑戦。みんなが食べているのでついついほしくなるのだが、けっこう
なお値段の割に味は今ひとつ。とにかく甘いのだ。互いに違う味を食べ合ったが、リモーネ
のシャーベットが一番美味だったか。あまくて結局、アクアを購入することに。とにかく水が
ほしい。水が必需品なのだ。
 その後は、細い路地を歩き回る。あちこちに仮面がたくさんある。どうもカーニバルのとき
にかぶるお面のようだ。お土産用の小さな仮面もたくさん並んでいたが、あんなに顔ばかり
並んでいると圧巻である。手作りステーショナリーや陶器工芸のお店など興味深いが、
さすがにみなお値段は高い。
 なんとかリヤルト橋までたどりついたが、そこにはジプシーや物乞いがいた。運河の風
にあたりながら、物乞いについて考える。たいていの人は彼らを無視するが、物乞いたち
は懲りずに、何度も何度もお金を求めてくる。今の日本ではあまり見られない光景だ。
お互いに慣れっこになっている文化のようだ。
 歩いているうちに私の靴底が剥がれるというハプニング。ぺらぺらして歩きにくい。スーパー
をみつけてボンドがないか探すがみつからない。代わりにおいしそうなブドウやお菓子を買
ってしまう。ここは水が安い!さっき購入したペットボトルの水の4分の1の値段である。
ボンドのことを忘れて、あわてて水を買い込んでしまう。
 相変わらず、ぺこぺこする靴に困り果てながら歩いていると、なんとホームセンターらしき
店を発見。しかし店の人に英語でボンドをくださいと言っても通じない。手振り身振りでようやく
わかってもらって、工具売り場に案内してもらった。あった!靴用のボンドがちゃんとある。
おかげでようやく、普通に歩けるようになった。
 ヴェネツィアは、もっともっと歩き回りたい街だったが、時間切れ。船の時間である。
また来たいという思いを抱いて船に乗り込んだ。運河から美しい建物の数々に別れを告げる。  
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by nokogirisou | 2008-09-15 06:37 | イタリア旅行

旅の忘れ物

 今回のイタリアの旅で味わえなかったものがいくつかある。
ひとつは音楽。せっかくイタリアにいくのだがら、オペラやを
聞きたかった。オプションでカンツォーネを聴くチャンスがあった
のだが、同行者の発熱でかなわなかったのだ。
 ただ、ヴェネチアのカフェフローリアンでは、生のバンドやピアノ
演奏をやっていて、通りが掛かりに聞くことができたし、ヴァチカン市国
博物館に入場するために長い行列でまっていたとき、すてきな
バンドネオンの演奏を聞くことができた。彼は長い待ち時間で退屈
している人たちに音楽を聴かせているのだった。ぼうしをおいていて、
数人の人が50セント硬貨を投げ入れていた。
 日本に戻ってきて須賀敦子の『ヴェネツィアの宿』を読んだとき、
フェリーチェ劇場に行かなかったことを後悔した。  
 もうひとつ、行きたかったのにいけなかったところがある。それは
図書館だ。フィレンツェでは図書館の前まで行ったが、ちょうどフェルゴスタ
のお休みで入館できなかった。博物館的な図書館でなく、市民が親しむ
図書館をぜひ見てきたかったのだが…、残念。その代わり書店には何件
が入ってみた。雰囲気としては日本の書店に似ている気がした。
 小さな町の本屋さん風のお店と、郊外型の大きな書店と。
地下鉄の中で、本を読んでいるイタリア人はみかけなかったような木がする。
本を手に持っていたのはほとんどが旅人で、手にしていたのはガイドブックだ。
イタリア人の読書事情についてもっと知りたかったように思う。
 


 
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by nokogirisou | 2008-09-10 00:37 | イタリア旅行