神尾真由子&ミロスラフ・クルティシェフデゥオリサイタル

自分の音楽の聴き方に疑問と劣等感がある。
自分はスポーツやダンスでも楽しむように、音楽家のパフォーマンスを
聴いていただけなのかもしれない。楽曲についての理解が甘く、実はよく
音を聴いていないのかもしれない。自分は音楽を聴いて何かをいう権利
などないのかもしれないと思う。音楽会から、しばらく遠ざかっていたの
だが、やはり聴きたくてりゅーとぴあのコンサートホールに出かけた。
今日は神尾真由子&ミロスラフ・クルティシェフデユオリサイタルだ。
前日電話したところ、一階前列のS席がまだ空いていた。
 さて、登場した神尾真由子は、黒いドレスで妖艶に登場した。
 そして彼女が楽器を持って構えた瞬間から私の血がさわいだ。
  
プログラム 
 1部
 モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調 KV.304
 フランク   ヴァイオリン・ソナタイ長調
 2部
 ウェーベルン ヴァイオリンとピアノのための4つの小品OP.7
 フェルドマン ヴァーティカル・ソーツⅡ
 細川俊夫   ヴァーティカル・タイム・スタディⅢ
 グラス    「浜辺のアインシュタイン」より
         ニー・プレイ2
 ペルト    鑑の中の鏡
 ガーシュイン ボーギーとベス

 アンコール ハチャトゥリアン 剣の舞
       ディニク     ホラ・スタッカート  

  1部は人気のソナタを、ストラディバリウスで情熱的にうたいあげた。
 どちらも好きな曲だ。
  モーツァルトのソナタ28番は2楽章しかない。私はグリューミオーと
 クララ・ハスキルの演奏を聴いてきたので、今日の演奏はとても対照的で
 激しく聞こえた。フランクのソナタは繰り返しなじみのあるあのモティーフ
 が出てくる。4楽章たっぷり聴いた。

  2部は神尾自身がマイクを持って曲紹介をした。昼なのにいきなり「こんばんは」
 と挨拶したので、会場がどよめいた。今日は昼の公演である。ウェーベルンは100
 年前の作品だが、大変な現代曲に聞こえた。
  次の2曲はどちらもタイトルに「ヴァーティカル」とある。垂直の動きということか。
 現代的な技法と不安を感じさせる響き。細川の曲は時間の相対的な感じ方を表現したと
 いう。以上は、曲の構造を全く理解できず、いつ終わるのか予想ができなかった。
 グラスの「浜辺のアインシュタイン」はミニマル・ミュージックだ。繰り返しとズレ
 がそれなりに心地よい。次はペルトの曲。これを生で聴きたくて今日の予約をとった。
 2016年にNHKFM「きらクラ」で出会った、「鏡の中の鏡」はもミニマリズムをとり
 入れた曲だという。1部の演奏とはまったく違う世界を聴かせてくれた。
 最後はガーシュインの「ボーギーとベス」。旋律があって、アメリカ的な曲だと改めて
 思った。ハイフェッツの編曲だった。最後の曲にふさわしい盛り上がりだった。
 アンコールも大サービスだった。どちらも激しくエネルギッシュに弾いたので、弓の
 馬の毛は何本も切れた。とにかく神尾の演奏は力づよい。曲の理解の深さが
 伝わってくる。ピアニストととても親密な視線のやりとりと互いの信頼感を感じたが
 この二人はなんと夫婦だった。 
 


[PR]
by nokogirisou | 2018-04-29 21:54 | 音楽
谷川俊太郎展 >>