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ミュージアムコンサート 横坂源

 
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 新潟市美術館は今「ニイガタクリエーション」をやっている。
新潟出身のアーティストを紹介する企画だ。アートだけでなく
音楽でも活躍する新潟出身の若手を紹介するというコンセプト
で今回のコンサートは企画されたらしい。
 新潟市西区出身の横坂源さんのチェロコンサートだから
聞き逃せない。今日は、開演の一時間前から美術館につめた。

 美術館の2階の講堂が会場のため、入場できるのは80人。
今回は無伴奏のチェロ曲ばかりを集めた興味深いプログラムだ。

 ヨハン・セバスチャン・バッハ 無伴奏チェロ組曲第4番プレリュード
 ウジューヌ・イザイ       無伴奏チェロソナタ
 黛敏郎              BUNRAKU
 ヴィルト・ルトスワフスキー  ザッヒャー変奏曲
 ヨハン・セバスチャン・バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番
 パブロ・カザルス        鳥の歌

 演奏者と客席が近いので、チェロの響きが脚の裏からも
空気からも伝わってくる。また、今日は横坂さんが肉声で
チェロのこと音楽家の仕事のこと、曲のことをたくさん語っ
てくれた。

 音色という言葉があるが、今日は横坂さんが「色を変える」
とはどういうことかをフォーレの「夢のあとに」で実演してくれた。
弦のすべりぐあい、こすりぐあいで、音色が変わるのがよく
わかった。
 
 チェロ弾きの仕事を、三つの別の仕事にたとえながら紹介
してくれたのがおもしろかった。
 まずは職人のように練習する。正確な音を出すために毎日
職人のようにひたすら音を出す。
 次に、コンサートの日程が決まると、その日に向けて締め切り
に向かう漫画家のように、ひたすら調整する。
 そして、作曲家が曲にこめたメッセージを探偵のように探ると
いう。職人、漫画家、探偵…。
 
 バッハは、すでに横坂さんの血肉になっている曲のようだった。
自分の中にある音を力いっぱい紡いでいた。
 イザイのソナタは、3楽章とも魅力あふれる曲で好印象を
持った。
 
 おどろいたのは黛敏郎のBUNRAKUである。三味線や囃子や
義太夫が聞こえてくるかのようなおもしろい響き。
 木の部分をたたいたり、弦をはじいたり、こすったり忙しい。
しかしとにかくかっこいい曲だった。
  
  ルトスワフスキーのザッヒャー変奏曲はユーモアにあふれて
いた。ザッヒャーとは当時のパトロンだそうだ。

 カザルスの鳥の歌はむせび泣くような、悲しい音色だった。
 カザルスがいつも最後に弾いたという曲。
 昔FMでカザルスの弾く鳥の歌を聴いたことを鮮やかに思い出す。
 
 チェロという楽器はとても単純なつくりだと言っていたが、出す
音はとてもデリケートである意味微妙で、おなかに響いて記憶
する。もっとチェロの曲を知りたいと思った。
 また横坂さんが好きだというシューマンのチェロの曲を聴いて
みたいと思った。
 
 
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by nokogirisou | 2014-02-23 01:52 | 音楽

山田洋次監督「小さいおうち」

 今日は映画の日だったので気になっていた「小さいおうち」を見に行ってきた。
さすが山田監督の作品だけあって、物語にぐいぐいひきつけられた。
音楽が久石譲で、私は「ハウルの動く城」を思い出した。 わかりやすい
額縁構造だ。現代を生きる健史と大叔母たきとの交流。そのたきの書い
た自叙伝を通して60年以上前の話が語られる。小さいおうちの事件を
描きながら、実は戦争することの愚かさを描いているのではないか。
当時の風俗や食べ物をとてもリアルに描いているところも山田監督らしい。
 朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」の配給の様子と重なって、迫りくる
戦争の描写がとても痛々しく感じられた。戦時中がいかに生きにくい時代
であったか登場人物に語らせている。やりたいことができない、言いたい
ことが言えない。心の自由すら許そうとしない当時の風潮を本当に
寒々しく感じる。
 若いころのたきを演じる黒田華、晩年のたきを演じる倍賞千恵子。
どちらも魅力的だった。そして大叔母を見守る健史を演じる妻夫木聡
が妻夫木らしい役どころでなかなかよかった。
 松たか子もこの時代の奥様を好演、さすがだ。
 劇場で見る映画、なんと贅沢な時間だろうか。 
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by nokogirisou | 2014-02-01 23:48 | 映画

妙高山

  
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 「先生、冬はいったいどこに行ったんでしょうか?」
昨日の現代文の授業のはじめにある生徒が窓の外を見
ながらそう言った。今日もまるで春かと思うような天気だ。
 今年、新潟市に雪は積もらない。私の雪の記憶は、妙高
赤倉に集約される。それほど今年2回でかけたスキーの
記憶は強烈だ。雪に囲まれたあの時間。
 さまざまな山の中で、こんなにも気持ちをゆさぶられる
山はあっただろうか。上越に向かう高速道路で思わずその
姿を探してしまう。妙高山。のぼれば、そこから見える世界
に心躍らせる。
 子どものころから、毎日眺めてきたからだろうか。校歌で
歌い続けてきたからだろうか。特別の山をもっていることを
幸いに思う。
 
 
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by nokogirisou | 2014-02-01 10:49 |

チェリスト横坂源 リサイタル

 新潟市の西区役所新庁舎オープン記念事業で新潟市
出身のチェリスト横坂源のリサイタルが行われると知り、
さっそく申し込んだ。そしてあっという間に当日がきた。

 曲目は、バラエティに富む。初めて聴く曲もあった。
さまざまな国の作曲家の作品を集めたそうだ。

 1 ショパン 序奏と華麗なるポロネーズ
 2 サン=サーンス 白鳥
   
  トーク

 3 カサド 親愛なる言葉
 4 フォーレ 夢のあとに
 5 ヤナーチェク おとぎ話
 6 リムスキー=コルサコフ くまん蜂の飛行
 7 ブラームス チェロソナタ第一番 ホ短調
 8 シュトラウス モルゲン!

 生き生きかつ、たっぷりと歌ってくれた。
 チェロを弾いているよいうより、歌っているという印象だ。
特にヤナーチェクの「おとぎ話」とブラームスのチェロソナタ
1番は聴きごたえがあった。カサドの「親愛なる言葉」は
魅力的なチェロ曲だった。

 横坂源は、折にふれて新潟のコンサートに参加してくれ
るので、私は可能な限り聴いてきた。
 彼はチェロを鷲尾勝郎氏、毛利伯郎氏、ジャン・ギアン・
ケラス氏に師事したという。私がこれまで聴いてきた海外
の、どのチェリストの演奏とも似ていない気がする。
以前聴いたときは、特に力強さを感じたが、今回はしなやかさ
と繊細な音色に特徴を感じた。そして彼のチェロの扱い方に
に注目した。今使っている楽器は1760年Pietoro Giacomo
Rogeri制作のものでサントリーホールディングス株式会社から
貸与しているそうだ。体の一部のように、そして子どものように
チェロを大切に持ち歩き、抱えて弾く。
 ソロのときと室内楽演奏のときで微妙に違う表情も興味深く眺
めてきた。今回は、ややリラックスし、曲によりさまざまな表情を
見せてくれた。

 私は、今回ほど、近くで演奏を聴いたのは初めてだったし
彼のトークを聴いたのも、直接言葉を交わすことができたの
も初めてだったので、とても楽しいリサイタルになった。横坂さん
の声は楽器の音色のように落ち着いてすてきな響きだった。
自分のことを「チェロ弾き」と呼んでいるところにも好感を抱いた。
なんとサインの時間もあったのだが、ひとりひとりの話に耳を傾け
受け答えしてくれる姿には感動した。
 ドイツの留学から帰って、とても落ち着き、大人っぽくなった
印象を受ける。これからも聞き続けていきたいと思った。
 
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by nokogirisou | 2014-02-01 01:09 | 音楽