カテゴリ:本と図書館( 92 )

調べもの

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調べたいことを持っている、というのは幸せなことだ。
ネットですぐに解決できることでなく、時間とエネルギーが必要な しらべもの。最近はインターネットで調べることが普及する前に比べて、本当に調べものが、簡単になったが、それでも、まだわからないこと、手にいれにくい情報、資料は山のようにある。
地元の図書館である資料のレファレンスを依頼したところ、国立図書館関西館、東京都立中央図書館、東京都立多摩図書館にあることがわかった。コピーするには分量が多いということで、一番近い都立中央図書館に出向いた。2年ぶりだったが、一階にカフェができ、音声映像コーナーは一階に移っていた。荷物も持ち込み可能だった。やはり、じかに資料を手にとって読む、確認するというよさを実感する。
学生時代に通っていたときと、基本的な雰囲気は変わっていないのだが、この20数年間で利用勝手は随分よくなっている。そして、この図書館のある有栖川記念公園が私は大好きだ。1日がかりの調べをしてそそくさと帰る。


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by nokogirisou | 2018-09-24 16:40 | 本と図書館

『高校の国語授業はこう変わる』(大滝一登 髙木展郎編著 三省堂)の第3章はQ &Aだ。
多くの高校国語教員の頭の中はハテナでいっぱいだろう。
学力でなく資質・能力とは何か。その育成とはどうすればできるのか。
「論理国語」と「文学国語」を生徒全員に両方履修させることは現実的にできる
のだろうか。
実態のない「実用的な文章」は、教室で読む意味があるのだろうか?
具体性がないと生徒たちは読むモチベーションんを失うのではないか?
観点別評価は、授業と評価の一体化に本当に役立つのか?

Q&Aを読んでもまだ私はわからない。

とにかく新しい学習指導要領では、これまでの教材中心主義を批判している。
これまでは、たしかに定番教材があり、教材の読解理解が授業の中心だった。たしかに、生徒に読ませたい教材はある。しかしだからといって教材の中身だけを教えていたのではなく、教材はあくまで手段で、読みの体験を
通して読解スキルと言語技術を習得させていた面もあるのではないか。

評価の仕方についても疑問が残る。ペーパーテストは学んだことの再生の正確性や知識の
習得量をみることが主とされてきたとあるが、思考力を試すペーパーテストも十分
ありうる。
もちろん成果物やパフォーマンスも評価していくべきだと思う。しかし一人の教員が担当
する生徒が今のように多い状況で、毎時間効果的な指導や評価ができるだろうか。相互評
価や自己評価を活用したらいい、という声もあるが、それで資質・能力が向上するだろう
か。指導者が直接指導、評価しないわけにはいかない。
しかも教員がそれぞれの主観で評価していてよいわけがない。教員の評価のチカラを高め
る研修がもっと必要であろう。

これから危惧されるのは、やはり古典教育、文学教育の劣化だ。芸術と同じような、その
道に進む生徒だけが特別に学べばよいという扱いになりそうではないか。






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by nokogirisou | 2018-09-22 23:09 | 本と図書館

『高校の国語授業はこう変わる』(大滝一登 髙木展郎編著 三省堂)
第2章には、資質能力を育てる授業プランが掲載されている。必修の「現代の国語」の【書くこと】の授業の単位時間数が多いことに驚く。作文を目的にした授業ができるのはありがたいが、教員の授業デザイン力や、評価力が問われると思う。【読むこと】の授業も生徒個人の主体的な読みの姿勢が問われ、複数の文章を読み比べたり、自分の読みを他者の読みと相対化したりする授業か提案されており、これまでの「定番教材」を読解していく授業とは趣が異なる。古典も時代の異なる複数の作品を読み比べたり、古典と翻案小説を比較して読むなど、これまでの訓詁注釈を超えた、俯瞰的で総合的な国語力の養成が求められている。
しかし、古典を読みこなすには、やはりかなりの基礎的なスキルが必要で、その指導の時間も無視できないだろう。それについての授業提案は、本書には書かれていない。
「自分の考え方や事柄がらが伝わるようにレポートを書く」「複数の文章を読み比べて、理解したことを発表する」「成立した時代の異なる作品を読み比べる」など
「現代の国語」の授業では思考ツールや考えるための技法、探究マップの活用が促されている。総合的な学習のレポート作成を思わせる内容だが、概してレベルが高く、高校1年生に実施可能か不安になる。



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by nokogirisou | 2018-09-20 23:32 | 本と図書館

新しい学習指導要領になって、一番の変化が求められているのは、国語だよ、と言われている。
本当だろうか。さてどう変化すればよいのか。
『高校の国語授業はこう変わる』(大滝一登、髙木展郎編著 三省堂)を読み進めながら、考えたい。

これまでの高等学校の国語教育では、たしかに教材の正確な読み取りが中心に行われてきた。その方法は訓詁注釈的で、学年や学校で共通の方法と考査で管理されてきた。知識とスキルの定着が何よりも求められた。なかなか教師個人で好きなように 授業ができなかったのが現状だ。また、教材ありきで、定番教材があり、教材を教えることが、国語の授業だった。
これからは、資質、能力ベースの単元構想が必須になり、分野を越えて題材を組み合わせたり、同一分野で複数の題材を組み合わせて授業していくことが求められる。授業のデザインを授業者が主体的に行わねばならないし、参加する生徒たちが主体的、対話的に学べ授業にしなければならない。これは結構ハードルが高い。
評価もこれまでのような設問形式の考査だけでは行われなくなるだろう。レポートなどの成果物、発表などのパフォーマンスの評価が必要になる。そこでまた、客観的な評価をどうするべきかという議論が起きることがだろう。
これまでの国語教育に閉塞感を感じてきた私は、方向性としては、歓迎している。しかし各論になったり、現実場面で考えることになったりすると、疑問や不安を抱かずにはおれない。




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by nokogirisou | 2018-09-17 20:02 | 本と図書館

 
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 司書のKさんがfacebookで紹介していたので、手に取った。
これまた一気に読んだ。小説を一気読みは久しぶりだ。三浦
しをんという作家の筆力もまたなかなかだ。読ませる。
 この本は読みながら、思わず声を出して笑ってしまう。人前
では読めない。
 私は、中島梓の闘病記を読んでいるときに初めて「やおい」
という言葉を知った。それまで知らなかった物知らずである。
中島梓が「もっとやおい書きたい」と書いていたので、思わず
調べて、おどいた言葉である。「腐女子」という言葉もその時
知った。その学習がとても生きる読書となった。
 主人公川田幸代は腐女子である。これがなかなかかっこいい。
彼女はオタクなのだ。オタクの生態に俄然興味がわいた。オタク
の世界と社史編纂室が関係が絶妙である。そして幸代と恋人の
洋平との関係もなかなかいい。
 はじめは、まったり、ゆるゆる、情けない職場である星間商事
株式会社社史編纂室が、なんと裏社史を書くために一致団結し、
緊張感あふれて楽しい職場になっていくのである。(しかしこんな
ふうに書いてしまっては身も蓋もないか。)
 この小説のおもしろさは、星間商事の過去の秘密が明らかになっ
ていくことでもあるが、それ以上に登場人物ひとりひとりがとても
リアルに存在を持って書かれているところが魅力だ。まるで彼らが
実在して本当に動いているかのように思われる書き方だ。また幸代の
心のうちもなんだけ手にとるようにわかる。そして登場人物みなが、
この小説の中で、ある種の変化を遂げていくのである。
 読後感は爽快。読書は楽しい。
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by nokogirisou | 2011-09-10 09:09 | 本と図書館

 
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 すでに話題になっている本だが、私も書評を読んで、この本に吸い
寄せられた。
手にとって一気に読む。26歳の大学院生の運命と表現力に圧倒させら
れてしまった。福島から上智大学のフランス語科に行き、そこでビルマ
(ミャンマー)の難民問題に出会って、軍事政権と闘い、難民を救うた
めに多忙、過激な日々を送った著者が、どういう具合か自己免疫疾患の
難病にかかって医療難民となる。(ビルマの難民問題にこんな風に関わ
っている人たちがいるということを知ったこともかなりショックだった
のだが)病気というのはまったく理不尽なものである。有能で活動的な
若い女子が病気になる。彼女の生活と夢はすべてストップする。その状
況での困ったぶりが、本当になまなましく、他人事でなくリアルに描
かれる。しかしその目が客観的なので、読者はある意味救われる。見方
が分析的で、書き方がうまくて読ませる。彼女個人に対する同情や哀れ
みでなく、社会問題として「こまった状況」(いつか自分のなりうる困
った状況)をどう打開していったらよいのか真剣に考えさせられる。困
ってる人は彼女だけではないのだ。
この本を読んで痛いなと思ったのは、信頼関係にあったクマ先生との
間に溝ができたところと、これまで懸命に支えてくれた友達が、支える
ことが負担になっていると告げにくるところだ。人はとことん甘えること、
赦されることはないのだろうかと思ってしまう。
 健康でゆとりのあるときは、気遣いも気配りも自立もできる。けれども
本当に困ってしまって人に頼るしかない、わがまま言うしかないときに、
そんな余裕はない。相手から切られてしまうときのショックはいかばかり
かと思う。
他人に全面的に頼られるときの重さもわかる。自分自身が疲れてしまう
のもわかる。でもそこで最後のぎりぎりのところで、人を切りたくない。
そこまで自分を追い詰めたくないものだと思う。
 救いとなったのは、最後の方の淡い恋愛談。難病の彼の誠心誠意のふる
まいにほっとする。やはり愛が必要なんだ。人が生きていくには。
 著者がこれから病気とうまくつきあいながら、絶望せずに、発言を続け
ていくことを祈っている。
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by nokogirisou | 2011-09-08 21:26 | 本と図書館

アニマシオン勉強会

 昨日は今日は津田沼で開かれた第125回拡大アニマシオン勉強会
に参加してきた。内容盛りだくさんで1日があっという間だった。アニマ
シオンを通して出会った懐かしい方々に再会し交流できたこともうれしか
った。1998年にアニマシオンに出会ってすでに13年。紆余曲折あったが
勉強し続けてきてよかったと思った。
 アニマシオンとは、子どもたちにまるごと一冊の本をよめるように励ま
し、導くメソッドだ。これまで読書を動機付けたり、本を紹介したりする
活動や読み聞かせはさかんに行われてきたが、アニマシオンは読書そのも
のを自分でできるように、「作戦」を用いて集団で行う読書の「おけいこ」
である。作戦には「まとめる読み方」ができるようにするもの、「広げる
読み方」ができるようにするものがある。アニマシオンはこれまで無意識
に本人まかせてきた本の読み方を、明確に意識的に学べるようにした。
 
 私はこれまで、学校や公共図書館でアニマシオンをやるからには、アニ
マシオンで、子どもたちにどういう力をつけるのか、どうやったら効果的
なアニマシオンになるか、よりよいスキルを身につけるにはどうしたらよ
いかに腐心してきた。これらは実践の上で確かに必要なことだ。しかし
それだけでなく、大人が子どもたちに「本を読む文化」や「読書の価値」
を根気強く伝えていくことを忘れてはならないと思った。

 「本なんか読まなくても生きていける」という大人も多い。
本を読まなくてもたしかに生理的には生きていける。しかし知的には死ん
でいることになるのだという黒木秀子さんの主張は説得力があった。

 今回参加したことによる収穫のひとつは、すてきな本に出会えたことだ。
アニマシオンにかかわっていなければ決して読まないだろうと思われる
本に、深く出会えたことは私の財産になっている。
 
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by nokogirisou | 2011-08-14 08:10 | 本と図書館

学校図書館の抱える問題

 どうして学校図書館が学びの中心にならないのか。
大学の先生たちが、もっと高校生に読書してほしい、高校で本を読める
ようにしてほしい、レポートを書く力をつけさせてほしい、と言っているの
に公立高校の現場はあまり応えていないように思う。


 まず、現場の先生方が図書館に関心がない。図書館や図書を授業に
使わないことが問題だと思う。しかし高校教員が効率のよい、一斉授業、
教え込みや問題演習に追われるのは、現在の大学入試制度の影響であ
る。センター試験で高得点をとるには、時間をかけて図書館で調べさせた
り、レポートを書かせたりする余裕がないのだろう。だが、私は反対だ。
自分で調べ、学ぶという体験を高校時代にぜひ体験すべきだと考えている。
授業で図書館を使えば、図書館はもっと変わっていくはずだ。


 現在、司書をおかず、図書整理や購入は外部委託にまかせる学校が増え
てきているという。人件費を安くできてよいときく。しかしこれはまったく逆行
していると思う。司書の仕事はそういった事務仕事だけでないことをもっと
お上は知るべきだ。うちの司書は、来館する生徒のようすや貸し出しの傾
向をよく観察して、本を選んでいるし、生徒とのコミュニケーションから、
館内の配置や、展示コーナーを考えている。これは、専任司書でなけれ
ばなかなか出来ない仕事だ。授業とクラス担任の仕事を抱えている現場
教員は、司書教諭であっても司書のように図書館運営には関われない。
だから、司書を減らすとか、司書を採用しないなどというばかげた政策は
やめてほしい。
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by nokogirisou | 2011-07-18 10:58 | 本と図書館

 
 
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七夕だが、あいにくの雨。
 Kさんのおすすめで『手紙屋~蛍雪編』を手に取った。
 なんと、就職編とつながっているのだった。
 こういう展開だったとは…。著者は、同時に二冊の『手紙屋』を
書いたといっていた。

 主人公の高校生、和花が高校2年生であるところがポイントだ。
高校2年でこんなに進路に迷い、手紙屋と意見交換できるなんて
たいした女の子ではないか。2年生でなかなか受験勉強をリアルに
とらえられない。なんとなく、やらなくては、将来を考えなくてはと
考えるだろうけれど。
しかし、これが高校3年だったら、間に合わないだろうと余計な心配
をする。手紙屋と出会ったのがこのタイミングでよかったと勝手に
胸をなでおろす。
 手紙屋さんのメッセージは著者のメッセージでもあるのだろうけれ
ど、なかなか筋がとおっている。ちょっと理屈っぽいけれどもまったく
最もなことばかりでもある。
 ちょっと最後が予定調和なのと、日常生活の描写の書き込みが
足りないのは残念だが、この本の性格とすれば仕方ないだろう。
 
 
 
 
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by nokogirisou | 2011-07-08 05:41 | 本と図書館

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 これは自己啓発本の一種なのだろう。
「僕の就職活動を支えた10通の手紙」という副題が
ある。
 やや抽象的な職業論、仕事論、人生論的な部分も
あるが、それでもこの本を最後まで読んでしまうのは
いくつかの仕掛けのせいだ。
 私は、主人公諒太が、手紙屋を知ることになる「書楽」
という喫茶店や、「手紙屋」の存在に魅力を感じる。
「書楽」は顧客の誕生日に、特別な玉座のある書斎を
利用するサービスをプレゼントしてくれる。本も手紙も
喫茶店も現代社会では、斜陽なものたちだ。だからこそ
とてもいとおしく、リアリティを感じる。
 こんな喫茶店が現実にあったらどんなにステキだろう。
諒太は、その書斎で「手紙屋」と出会い、10通の手紙を
交換し始める。諒太はちょうど就職活動を開始したばかり
の大学4年生だ。
 手紙屋と文通しならが、諒太は仕事をするとはどういう
ことか、ビジネスとは何かを学んでいくのだが、そういう
ところは、やや予定調和的で、私はあまりおもしろくなかった。
こんな説教臭い手紙をありがたがって読む諒太がとても
レトロな青年に思えた。
 手紙を中心にすすめれらる小説なので、諒太の大学生活
や就職活動の描写がほとんどなく、説明的な文章が多いの
が残念だが、わかりやすい小説でもある。しかも手紙屋が何
者か、やはりそれが気になって先へ先へと読んでしまう。

 なるほど。こういう小説もあるのだなあ。けっこう若い人たち
に好評らしい。
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by nokogirisou | 2011-06-13 19:29 | 本と図書館

感じたこと・考えたことを忘れないために。