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学校図書館教育研究会第13回研究会2

 学校図書館教育研究会午後の発表。様々な校種から
4校4人の実践の発表があった。教員と司書あるいは司書教諭
との協働の実践である。
これらの実践発表の四つのキーワードは
①情報の整理分析
②情報を集める力
③情報評価と発信
④情報を扱う心
であったが、私が一番興味をいだいたのは④だった。どうしたら生徒は、
知りたいと思うのか、関心を持ち続けられるか、主体的に調べたり考え
たりするのかを私は知りたい。そして、私たち自身が情報とどういう姿勢
で関わって行くべきかもきちんと考えたい。いまはまだ曖昧で大量の情報
に抵抗しつつも、流されている感じだ。


① 庭井史絵さん
慶応普通部の「調べて集めて、それからどうするの?」
 (社会『地理』と学校図書館の協働)
② 菊池ひとみさん
 浦安市立日の出小学校の「情報を集める力をつける」
 (~生き物のひみつを調べる~)
③真田章子さん 
  かえつ有明中・高等学校の「Google世代の情報活用」
 ~教科サイエンスが提供する情報評価と情報発信~
⓸田邉ひろみさん
 国分寺市立第三中学校の「Google世代の豊かな心を
 はぐくむ」~中学生による読み聞かせ幼稚園実習~

 それぞれの発表を聞きながら、授業の目的を聞き逃さ
ないようにした。そして、司書あるいは司書教諭の方が
どの手順を一番重視したか、に注目した。
 私自身は調べたことをどうまとめるか、どうストーリー
をつくって、成果物に仕上げるかというところを重視した
いし、そこが一番気になった。
しかし、その過程が一番可視化しにくく、難しいところだ。

 「調べる」ことや「作業する」ことが思考につながるように
したい。そのために、みなさんワークシートやカードなどを
工夫しているのがよくわかった。

 
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by nokogirisou | 2013-11-24 20:32 | 本と図書館

学校図書館教育研究会

 11月24日、青山学院大学で行われた第13回研究会に参加した。10月28日の図書館総合展フォーラムに参加できなかったので、その内容を深める今回の研究会は外せなかった。テーマは「Google世代の新しい教育と図書館資源の活用〜教員と学校図書館員が一緒に作る授業とは!?」である。
Google世代が誕生して、教育現場が変わったのは事実で、私たちも変わることが求められているが、なかなか追いつけていない。
 午前の野末俊比古青山学院大学准教授の講演は、私にはエキサイティングだった。私が学校図書館の勉強を開始したのが1998年。2000年代図書館界のトピックの振り返りは私が追いかけていた概念の振り返り
でもあり、ずっと「ついていけないよう」と嘆いていたキーワードばかりが並んだ。アーカイブ、オープンアクセス、リポジトリの流れ、デジタルコンテンツに、ラーニングコモンズ、電子教科書等。ICTはツールだと言いながら、まだ私たちはそのツールを使いこなしていない。電子黒板の利用はまだまだ試行錯誤中。
野末先生は、これまでの図書館界でたりないのは、
①利用者の視点
②教育、学習との関わり
③資源としての視点
④館種をこえて「図書館とは何か」という議論だと言われていた。
その上で、情報リテラシー(観)について改めて考える必要を語られた。
①マルチメディアから、トランスメディアへ
②情報源から情報評価へ
③理念から戦略へ
④目的から方法へ
⑤ツールからプロセスへ
⑥教える、から教えないへ

 特に刺激的だったのは、⑥で、専門職の問題に関わり、学校司書(図書館、図書館員)がどこまで関わり、教えるのか、どこまでやるのか、しないこと、できないことを明らかにずべきだという問題を投げかけたことだ。
 さて、「Google世代」とは象徴的なことばだ。とにかくわからないことは、すぐに検索する人たちが増えている。すぐわかるので、じっくり取り組む姿勢は減っているという。また、Google世代とくくったところで、地域や環境、時間軸で差異があることを忘れてはならない。これからの情報教育はスキルを教えるだけでなく。関心意欲態度に影響を与えていく必要があるというのはその通りだと思う。

それから、ウィキペディアは引用してはだめ、ネット上の情報は信ぴょう性がないなどと決めつけず、個々に、確かめ、あたっていく姿勢を強調されていた点が印象深い。これまでの固定概念を捨て、情報に対して、個々にあたって個々に評価していくというスタンスが必要だということがよくわかった。

「そもそも図書館とは何か」という問題、「自分は今の立場で何ができるのか」という問題、当座の宿題にしたい。
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by nokogirisou | 2013-11-24 19:00 | 本と図書館

『恋しくて』村上春樹編訳

  ときどき海外の小説を読みたくなる。
しかし気づくと手に取っているもののだいたいが、欧米の
小説だったりする。
 これは、村上春樹の編訳したラブストーリーのアンソロ
ジーだ。
 最後には村上自身の作による短編も入っている。
手頃な長さの、さまざまな恋愛模様を集めているところが
心憎い。しかも一話ごとに村上の評価による甘味度と苦味
度が星で示されている。おもしろい趣向だ。
 そして、どのストーリーも、甲乙つけがたい魅力的な
作品だった。恋愛そのものもさることながら、ここに描かれる
現代のアメリカの風物、そして各州による微妙な雰囲気の違
いが興味深かった。決して美男美女たちの恋愛ではない。
 恋愛の形は、物語の数だけあるのだとあらためて思う。
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by nokogirisou | 2013-11-17 01:16 | 本と図書館

『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』

  三浦しをんの小説にひかれてしまう。
しかし、今頃直木賞受賞作など読んでいる。文春文庫で2連発。
いつも思うが男の友情(?)の描き方が絶妙にうまい。
今回の主人公多田啓介も行天春彦も重い過去引ききずり、陰がある。
二人で一人前のような、あやうい存在感。互いに迷惑そうで、素直でなく
互いに好きあっているわけではないのだが、無意識のうちに助け合い、
なんだかひかれあっている不思議さ。
 そしてこの二人の便利屋をとりまく、まほろ市の人々の多彩さ。
まほろはおそらく町田市がモデルなのだろうが、この街の描き方にも
愛を感じる。なまなましいい街でリアリティがある。主人公は本当はこの
まほろ市なのかもしれない。

 それでいて、登場人物の語る言葉には、はっとさせられることがある。
真実をさらりと語らせる三浦しをんがにくいね。
 
 
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by nokogirisou | 2013-11-17 01:03 | 本と図書館

映画『しあわせのパン』

  ずっと見たかった『しあわせのパン』を観た。観て良かったという思いになる映画で
エンディングの矢野顕子と忌野清志郎の歌声がいつまでも終わらないでほしいと願ってしまう。
二人の歌う「ひとつだけ」がとても深い。
  舞台は洞爺湖に近い、月浦。北海道の魅力が美しく、あたたかく描かれる。20代の
頃に北海道を旅したことを思い出してしまう。
  やや陰のあるりえさんと、その彼女を見守りつづける水縞くん。
原田知世の品のいい横顔と大泉洋のやさしげなまなざしが魅力的だった。
そしてひつじのリーヴァ。愛らしい。
  りえさんと水縞くんが営むカフェマーニにはさまざまな客が、それぞれの傷をもち
ながらやってくる。それをしずかに夫婦があたたかく見守るところがいいのだろう。
そしてそこにおいしそうなパンがあること。あたたかい料理があること。
 それぞれの客の物語は解決はしないが、それぞれいい方に修正でき、生きることを
肯定的にとらえる。
 この映画の中では、二人が一つのパンを分け合って食べる。そこにとても意味がある
と思う。愛する人を大切にしながら、自然をみつめ、自然に見守られて生きる。いい生き
方だと思うと思うが、なかなかできるものでない。
 とにかくいい映画を観たというたしかな感触が胸に残った。
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by nokogirisou | 2013-11-05 23:29 | 映画

『昭和三十年代演習』関川夏央

新幹線の行き帰りに読んだが、この本はとても面白かった。私の知らない昭和30年代を映画と小説作品を丁寧に辿りながら、詳細に描いている。昭和30年代という「時代」が見えてくる感じだ。決して映画『三丁目の夕日』のような懐かしい、和やかな、世界だけでない。戦後の問題、奇怪な社会事件、民族問題、そして象徴的な東京五輪が描かれる。
また当時の小説やルポが興味深く紹介されていて、実物をなんとしても読みたくなる。松本清張と三島由紀夫についてはかなりのページをさいており、二人の人物像をリアルに描き出しているのも興味深い。
近代文学熱再燃しそうだ。
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by nokogirisou | 2013-11-04 00:22 | 本と図書館

探究学習の公開研究会

11月3日、東京大学附属中等学校で行われた、公開研究会「中等教育における卒業研究カリキュラム、学校図書館サービスを視野に入れて」に参加した。
大変盛りだくさんの内容で、参加して私自身のもやもやしていた問題意識が明確なものになった。
市川伸一先生の講演、渋谷教育学園渋谷中学高等学校の竹林和彦先生の論文執筆指導の実際の講演、根本彰先生の基調報告、井上享子先生の東大附属の卒業研究の事例報告、佐藤千春司書による学校図書館の資料提供による卒業研究に対するサポートの話、そして卒業生の卒業研究の体験発表が続いた。
その後三つの分科会に分かれてディスカッションし、最後に全体のまとめがもあり、分科会の討論を共有した。
休憩時間に図書館を見学したが、レポート、卒研、推薦入試のサポートをしている展示がたくさんあるのが特徴的だった。一方ラノベやコミック、絵本もある。

さて問題点を三つにまとめてみたい。探究学習実践まで、たどりつきたいのだが。
1、卒業研究を教育課程の中でどう位置づけるか。
2、現在は、私立や国立の教員の異動のすくない学校で、探究学習が実践されているが、公立学校でどう時間を確保し、人員配置して論文指導を進めていけばよいか。
3、学校図書館は、探究学習のためにどういうサービスをすすめていけばよいか。

探究学習経験者の、学んだことは大学に入ってから大変役立ったが、受験勉強との両立が大変だったという言葉にも考えさせられた。実際に卒業研究を体験した卒業生の生の声をいろいろ聞けたことが収穫だった。
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by nokogirisou | 2013-11-03 17:56 | 本と図書館