<   2011年 09月 ( 12 )   > この月の画像一覧

アニマシオンで広がる世界

 「読書へのアニマシオン」の勉強を続けて10年以上になる。
3年ほど前から新潟で一緒にアニマシオンを勉強したり、実践する仲
間ができ、今年4月から「新潟アニマシオン研究会」を立ち上げて、
継続的に学んでいる。

 アニマシオンとはスペイン語で「活性化」の意味だ。「読書へのア
ニマシオン」は、「本を使って楽しく遊ぶ」というコンセプトで個の
読書や考える力を重視しながら、集団でのコミュニケーションの形を
とる教育メソッドだ。読み聞かせやブックトークが子どもたちの読書
に対する意欲を引き出す方法だとすると、アニマシオンは子どもたち
の「読む力をそのものを引き出していく」方法だ。はじめは読み聞か
せで、しだいに「予読」とう形で、あらかじめ子どもたちに本を読ん
でくるように言って集まり、「作戦」という体系的な手法をとって、
物語の流れや登場人物、台詞、表現その他に注目しながら読む力をつ
けていく。
 一回のアニマシオンでは一つの作戦しか行わず、繰り返し様々な本
で様々な作戦を体験していくことで、読書力が養成されていくと考え
られている。
 
 9月28日に新潟で、NPO日本アニマシオン協会の理事長の黒木秀子
さんをお呼びしてのアニマシオンの勉強会があった。私は、仕事のた
め昼間の部は参加できなかったが、夜の部に参加した。夜の部には、
新潟大学の足立幸子先生も参加してくださり、アニマシオンの教育効
果測定をどのようにやったらよいか…などの話題でもりあがっった。

 アニマシオンを続けていく上で大事なことは、結局は自分自身の
読解力をつけていくことだと黒木さんは言われていた。日本の国語の
授業でやっているような、短いテキストの詳細な読解にとどまらず、
まるごと一冊読んで、内容を理解し、自分なりの批評ができる力を
アニマシオンを行う大人が高めていく必要がある。また、アニマシオ
ンや読書指導で「記憶力」を持ち出すことは、現場では意外と嫌われ
るが、読書する上で、はやり記憶力は重要な要素だというお話にも納
得がいった。長いものを読むときはもちろん、たかがセンター試験の
小説や評論を読む際にも、記憶力は必要なのである。

 また、作戦につかう本を探す選書の力をつけるには、まずは定評の
ある子どもの読み物を片っ端から読んでいくことが必要だと言われて
いた。そうやって作品を見極める目をやしなっていくのだ。
 黒木さんの鮮やかでおもしろいアニマシオンの背景には、相当な読
書量と、論理的裏付けと、各界とのコミュニケーションがあるのだと
いうことがわかる。

 黒木さんと足立先生という偉大な存在を囲んでの夜のひとときは
本当に熱く、充実していた。
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-30 22:47 | 本と図書館

スランプ

 テニスは、振り替えレッスンが続いている。
F野コーチは、本当にセオリー通りで、口で言った
通りのプレーをするし、コーチの言ったとおりに
体を動かすと、そのとおりにボールが飛ぶ。
 しかし…、肝心の私はスランプで、なかなか思う
ように動けない。振り抜けない。とほほ。
 しかし、F野コーチの勧める作戦はだんだんわか
ってきたし、試合の中でも生かしたいと思う。
私がテニスが下手なのは、結局理論が弱いからだと
思う。戦略的なプレーができない。感覚的に打って
いるからだめなのだ。
 球出しも試合形式も今いちで、自分自分に腹が
たってしかたなかったが…最後の練習試合では、
ちょっと動けて、三ゲーム連続で勝てた。ほんの
ちょっとした波にのれるかどうかが大きい。私の
場合は「慌てること」「調子にのること」が最大
の失敗の原因だ。
 気がつくと、ラケットもガットもぼろぼろだった。
そろそろなんとかしなければならないのだが、先
立つものが…。
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-27 23:10 | テニス

小学校でアニマシオン

a0023152_2124051.jpg

 今日は職場の振り替え日だったので、ボランティア
「きいちごの会」のみなさんのアニマシオンを見学行った。
 新潟市の歴史あるM小学校三年生を対象に図書館で詩の
アニマシオンを行う。今日は彼らにとっては初めてのアニ
マシオンなので予読なしで行う作戦を考えた。つかった本
は『版画のはらうた』(工藤直子 保手浜孝)。
 作戦46「あなたは、私と一緒に」
 
 M小学校の三年生はとても仲良しで、人なつこく、いい感じ
だった。詩が好きなようで、最近学習した詩を教えてくれる。
さらには阪田寛夫の「紙ヒコーキ」という詩を暗誦してくれた。
小学生の素直さに圧倒される。

 さあ、いよいよ作戦へ。
 ひとりひとりにカードを配布する。カードには詩の一行
しか書いていないものと、一行抜けた詩を書いたものがある。
子どもたちは、「なんだ?」とふしぎがっていた。
 ひとりひとりが自分のカードをよみあげる。
 それから、詩を持っている子と抜き出した一行が書かれた
カードを持った子が二列になって、ぴったり合う相手を探す。
ここはとてももりあがっていた。迷う組み合わせがあったようだ。
 2人組、あるいは3人組ができたところで、みんなの前で
完成した詩を披露する。そのあとで、できあがった詩が
正しかったかどうか、ひとりひとり本で確認した。この作業
が楽しそうだった。
 確認の後は、それぞれがページをめくってみんなと一緒に
読みたい詩をあげて、音読した。飽きずにいくつもいくつも
気に入った詩を読み合っていた。

 子どもたちが帰ったあとで反省会。
 今日は子どもたちの反応がよく、詩に興味を示していた。
言語感覚が豊かで、仲間どうし活発にコミュニケーションを
とりあっていたところがとってもすてきだった。だれもが
こんな時代があるのだろうか…。
子どもたちはこんな生き生きと詩を読むのか。
  
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-26 21:15 | 本と図書館

『神去なあなあ日常』三浦しをん 著 徳間書店


a0023152_822011.jpg

 ずっと気になっていた本だ。まずタイトルから不思議だった。
「なあなあ」ってなんだ?
しかし読み始めると止まらない。神去村の森がまぶたに浮かんで
くる。奈良県と三重県の境に本当にこんな村があるような気がする。
「なあなあ」とおっとりした言葉で話す村人たちが本当にそこに
いるような気がする。山の神様の仕業が本当に起こって不思議ない
ように思われる。

 高校を卒業して、進学も就職も決まっていなかったぐうたら少年
勇気が森林組合で林業をやることになった。林業?もっともわから
ない世界だ。ここでは携帯電話も圏外だ。若者の遊び場なんて全く
ない土地だ。突然飛び込んでいった若い勇気がなんでも「なあなあ」
の、神去村であたたかく受け入れられ、林業の本質を学んでいく。
 勇気が世話になっている中村林業の若社長、清一さんの一家も
勇気が暮らしている、ヨキと嫁のみきと、繁ばあちゃんもみな
魅力的だ。そしてなぜか神去村に美人が多い。さらに神去村の自然
の偉大さといったらない。文字で読んでいて圧倒される。
 勇気の目を通して、神去村がどんな村で、住人がどんな人で、森
林にどんな力がこもっているか描かれる。しだいに勇気の視点は
中村林業の若社長の奥さん祐子さんの妹、直紀に注がれていく。
恋をしたのだ。直紀は、変わった娘で勇気の誘いになど落ちない。

 それにしても、こんな村ってまだ日本に残っているのだろうか。
ユートピアのような、しかし現実とつながっているような神去村。
勇気っていいやつだったんだなと思って本をとじる。

 
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-25 08:22 | 本と図書館

9月の音楽会

 ここのところ、関わっている会の会報作りでドタバタ
していて、なかなか書けなかったので、まとめて書く。

9月11日(日)りゅーとぴあコンサートホール
新潟市ジュニアオーケストラ教室第30回演奏会
新潟市ジュニアオーケストラ教室は、1980年に発足したそうだ。
現在130人もの団員がいる。私はそこの生徒さんにさそわれて
今回はじめて、演奏会を聞きに行った。
 開場30分前に行ったら、長蛇の列。ジュニアといえども
あなどれない。ロビーコンサートがあるので、お客はホワイエ
をうろうろしている。
 金管ファンファーレに続いて、コントラバスの「ふるさと」
のアンサンブル、木管五重奏でおなじみの「ジ エンターテイ
ナー」、弦楽アンサンブルで楽しくはじく、「プリンク プラ
ンク プランク」の演奏を楽しんだ。近いところで演奏して
くれるので、これはこれでおもしろかった。
 コンサートの方は、年長者のB合奏によるチャイコフスキー
の交響曲第五番ホ短調作品64がすばらしかった。それまでの
A合奏、AB合奏とは趣が異なり、本格的なオケの音色がした。
二楽章と三楽章の間で、チューニングを行い、丁寧に丁寧に
演奏しようという姿勢を感じた。チャイコフスキー独特のうね
りの感じをよく表現していた。それぞれの楽器パートがんばり
ましたね…というかんじ。ティンパニの男の子がなかなかよか
った。
 
9月17日(土)新潟市音楽文化会館ホール
 新潟ドルチェマンドリン・アンサンブル第37回定期演奏会

 同僚が出演するので、聴き行った。さまざまな大きさの
マンドリンとギターとコントラバス、そこにエキストラの
クラリネットとフルートとパーカッションの加わったオケの
ような楽団のアンサンブルである。
 第一部は前半、「アメイジンググレイス」や「愛の讃歌」など
ポピューラーな音楽をマンドリン用にアレンジした曲の演奏だった
が、後半20分のマンドリンオリジナルの大曲がすばらしかった。
Hiro fujikakeの「セレナーデ第二番」。この曲の指揮を前述の
同僚がやったのだが、これがかっこよかった。
マンドリンのばらばらになりそうな音をうまくつむいでまとめて
いる印象をうけた。
 第2部はテレビ番組のテーマ曲や挿入曲をマンドリン用に
アレンジしたものを集めた楽しい舞台だった。
 その後半は、ふたたびマンドリンオリジナル曲。
「受難のミサ~日本26聖殉教ミサによる~(鈴木静一作曲)  
これは、テーマを反映したなかなか重い曲であったが、美しい
曲で聴き応えがあった。この指揮も同僚がやったが、渾身の
指揮であったと思う。
 このあとのアンコール曲が、「坂の上の雲」「仁」といずれ
もテレビドラマの主題歌だったので救われた。

 マンドリンはイタリア発祥の楽器だ。しかし、とっても日本
ぽいと感じてしまった。まるで大正琴の音色のようだ。見かけは
琵琶のようだ。音色には独特のゆらぎがある。きっとピックで弦
をひっかくために生まれるゆらぎなのだろう。
 
 それにしても楽団に入って音楽を演奏する醍醐味を味わって
いるドルチェマンドリンアンサンブルのみなさんの表情を見てい
るとちょっとうらやましくなった。
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-23 00:13 | 音楽

レッスン

 今月はまじめに通っている。それでもやはり上達しない。
とにかく試合がだめだ。練習でできるようになったことを
タイミングよく試合の中で利用できない。
 前前回はドロップショット、前回は速いストレート、今
回はスライス。やろうと思って大失敗したり、ねらいすぎ
て失敗したり。人のいるところに配球してバシっとたたかれ
たり。これは運動神経が悪いのか、頭が悪いのか。若いコー
チはコート内を走り回って私をカバーしてくれる。本当に情
けない。
 それでもテニスは楽しい。これだけ汗をかくのもテニスの
ときだけだ。まだまだ走れることはうれしい。
 あーもっとテニスうまくなりたい。ぜいたくな願いだろう
か…。
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-13 22:48 | テニス

『ガンディー魂の言葉』浅井幹夫監修

 友から、紹介された本。『ガンディー 魂の言葉』から
電話でいくつかを読んでくれた。どうも彼女は疲れて
いるらしかった.職場の人間関係に傷ついているのか。
何かを求めて本屋に走り、2冊の本を手にしたという。
もう一冊は池澤夏樹の『春を恨んだりはしない - 震災
をめぐって考えたこと』だという。そういえばだいぶ
昔、彼女から『スティル・ライフ』をプレゼンされた
ことがあった。あれはどうい流れだったろうか。ずい
分前のことだ。
 彼女の読書歴にかなり影響を受けていることを自覚
する。
 どちらも読んでみようかと思った。
 明日からまた仕事だ。
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-12 03:58 | 本と図書館

「うさぎドロップ」 観る

 松山ケンイチファンとしては、やはり劇場へと急ぐ。
ところが、夜のシネコン。人が少ない。お客は私を含めて
5名。5人のために上映してくれるのか。なんだかちょっと
さびしい。売店もひとつしかやっていない。
 けれども映画はおもしろかった。
 働く親への応援歌的なところもあり、「世界は愛であふれている」
というキャッチフレーズもちょっと甘いかなとも思ったが、
しかし、なかなかリアルに子育ての現状を描いている。子育て
しにく厳しい社会も描いている。そして観る者を引き込むスト
ーリーと役者たちの演技力がある。松山ケンイチと芦田愛菜の
演技は魅力的だった。
 子育ての現場には問題山積み、満載でとてもこの映画ひとつ
に収めきれない。しかもコミック原作の映画化だ。その中で
子どもを愛する、子どもとつながるという核心部をこうやって
表現するとはすごい。

 りんという、自分の祖父の隠し子をひきとり、しだいに本気
で関わり、周囲も巻き込みながら育てていく大吉。大吉の愛に
あふれるまなざしとしぐさにぐっときてしまう。
「親になるということは強くなることだと思っていたが
実際子どもを育ててみると、臆病になる」というようなことを
大吉が行っていたが、これは本当だと思う。たしかに図太くは
なる。けれどもひどく臆病にもなる。

 子どもが小さい時代はあっという間に終わる。
 どたばたじたばたの時間は過ぎてみれば短い。
 子どもの行動や言葉はすごい。そんなことを考えて
いたのかと驚いたり、怒ってしまったことを反省したり。
 
 やっぱり映画はいいですね。
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-11 09:21 | 映画

blogを書き続けること

 細々と書き続けてきたが、気がつくともうだいぶ年月が経過
していた。今、私は金魚とタナゴを水槽で飼っているけれども
かつて飼っていたグッピーもクワガタもいなくなってしまった。
 いろいろな事情や流れから、山崎まさよしはすっかり聴かなく
なってしまった。親しくしていたブロガーの何人かの方がblogを
閉めてしまわれた。これはとてもさびしいことだった。どうか
世界のどこかで元気ですごされていることを祈るばかり。
 この7年、続けてきたのはテニスと図書館との関わりとクラシ
ック音楽を聴くことと村上春樹を読むことだった。断続的にある
時期やるのは啄木の歌を読むこと。マイナーだな。
好きなこと、無理しないことしか続かない。イベントがあっても
演奏会があっても、本当に心の底から気になるもの、求めるもの
しか行かなくなった。そんなものか。
 それにしても時間の流れは速くて速くておどろくばかりだ。
2001年が10年前だということが驚きだ。あの9月11日の同時
多発テロがついこの間のことのように思うのに。
変わるものと変わらないなもの。これからどうしていくべきか。

 
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-11 08:29 | 日々のいろいろ

『星間商事株式会社社史編纂室』三浦しをん著筑摩書房

 
a0023152_991642.jpg

 司書のKさんがfacebookで紹介していたので、手に取った。
これまた一気に読んだ。小説を一気読みは久しぶりだ。三浦
しをんという作家の筆力もまたなかなかだ。読ませる。
 この本は読みながら、思わず声を出して笑ってしまう。人前
では読めない。
 私は、中島梓の闘病記を読んでいるときに初めて「やおい」
という言葉を知った。それまで知らなかった物知らずである。
中島梓が「もっとやおい書きたい」と書いていたので、思わず
調べて、おどいた言葉である。「腐女子」という言葉もその時
知った。その学習がとても生きる読書となった。
 主人公川田幸代は腐女子である。これがなかなかかっこいい。
彼女はオタクなのだ。オタクの生態に俄然興味がわいた。オタク
の世界と社史編纂室が関係が絶妙である。そして幸代と恋人の
洋平との関係もなかなかいい。
 はじめは、まったり、ゆるゆる、情けない職場である星間商事
株式会社社史編纂室が、なんと裏社史を書くために一致団結し、
緊張感あふれて楽しい職場になっていくのである。(しかしこんな
ふうに書いてしまっては身も蓋もないか。)
 この小説のおもしろさは、星間商事の過去の秘密が明らかになっ
ていくことでもあるが、それ以上に登場人物ひとりひとりがとても
リアルに存在を持って書かれているところが魅力だ。まるで彼らが
実在して本当に動いているかのように思われる書き方だ。また幸代の
心のうちもなんだけ手にとるようにわかる。そして登場人物みなが、
この小説の中で、ある種の変化を遂げていくのである。
 読後感は爽快。読書は楽しい。
[PR]
by nokogirisou | 2011-09-10 09:09 | 本と図書館