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コンポーザーピアニストフェスティバル2014

 辻井伸行、加古隆、レ。フレールの3組のコンポーザー
ピアニストが一堂に集い、競う、ライブに行ってきた。
会場のりゅーとぴあは3階席まで満席だった。

 ステージには3台のピアノが並んでいる。
 辻伸行はスタインウエイ、加古隆とレ・フレールは
ベーゼンドルファーを弾く。
 プログラムに曲名は書かれておらず、すべて本人が
ステージ上で紹介した。そのため、一部曲名不明である。
 
 生の辻井伸行の音色はやはり、すばらしかった。辻井の
「水の戯れ」の演奏をFMで聴いたことがあるが、音の輝
きと粒だちがとても印象的だった。しかし生の音色は、
それを超えて、本当にみずみずしくつややかだった。

 「神さまのカルテ」「はやぶさ」「マエストロ」などの
 映画のための作品を披露してくれたが、「はやぶさ」が
特に印象的だった。それまでの辻井作品とは異なる雰囲気
だと思った。
 「コルトナの朝」スイスを旅したときの曲。
「それでも生きてゆく」
 震災後、音楽は何ができるかを考えぬいて作った曲だと
いう。背中をまるめて弾く。
 最後は、新しいCDに収録されている、リストの
「ラ・カンパネラ」を熱演。ノリにのっている。
会場との一体感を感じているようだった。

 加古隆は、大人の雰囲気で登場。MCも落ち着いていて
とても聞きやすく、ことばが深い。
音楽に対する静かで挑戦的な姿勢にとても好感を感じた。
 さまざまなテレビ番組のために作曲してきたことを知る。
「ポエジー」
「白い巨塔」
ピアノ組曲「クレー」から2曲
NHKスペシャル「映像の世紀」のテーマ曲「パリは燃えているか」
 この曲のときの照明がとても効果的だった。
「少年時代」
(この次の曲のタイトルは失念)
映画「蜩ノ木」の秋谷のテーマ

 最後はレ・フレール。
 斎藤守也と斎藤圭土の兄弟のピアノデユオ。
 一台のピアノ、一台の椅子。
 4本の手で弾く。
 ピアノのプレイスタイルを研究し、チャレンジし続けている。
 楽曲は激しい。
 パフォーマンスがすばらしく、かっこいいので、客席は魅了される。 
 手拍子や掛け声も。
 「サムライ・ファンキー」
 「空へ」
 「キャトルマンのテーマ」
  あと3曲の曲名不明


 最後は、辻井も登場、即興の共演。のりのりだった。

 演奏会はこれで終わらなかった。
 すばらしいフィナーレが待っていた。
 加古隆の「黄昏のワルツ」を3台のピアノで3組の演奏家が共演した
のだ。これは感動的だった。
 3組の息はぴったりだった。
 スタンディングオベーションの嵐。

 興奮しっぱなしの演奏会だった。
 楽しいだけでなく、心ゆさぶられた。
 
 すでに夏休みはとっくに終わり、日常生活に疲れを感じていた
このごろだったが、この演奏会で、また明日からがんばろうという
気になった。音楽の力はすごい。



 
 
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by nokogirisou | 2014-08-29 22:26 | 音楽

「思い出のマーニー」(ネタバレあり)

 この映画は夏の間にどうしても劇場でみたかった。

 とにかく、映像が美しく、釧路がモデルだというが、北海道
でこんな風景を見てみたいと思った。
 この作品は少女小説のあらゆる要素を持っていた。
   なぞの洋館
   なぞの金髪の少女
   孤独な少女 
   夏の間の滞在
   
 ひとことで言ってしまえばひと夏の少女の成長物語なのだが
その描き方がとても丁寧で魅力的だった。やはり宮崎駿の描き
方とは違うと感じた。
 驚くのはイギリスの児童文学を、日本の舞台を移して描いて
も違和感がないところだ。
 
 私はどうしても涙なくしてみることができなかった。
 それは、彼女が「もらいっ子」であることを引きずっていたからだ。
彼女は自分をひきとってくれた養母の頼子を「おばちゃん」と呼ぶ。

 血のつながらない親子は、どうしても気まずく、気を遣ってしまう
ものなのだ。子どもは、ちょっとでも何かきっかけをさがして養父母
が自分のことを本当に愛していないのではないかと疑る。本当は愛され
たいのに、「どうせ自分はもらいっ子なんだ」「自分は本当は愛され
ていないんだ」と思い込もうとしてしまう。これはどうしようもない
性なのだ。素直になろう、思い込みから脱しようと思うけれど、やは
り本当の血がつながっていないというわだかまりから抜け出せない。
大人になることで、そういう葛藤を潜り抜け、感謝を感じ、心を開く
ことはできるが、だからと言って、手放しの愛情を養父母に感じるこ
とはどうしてもできない。
いつまでも条件付きの気を遣う愛情なのだ。
 この苦しみを私はひとりで勝手に共感して、劇場で泣いていた。
 
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by nokogirisou | 2014-08-18 00:24

奈良の旅2014 室生寺長谷寺

 奈良を旅してもこれまでなかなか足を延ばせなかった
宇陀市の室生寺と桜井市初瀬の長谷寺を参拝した。
 京都から近鉄でけっこう時間がかかる。

 室生寺は室生寺大野口から一時間に一本のバスに乗って
いく。お客は7人のみ。とても静かな寺だった。
 平安時代初期に建てられた金堂ととても小さい五重の塔
はなかなか趣がある。ただよう空気に時代を感じた。
 奥の院まで挑戦したが、階段の数が予想以上に多く汗だく。
登っても登ってもたどりつかない。しかし御影堂にたどりついた
ときは達成感を得た。
 
 長谷寺は桜井市の初瀬にある。初瀬は歌によく詠まれる地名。
駅から寺までの道のりが暑く、遠い。門前のお土産屋通りが
ずいぶんすたれた印象を受ける。歩いている観光客がいない。
名物の草餅を一つ買って食べる。疲れた体にしみわたる甘さ。
 霊場なので、参拝する客はいるが、みなバスで直接寺に
やってくるようだ。だから参道を歩く人はいないのだ。
暑い平日のせいもあるだろうが。

 ようやく寺にたどりつき、登楼をあがりながら、心が落ち着
くのを感じる。長い長い階段の廊下。こうしてご本尊を拝んだ
ときの感動はない。十一面観世音菩薩さま。
 長谷寺は古典にも信仰の対象としてよく登場する。圧倒
される力を感じた。
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by nokogirisou | 2014-08-04 06:12 |

京都の旅2014 街中散歩

  
 
 今回の京都の旅で、おもしろかったのは街中を
散歩してまわったこと。
 
 鴨川沿いは七夕の準備の灯篭や川床の宴会風景
が眺められた。川の散歩は気持ちがよい。いつ歩い
ても散歩をしている人が多い。人々に親しまれて
いる川なのだ。

 先斗町には魅力的なおばんざい屋が並ぶ。
「ますだ」は歴史あるお店。司馬遼太郎らが通った
という。中には司馬遼太郎の書が飾ってあった。
司馬と一緒に来店した文士たちの名前を読みこんだ
歌か詩だろうか。店の人が丁寧に説明して見せて
くれた。ここのおばんざいは、すばらしい。しめ鯖、
なすの田楽、湯葉巻、イワシの山椒煮に舌鼓をうつ。

 北野天満宮の近くの上七軒は粋な通り。舞子さん
が歩いている。その歌舞演芸の稽古場で夏の間は
ビアガーデンをやっている。5時半開店だが、5時
にはお客が並んでいる。みな予約された客ばかり。
いちげんさんは私だけのようだった。そのため、
残念ながらガーデンには通されず、店奥のテーブル
席に通された。気の毒がった舞子さん2人がやって
きて、たくさんおしゃべりをしてくれた。岐阜出身
の方と静岡出身の方だった。舞子言葉を上手に使う。
しかしここは明朗会計。助かった。
 烏丸御池のあたりを歩いていたら伊右衛門カフェ
を発見。のどが渇いていたので冷茶を注文する。
かぶせ茶というそうだが、独特の淹れ方をする。
これが美味。日本茶を気軽に存分に楽しめるお店。
 さらに、イノダ珈琲本店を発見。こちらも情緒
あふれる。本格的なモーニングが人気らしい。
朝は7時から営業。
  
 一乗寺の恵文社のあたりも歩いた。個性派書店
の恵文社は、本の並べ方が絶妙で、買う気を起さ
せる棚ばかりだ。雑貨店とギャラリーとイベント
のできるコテージも併設されている。多目的な
文化発信地になっている。またこのあたりは京都
であることを忘れそうな、下町の雰囲気が漂い
それが心地よかった。
 恵文社を訪ねたら、もうひとつの個性派書店
ガケ書房にも行ってみたくなった。こちらは店の
外見から変わっている。何と砂利でかこまれている
のだ。中は雑貨屋さんと古本屋さんが同居している。
 書店といえば、京都には大垣書店という大型店も
魅力的だった。夜の9時過ぎても営業しているし、こ
の店の棚作りもすてきで、品ぞろえがよい。


 
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by nokogirisou | 2014-08-04 05:46 |

京都の旅2014 修学院離宮


 真夏の午前中に修学院離宮を見学した。
加藤周一の「日本の庭」を読んだときは竜安寺の石庭と修学院
離宮の庭をアウフヘーベンした庭が桂離宮の庭だという印象を
受けたが、年代的には桂離宮の方が修学院離宮の先につくられ
ていた。修学院離宮を造営した後水尾天皇はもちろん桂離宮を
意識して庭を作り、参考にしたそうだ。そして2代目の八条宮
智忠は、その修学院離宮をさらに意識して、桂離宮の増築を
行った。互いの庭が影響を及ぼしあっていたのが事実のようだ。

 後水尾天皇は自由を求め、修学院離宮を自ら粘土で設計した
そうだ。日常生活では自由に動き回れなかったので、せめても
別荘の中では十分に自然を堪能し、自由な生活を楽しみたかった
らしい。幕府と皇室の間に緊張関係が続いていた時代である。
 したがってこの庭は立体的である。しかも桂離宮よりも規模が
でかい。遠くに見える比叡山も一望できる京の街並みすべても
借景し、庭の一部となっている。上中下の3つの離宮の間には
田園風景が広がっているが、この景観維持のために8万㎡に及ぶ
水田を買い上げ、ずっと地元の農家に農耕してもらっているそうだ。
下離宮から上離宮まで、かなりの距離を歩かねばならないが御水尾
上皇は自分の足で歩いたという。

 なんといっても圧巻は上離宮である。谷川をせきとめて作った
浴龍池の景観がすばらしい。高いところに作られた池なので、石垣
で四段に土留されているが、景観のために、石垣の上に数十種の
常緑樹を混ぜて垣根にして目隠しにしている。
 広大な池のまわりを一周できるが、どこから見た景観も見事だ。
そこにちょうど優雅にアオサギがとんできてこの池は自分のものだ
と主張しているかのように見えた。

 自然を大胆に取り入れた広大な修学院離宮は野趣あふれ、とても
ダイナミックに見えた。気が付くと1時間15分が経過していた。
すばらしい離宮であった。
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by nokogirisou | 2014-08-04 01:28 |

京都の旅2014 桂離宮

  ここ数年、京都の旅を続けている。歩ける街だから好きだ。
何度訪れてもなぞが多く、わからない道があり、新鮮で、季節
によっても違う顔を見せてくれる。観光客だからこそ、気まま
に滞在できるのだろう。暑いのは覚悟の上で、今年も旅に出る。

 今回の目的の一つは、加藤周一の「日本の庭」を読んで以来、
気になっていた桂離宮と修学院離宮を訪ねることだ。
 平日に夏季休暇をとったので、オンラインで比較的簡単に宮
内庁に離宮参拝の予約をとることができた。真夏はさすがに暑
いので敬遠する旅行客が多いらしい。 

 到着後、桂離宮見学時間まで時間があったので鈴虫寺と地蔵院
を周り、やや俗っぽい説教もまた楽しく、草鞋をはいたお地蔵さん
に真剣にお参りした。桂離宮の元関係者のやっている茶店でとろろ
そばを食べて、いざ離宮に向かう。

 桂離宮の周りには何もない。桂川が悠々と流れるばかり。
日蔭もない中を開門まで待つ。開始20分前に控室に案内される。
案内ビデオを見た後で、宮内庁職員によって庭園内を案内して
もらう。八条宮智仁によって宮家の別荘として作られた回遊式庭園
だが、2代智忠によって茶屋や書院が増築され池や庭園も整備され
たという。親子2代によって作られたところが特徴だ。舟遊びをし、
四季によって異なる茶屋でお茶を楽しみ、月を愛でた。

 私たちは庭全体を見ることができない。歩きながら、目の前の
風景を楽しむ。そこここに見立ての美がある。整備され、抽象的
な自然がある。洗練された美と言われる意味がようやく納得できた。
月見台にやってきてようやく庭全体を見回せる。
園内には灯灯篭がたくさんあり、夜に客人たちが園内をめぐり
遊んだことがわかる。
 
 一つ一つの建物、庭の植物は、とても丁寧に整備され、定期的
に修理されている。維持管理には莫大な費用とエネルギーが必要
だろう。およそ1時間にわたる見学は充実したものであった。
 
 ここ数年、京都の旅を続けている。歩ける街だから好きだ。
何度訪れてもなぞが多く、わからない道があり、新鮮で、季節
によっても違う顔を見せてくれる。観光客だからこそ、気まま
に滞在できるのだろう。暑いのは覚悟の上で、今年も旅に出る。

 今回の目的の一つは、加藤周一の「日本の庭」を読んで以来、
気になっていた桂離宮と修学院離宮を訪ねることだ。
 平日に夏季休暇をとったので、オンラインで比較的簡単に宮
内庁に離宮参拝の予約をとることができた。真夏はさすがに暑
いので敬遠する旅行客が多いらしい。 

 到着後、桂離宮見学時間まで時間があったので鈴虫寺と地蔵院
を周り、やや俗っぽい説教もまた楽しく、草鞋をはいたお地蔵さん
に真剣にお参りした。桂離宮の元関係者のやっている茶店でとろろ
そばを食べて、いざ離宮に向かう。

 桂離宮の周りには何もない。桂川が悠々と流れるばかり。
日蔭もない中を開門まで待つ。開始20分前に控室に案内される。
案内ビデオを見た後で、宮内庁職員によって庭園内を案内して
もらう。八条宮智仁によって宮家の別荘として作られた回遊式庭園
だが、2代智忠によって茶屋や書院が増築され池や庭園も整備され
たという。親子2代によって作られたところが特徴だ。舟遊びをし、
四季によって異なる茶屋でお茶を楽しみ、月を愛でた。

 私たちは庭全体を見ることができない。歩きながら、目の前の
風景を楽しむ。そこここに見立ての美がある。整備され、抽象的
な自然がある。洗練された美と言われる意味がようやく納得できた。
月見台にやってきてようやく庭全体を見回せる。
園内には灯灯篭がたくさんあり、夜に客人たちが園内をめぐり
遊んだことがわかる。
 
 一つ一つの建物、庭の植物は、とても丁寧に整備され、定期的
に修理されている。維持管理には莫大な費用とエネルギーが必要
だろう。およそ1時間にわたる見学は充実したものであった。
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by nokogirisou | 2014-08-04 01:02 |

アンサンブルクライン

8月3日アンサンブルクライン第50回記念演奏会を聴きに行ってきた。
 奥村和雄門下生によるヴァイオリンガラコンサートである。
奥村愛、鍵冨弦太郎、庄司愛、枝並千花(以上ヴァイオリン)、
羽柴累(ヴィオラ)という門下生の錚々たるソリストたちも
参加し、とても魅力的なコンサートだった。

 13時30分開場のところ12時すぎには、入場口に並んだ。
ミーハーながらかぶりつきの席をとる。
 
   プログラムは
 「スコットランドの釣鐘層」スコットランド民謡
 
 おもちゃの交響曲    レオポルト・モーツァルト
 「調和の幻想」作品3より第10番  ヴィヴァルデイ

 ヘンデルの主題によるパッサカリア  ハルヴォルセン

 弦楽のための交響曲第10番     メンデルスゾーン

「和声と創意の試み」作品8より「四季」  ヴィヴァルデイ

  なんといっても「四季」が圧巻
 春、夏のヴァイオリン独奏は枝並千花、
 秋、冬のヴァイオリン独奏は奥村愛
 
 本当にのびのびした、つややかなヴァイオリンの音色に
 聞き惚れた。「四季」は何度聴いても、そのときどきの
 聴き方ができる。
 以前はあまりぴんとこなかった「夏」が今日はとても
 すてきに、夏らしく聞こえて不思議な気がした。

 それから印象深かったのは鍵冨弦太郎とヴィオラの
羽柴累との「ヘンデルの主題によるパッサカリア」だった。
室内楽ならでは、音のやりとり、会話のような楽器同士の
コミュニケーションがとても魅力的だった。
 鍵冨さんがとてものびのびと、笑顔で演奏されていたの
がとても印象的だった。

 ほんとうに楽しい時間でアンサンブルの魅力を堪能した。
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by nokogirisou | 2014-08-03 23:49 | 音楽